【物語】参
- 2017/04/19 23:37:25
投稿者:五月雨♪*。
オリチャをする為のトピです。
オリチャの基本
↓↓
場所
名前「台詞」
行動、心情etc…
移動できる場所
↓↓
街(まだまだ内容は考え中)
【甘味処】【霧崎事務所】【神社】【櫻樹病院】【かんざし屋】
各キャラの家や住みか(ご自由にどうぞ!(同居も可))
家の表記
【圭織宅】 【糸乃の屋敷】
山、海(山に囲まれる海のある田舎をイメージしています)
リクエストがありましたら【雑談】まで!
梶「妖怪?信じろと言われれば信じるけど実物を見たことがないらねぇ」
街を歩いていてすれ違っていたかもしれないし店のお客がそうかもしれなくてもまだ信じれない
本当に目の前で見たら信じれるかもねと付け加える
梶「どうしてそんなこと聞くんだい?」
これは単に気になっただけ
だが氷雨の職業は神主妖怪退治もしているかもしれない
氷雨「引き籠もりねぇ……このまま一生社に籠もってたいさ。」
妖怪退治も面倒なのだ。
話のわかるやつばかりとは限らないし。
アイツらからしたら人なんてエサも同然。唐突に襲われることも少なくない。
氷雨「んー……ねぇねぇ、梶くんは妖怪とか信じる?」
ごちそうさまでした!とお茶碗を水ですすぎもって聞いてみる。
特に意味はない。自分が知りたかっただけだ。
牙音「人がいっぱいいる」
中に入って陰から見てみる
分かりにくくなるように小さめの犬になっているから多分気づかれない
妖も硲者も主は無事だろうか見えないなここでは
武政「……やっぱ?」
屋敷に戻ろうとしたけれど、その嫌気の原因が知りたくてついついやってきてしまった。
まだ状況は把握できていないが、そこにタマと小春の姿が見えた。
……だがその奥は見えもしない。
牙音「嫌な予感しかしない・・・・駄目だって言われたけど覗くぐらいなら」
甘味処に背を向けて病院まで全力で走る
犬の姿に途中でなれないから辛いんだよね・・・・
勘が的中しなければいいのだけれど
【神社】
梶「本当の引きこもりだね・・・・」
はぁ・・・とため息をつきそういう
これはあの子も苦労してるだろうな多分
走る小春のあとをタタタッと軽快な足取りでついていく化け猫。
何を思っているのか、何も思っていないのか。
特に鳴く事も話すこともなく珍しく無言で小春の隣についている。
ただ、色の違う双眼は自分の主人とその周りの人物を
色濃く映し出していた。まるで観察でもするように。
七夜「余計なお世話よ!」
去ってゆく祟り神にめいいっぱいの大きな声で悪態をついておく。
このクソババア!なんて言葉はお姉ちゃんの前では言っちゃだめだ。
せめてお姉ちゃんの前では良い子にしていなきゃ。
息荒くため息をつき、溜飲を下げるようにしてゆっくり息をはく。
やっと静かにのんびりお茶が飲める、と湯呑みを手に持ったとき。
「あ、別に友達何かじゃないからね。タダの祟が……タダの知り合いだから!
仲良くなんてないからねっ!」
何かを思い出したかのように美幸に突発的に話し始めた。
そう、勘違いされちゃったら困るのだ。
あわあわと身振り手振りで「仲悪いです」ということを伝える。
それは子供らしくなんとも抽象的なもので、伝わったかどうかは謎であるが。
崩れ落ちた糸乃の見下ろしながらため息を吐く。
何でわざわざ僕がこんなおっさんと変人の為に……。
ガシガシと面倒臭さそうに左手で頭を掻き毟り、護衛にと童女の姿をした若紫という式神を召喚し糸乃に近づく。
それから、パラパラと紙を数枚無表情で糸乃の上に降らした。
晴哉「あんたが言ってんのこれじゃないの?」
それは自分の式神が記してきた街の異変。
硲者は妖にも、人間にも敵となってはいけない、陰陽2つの世界の均等を保たないといけないのだ。
だから数日前から妖を無意味に弄んでいる輩が居る事は頭に入って居た。
「こいつ、自他ともに認める変人だけどさ、無意味な殺生はしないんだよ。だから、そこら辺にいる妖を解体してそのままなんてありえない」
何でコイツ何かの肩を持っているんだろう。
不満げではあったが事実そうなのだから誤解は解いていた方が良いだろうと言う考えでそういう
武政「……あ」
ふと、糸乃に何か異変があったように感じた。
だがあんな強い奴が倒れることはあるまい、と勝手に思い込んだ。
川が氾濫し己も巻き込まれる前に、屋敷に戻ろう。
のぞき込むようなタマに苦笑いのような物を浮かべて言う。
小春「何でもねえよ」
俺も強くならないとなぁ、等と考えて居たら糸乃が膝をつく様子が見えた。
「おっさん?!」
小春にとってはまだ全然手の届かない所に居たような糸乃が膝をついた?
混乱で、とりあえず糸乃の方向へと走り出す。
「糸乃さん?!」
崩れ落ちる糸乃に目を見開き、思わず声が大きくなる。
もとより少なかった警戒心は吹っ飛び、心配である気持ちが優先された。
影を仕舞い、着物が汚れる事なんか気にしていない様子で彼の前に膝をつく。
触れて良いのか、今触れれば余計に怒らせてしまうのではないのか?落ち着きが無い様子で糸乃を見る。
こんな時でも、私の力は無力だと、思う。
視る事と影を操るだけの自分が仮を返す何て到底無理なんだということを思い知らされた。
武政「さて、アンタたちの姉妹愛を壊さない内に帰りますか」
よっこいせ、と立ち上がると机の上に小銭を置いてそこから去っていった。
自分は元来た道を辿って皆と別れた場所に向かう。
1人で歩いているのも何なので、祟り雨を降らせてやった。
武政「……で、皆何処行っちまったんだろう」
糸乃「ならんッ!この者は我が同胞の命を軽々しく弄び、そして踏み躙(にじ)った!その仇を討つ事の何が悪いというのだッ!!」
聞く耳持たずとはこの事で、己の内にあったものを爆発させるが如く口調荒々しく喚き散らす。
"らしくない"などと己に言い聞かせる相手に「貴様に何が分かる!」と歯を軋ませ、然し図星だからこそ、わかって当然な相手だからこそ悔しさを抱く。
威勢良く叫んだはいいがその間も腕の痛みは増すばかりで、顔を酷く歪ませてしまえばとうとうその場に膝から崩れ落ちてしまい。
呼吸が落ち着かぬまま浅く肩を揺らし、片腕を抑え込んでまた小さく呻き声をあげる己が見たのは向かい側で此方を心配そうに見つめる2匹の妖。
どうやら間抜けな姿を晒してしまったらしい。
そう思ってはようやっと萎らしく落ち着き、翅やら蜘蛛脚やらを体内へとしまっていく。
毒の廻りもあり、完全に人間の姿にはなろうとろ思わず角まではしまえなかった。
「…赦せぬのだ。」
最後にポツリと悪態を吐く様に洩らし、弱々しくも眼光を放ちながら悠々と平然な表情をする弥彦を睨み付けて。
黛は、今にも襲い掛かって来そうな糸乃に何の躊躇いも見せずに近ずいて行く。
右手で触れようとしたが、拒絶される事を恐れたように少し憂いの含んだ笑顔で笑い右手は空を掴んだ。
そのまま、ぎゅっと自分の着物の襟を握りしめ糸乃を正面から見つめる。
未だに空洞を思わせる左目は糸乃を捕らえている影が、影の妖の意思ではなく、黛の意識で動いているという事を物語っていた。
黛「糸乃さん、お願いします。少し話を聞いて下さい」
らしく無いです。
と、吐息に混ざってしまうような静かな声で言った。
周りにはおそらく弥彦の物だと解る刃物と糸乃の脚が落ちている。毒が回っているのか、弥彦のやり方を予想し少し焦っている。
早く解毒しなければ…妖といえど、死ぬ可能性は充分にあるのだ。
あ、何かの毒が効いたな、と思った直ぐその後に糸乃の姿が変化する。新しい事を発見できた喜びに頬が緩んだのも一瞬のうち、邪魔が入った。
内心、イラッとした。せっかく妖に効く毒薬が分かったと言うのに、そう思ったが抵抗することはやめた。
無機物を相手にしても楽しくないのだ。
晴哉の式神に抵抗すること無く拘束される。
弥彦「はあ、せっかくいい所だったのに」
非常に不満げな表情で言う。それから黛の影に拘束されている糸乃を眺めながら首をかしげる。
いったい、どの毒が効いているのであろうか?
早くしないといくら妖といえど死ぬのでは?などと考えていた。
いい実験結果が取れたから早く解毒しないといけないんだけど今近ずくと確実にやられる…
黛が落ち着かせてくれるまで晴哉の式神に拘束されていよう、と非常に呑気であった。
糸乃「…離せ黛。邪魔立てするのであれば貴様といえ容赦はせぬぞ。」
激痛による高揚。
妖独自のものか、己の歩んできた道故か。
それは感情の昂りと血の巡りをよくするものに直結し、毒の廻りを早め既に掌から片腕まで痺れるような痛みが伝わってくる。
最早感情を落ち着けようともせず、鬼の形相で相手を睨み続けて。
然し暴れ狂ってしまおうかと浮かぶその思考回路とは裏腹にその身体はピクリとも動かない。
蜘蛛脚や己の身体に纏わりつく影に品も無く舌打ちを鳴らした。
視線を忌々しい女の方へと向け、店に顔を出した時とは大違いで無慈悲な言葉をかける。
それ程迄に本能的になってしまった己は最早まともな思考すら働かず。
影が身体に食い込む事など御構い無し。
引き千切らんばかりに一歩、また一歩と脚を踏み出し、抑えきれんばかりの殺意を見せつけるは危険な妖の其れである。
のろのろと歩いてきたタマ、ようやく到着。
さっき通り小春の横に来たのですが……様子が少し変なのです。
「敵わないだろ」という声に目をやれば、怒り狂うご主人とさっきの無礼な妖怪モドキ。
タマ「(小春サマ?)」
心配そうに前足でちょんちょん、と小春の足に触る。
小春を下から覗き込むが表情はよく見えない。
弥彦、黛について行ったが既に感情は置いて行かれている。
おっさんがあんなに切れていること、いつも優しい舞花さんの異常な攻撃。
小春「敵わないだろ…こんなの」
妖であるのに人間よりも弱く感じる自分に虚しくなった。
ぎゅっと自分の着物を握りしめてその光景を目に焼き付けていた
糸乃と弥彦の姿を確認した瞬間、黛は正確に物事を判断する機能を失った。
親しい者が、仮を返さなければいけない者に殺される…
ぶわり、と影の妖が黛の影から浮き出てすぐさまそれは人より大きなものへと変化する。
それはもう、影の妖としてではなく、黛の式として動いていた。
黛の左目は影が入ったように白目が無く光を飲み込む様な闇となる。
黛「辞めて!」
黛は珍しく声を荒らげ叫ぶ。
影は細かく分裂し、細い糸状へと姿を変え糸乃の方向へと向かって伸びる。
この影には殺傷能力は無く、とても柔らかい。ただ単に動きを止める。
それが彼女の目的だった。
何だあれ。
櫻樹病院まで来た晴哉は更地の方にいるだろうと思いすぐにそちらに向かったが、一番に思った事はそれだった。
人間だと思っていた奴の妖の姿。
あきらかに殺気立って居る様子に今すぐ帰りたくなった。
晴哉「甘味奢ってもらうから…」
弥彦に向かっての言葉だった。
スッと式神をまとめて居る手帳を引っ張りだすと迷うことなく目的の式神を呼ぶ為に紙を引きちぎる。
晴哉「橋姫・総角!弥彦を押さえて!」
糸乃を、ではない。
糸乃に効果的なのは自分ではないという事は理解しているつもりだった。
糸乃「ほう、心当たりがないときたか…巫山戯るな。」
素早い動きで此方の攻撃を悉(ことごと)く躱していく様子に苛立ちすら募り、口調にもあからさまな怒りが出る。
然し幾ら硲者とはいえ体力に底はあるであろう。
いずれかすり傷どころではなくなる事を期待し、攻撃の手を緩めるつもりはなく。
然し次に相手の方から飛んできた刃物に前言撤回とばかりに一度此方の攻撃の手を緩めるしか術がなくなってしまう。
急な反撃に怯みでもしたか、一寸遅れて反応した6本の蜘蛛脚は主人を護るべく其々の刃物へと脚をぶつけ、叩き落としていく。
1、2、3、4、5…そして最後の6本目、と瞬時に目で追っていたのだが甘かった。
1本の刃物は脚の間をすり抜けて此方へと向かってきて。
然し己もただジッと脚だけ動かして怠けている訳ではなく、片手の煙管で刃物を弾き返しては金属音をひとつ奏でる。
そして跳ねた刃物よりふと甘い香りが鼻先を掠め…反射的に警告音を鳴らした脳裏に従い顔の前へ手をかざして。
飛沫した何かが手に触れ、続けて先程の熱傷よりか断然強い激痛が掌を襲う。
驚愕し、「うっ」と呻いた後に掌を見れば爛れた皮膚が其処にあり、思わず眉を更に顰めて。
よくもやってくれたな、と定型地味た其れを口にしようと開いた唇。
喉が震えるより前に聞こえたのは背後からずるりと自然に抜けていく蜘蛛脚2本の落ちる音。
1本は落ちたままピクリとも動かなくなり、もう1本は錯乱したかのように無数の毒蟲へ変化した後に統一性のない動きで蠢いている。
己の知らぬ毒が塗られいたのか、と気付いたのはこの瞬間であった。
毒を使用するものへこの手を使うとは侮辱にも値する。
勝手な己の秩序に順じ怒りで額に青筋が浮かび、激痛に震える拳を握って。
「…許さぬ。此度の妖が解体された事も…この様な侮辱も…ただで済むとは思うなよ。」
白金色の瞳をぎらつかせ殺気にも近い妖気を一気に高めて。
また背からは蜘蛛脚が生えてくると共に、2枚の青みを帯び、かつ透過性のある翅が出現した。
相手の返答も聞かぬまま翅を動かし、音もないまま先程より何倍も早い速度で相手の横へと回り込み。
疎ましくも復活した2本はまだ本調子ではなく、残りの4本を一気に繰り出せば先程同様両腕や肩部を狙って。
此方を見られ、少し慌てた様子で冷めた茶を啜る。
心を落ち着かせると目の前の壁をじっと見つめたままため息をついた。
彼女の顔にはもう寂しさなど残っていなかった。
武政「あっそ」
今まで知りたくてうずうずしていたが
聞けたことで満足したのかそっけない返事で済ませた。
なんとなく視線を感じて目をやれば、
祟り神が寂しそうにこちらを見ていた。
日本の神様は寂しがり屋さんが多い。祀れば福を齎し、蔑ろにすれば祟る。
人はみな神の子、7つを過ぎれば人の子として認められる訳だが
寂しがって、攫っちゃう(かくしちゃう?)ことだって度々ある。
七夜「繋がってないけど。」
そんな訳で、じっと祟り神を見ながら言った。
というか、日本の神様と拘ると碌でもないことしか起きない気がする。
机に肘をついてその様子を少し寂しそうな顔で見る。
ああしてくれる存在がいないのが悲しかったか、この祟り神め。
……でも、いなくて正解なのだろう。
武政「血は繋がってんのかって!」
ついつい笑いながら声を荒げた。
知りたいことはとことん追求し、絶対に暴く。それが私の性格なのだが……
彼女は「お姉ちゃん」の一点張りで詳細は話してくれなさそうだ。
外に出る、という言葉に「うぇー」と間抜けだ声を出した。
氷雨「外なんて夏は暑いし冬は寒いし春秋は微妙な寒さ暑さだからやーだよーんっ。」
真性の引き籠もり野郎である。
少なくとも、お天道様がいるうちはお外に出たくない。
そもそも俺は暇さえあれば寝ていたい人だ。
お布団さえあれば人生に満足しているような人物が散歩なんてすれば
それこそ文字通り蒸発してしまう。
氷雨「外どころか布団からまず出たくない。」
無駄にしゃっきりした顔で言った。
【甘味処】
「いや、でも……」と言いかけたが頭を撫でられて止まる。
少し安心したのか、美幸の手を両手で握りしめられていた力も緩む。
嬉しそうに目を細めて暫く美幸に撫でられていた。
七夜「だーかーら!お姉ちゃんはお姉ちゃんなの!」
嫌いな生き物と話しているが、お姉ちゃんの力でちょっぴりいつもより語気の荒くない七夜。
それから、美幸に向き直ると言った。
七夜「うん。……居なくなっちゃ、やだからね!」
えへへ、と照れたように笑いながら。
そう。居なくなったら………絶対許さない。
【霧崎事務所】
タマ「(じゃあ、追いかけましょう小春サマ!)」
にゃあん、と一鳴きすると二人の跡をトテトテと呑気に歩いていく。
急いで追わずともタマはニオイでわかるです。
武政「随分と仲がよさそうで」
その様子を見ながらケタケタと笑う。
このお姉さんを祟って殺せば、彼女は私を本気で殺しに来るだろうか。
もちろんそんな黒い考えがあるだけで実行しようとは思っていない、筈だ。
武政「うん、あの……私の質問に対しての答えになってない」
……ような気がします。
菊「いただきます!」
串から団子を一つ外すと、小さな口に運ぶ。
まだ小さいので一口ではいけないが、少しでも美味しいのか足をばたつかせる。
武政「随分と仲がよさそうで」
その様子を見ながらケタケタと笑う。
このお姉さんを祟って殺せば、彼女は私を本気で殺しに来るだろうか。
もちろんそんな黒い考えがあるだけで実行しようとは思っていない、筈だ。
武政「うん、あの……私の質問に対しての答えになってない」
……ような気がします。
糸乃の攻撃を最小限の動きで避けながら黒く変色したままの目で脚の動きや速さ、威力を観察している。
材料を貰うのは無理かな。自虐的に笑いながらそう感じる。
ただ、ここで逃ればこいつが病院に何もしないという確信も無いから引き下がる訳にもね……
ある程度は避けることが出来ているが所詮、元人間。妖と元人間では速さも体力も雲泥の差がある。
致命傷にはならないが、やはり生傷が絶ることは無く、薬で回復する隙も無い。避ける事を第一に次の行動を考えていた。
弥彦「妖の間の事件なんて知らないよ。僕は情報屋なんかじゃ無いから、ね!」
糸乃から少し距離をおき、到底当たるとは思えないが駄目元で袖に入れておいた手術用の刃物を計六本。糸乃に向かって投げつける。
刃の先端にはそれぞれ違う毒薬が塗りつけてある。半分が元から日本にもある自然毒。もう半分は貿易は始まり海外から輸入されてきた化学的に作られた毒。まあ、相手も毒を持つのだ、おそらく効果は発揮されないだろうと、人並み以上の速さで飛ぶ刃物を見ながらぼんやりと思う。
何事も試してみることが大切だ。
なんでこんなに心配されるのかなぁと不思議に思う。
むしろ心配しないといけないのはこちらの方では?と疑問が残るが、好かれている証拠だろう。と前向きに考える。
美幸「大丈夫だよ。お姉ちゃんはここに居るでしょ?」
掴まれていない方の手で七夜の頭を撫でながらそう言う。
一応、妖や硲者の存在は知っているものの実際に命の危険に晒されたことが無いので危機感は皆無であった。
圭織「さてと・・・お菊食べようか」
来たみたらし団子を手に取り隣にいる菊に声をかける
お茶もあるからもしのどに詰まっても大丈夫だと思うけど心配だな
【神社】
梶「外国から入ってきた食べ物らしいよ」
美味しかったなアレ
いつもの白米とは少し違う食感だったし
梶「たまには外に出かけてみたりしたらどうなの?」
お昼とか結構晴れの日が多いから散歩にはいいと思うけど
氷雨には関係ないんだろうな雨でも晴れでもなんでも・・・・とため息をつく
聞かれてた!と顔を赤くするのも束の間。
七夜「本当に?絶対だよ!
変な人について行っちゃだめだからね。
何を言われてもぜーったい、一人で行っちゃだめだから!」
美幸の手を掴んで捲し立てるように賢明に言う。
子供らしい少し舌っ足らずな声だから真剣に言っているように
聞こえないかもしれないが笑い事ではない訳でして。
七夜「違うよ。お姉ちゃんだからお姉ちゃんって呼んでるだけだよ。」
「気安く触るな!」と度々奮発しながら。
6本の蜘蛛脚が空を斬る。
次も避けずその身で受ければ良いものを、そう上手くいかぬが道理で。
然し逃げるばかりであれば埒が明かないのはお互い様であり、相手には何か策があるのやも、と警戒し。
今は逃げる相手を同様に追って先程と同じように6本の蜘蛛脚で攻撃を繰り出す。
然し的は両腕へと集中させ、機動力を欠かせる可きとして。
糸乃「先程の話の続きをしよう。近頃我が妖の間では奇妙な事件が起こっておる。…さて、貴様はなんだと思う?」
攻撃の手は一切緩めず、手に持つ煙管を指の間でくるくると回して手遊びして。
そして反対の手で火皿を掴み、ジュッと掌が熱傷するのも構わず握り締める。
最後のひと言には少なからず怒りと憎悪が混じった低い声で相手に問う。
武政「大丈夫。今はお取り込み中だろうから」
ごめんごめん、と言いながら七夜の背中を叩く。
なぜお取り込み中と分かったか?それは、彼の妖気が少し強いような気がしたからだ。
そんなこと言えるはずもなく、喉元でつっかえさせたまま話を逸らした。
武政「お姉さんとアンタはホントの姉妹?」
先程から聞いていれば、七夜は看板娘を「お姉ちゃん」と呼ぶ。
顔も似ているわけではないが一体どういう関係だろうかと気になっていたのだ。
自己紹介…嗚呼なるほど。
土蜘蛛が毒を吐くという噂は聞いていない。つまり彼は牛鬼であるのか。
噂では濡れ女と行動していると聞いたがそれは人間が勝手に考えた物か、たまたまそういう状況にであった人間が伝えた物だろう。
未だに糸乃について解った事は脚の鋭さと毒の味、種族だけか…
少し残念そうに笑う。もっと、自分が強ければ簡単に材料回収が出来たのに。
ミシミシと身体のあちらこちらから聞こえる関節の擦れる音。
久々に動いたからか軋んでるようで気持ち悪い。
弥彦「…嗚呼、実に不快だ」
常に思うように動かない身体に嫌気が指す。もっと綿密に身体の構造から作り直す必要がありそうだと危機感の無い事を思う。
次の攻撃避けなければ確実に死ぬ。
脚の強さや攻撃力、貫通性既にはもう分かった。だからもう一度受ける必要は無い訳だ。ならば、選択肢は一つだろう。
右腕を墨で塗りつぶした様に黒い腕へ、左腕を古くなった血液の様に赤黒い腕へと変化させた。
糸乃の腕を受け入れる様な動作はせずに上半身を後ろ向きに反らして地面に手を着く。
そのまま腕力だけを使って後方へと勢いよく飛び、糸乃との距離を離した。
自己紹介…嗚呼なるほど。
土蜘蛛が毒を吐くという噂は聞いていない。つまり彼は牛鬼であるのか。
噂では濡れ女と行動していると聞いたがそれは人間が勝手に考えた物か、たまたまそういう状況にであった人間が伝えた物だろう。
未だに糸乃について解った事は脚の鋭さと毒の味、種族だけか…
少し残念そうに笑う。もっと、自分が強ければ簡単に材料回収が出来たのに。
ミシミシと身体のあちらこちらから聞こえる関節の擦れる音。
久々に動いたからか軋んでるようで気持ち悪い。
弥彦「…嗚呼、実に不快だ」
常に思うように動かない身体に嫌気が指す。もっと綿密に身体の構造から作り直す必要がありそうだと危機感の無い事を思う。
次の攻撃避けなければ確実に死ぬ。
脚の強さや攻撃力、貫通性既にはもう分かった。だからもう一度受ける必要は無い訳だ。ならば、選択肢は一つだろう。
右腕を墨で塗りつぶした様に黒い腕へ、左腕を古くなった血液の様に赤黒い腕へと変化させ地面に手を付く。
瞬間、腕力を使い一気に糸乃との距離を縮めた。
二人の言葉に唇を強く噛み締める。
敵わない…そんな言葉が小春の心の中で渦巻く。
小春「行くよ、行かないと、駄目だろ」
力の差がどれだけあるのか。
自分がどれでけ弱いのか、しっかり自覚する必要がある。
そう思いながら黛達の行った方向に身体を向ける。
タマ「(小春サマ?)」
行かないのですか?と尻尾をひと振りして尋ねる。
タマは行く予定なのです。
遠くからご主人の戦う姿を安全に見たいのです。
走り出した晴哉を見ながら小春に話しかける。
流石に先程のは可哀想だろう、と思いながら。
黛「無理はしない様にね?」
遠回しに、勝てる様な見込みが無いのであれば来ない方が良い、と聞く人によれば毒を吐いているような台詞。
晴哉は式神使いであり、遠距離攻撃で怪我をすることが無い。
黛自身も、影の力が借りれば防げえることが出来る。
そう思い、晴哉の後を追う。
小春を見下す様に見て、冷たく言い放つ。
晴哉「知らないよ、君にあの妖が止められる?あの変人とまともに戦える?中途半端な戦力は要らない。自分で考えな」
舞花さん行こ、と、黛に声をかけて病院に向かって走り出す。
あの変人は1回殴る。
完全な八つ当たりであった。
これでも一応、百鬼夜行の一員なのに情けない。
晴哉の冷静な態度に自信を失う。
小春「俺に!出来る事はあるか?」
人の形をした式神を軽々と召喚した晴哉に力の差を少なからず感じつつ、晴哉がこれだけの強さを持っているならあの男もそれなりの強さがあるのだと焦りを感じている
自己紹介…嗚呼なるほど。
土蜘蛛が毒を吐くという噂は聞いていない。つまり彼は牛鬼であるのか。
噂では濡れ女と行動していると聞いたがそれは人間が勝手に考えた物か、たまたまそういう状況にであった人間が伝えた物だろう。
未だに糸乃について解った事は脚の鋭さと毒の味、種族だけか…
少し残念そうに笑う。もっと、自分が強ければ簡単に材料回収が出来たのに。
ミシミシと身体のあちらこちらから聞こえる関節の擦れる音。
久々に動いたからか軋んでるようで気持ち悪い。
弥彦「…嗚呼、実に不快だ」
常に思うように動かない身体に嫌気が指す。もっと綿密に身体の構造から作り直す必要がありそうだと危機感の無い事を思う。
次の攻撃避けなければ確実に死ぬ。
脚の強さや攻撃力、貫通性既にはもう分かった。だからもう一度受ける必要は無い訳だ。ならば、選択肢は一つだろう。
右腕を墨で塗りつぶした様に黒い腕へ、左腕を古くなった血液の様に赤黒い腕へと変化させ地面に手を付く。
瞬間、腕力を使い一気に糸乃との距離を縮めた。
土蜘蛛が毒を吐くという噂は聞いていない。つまり彼は牛鬼であるのか。
噂では濡れ女と行動していると聞いたがそれは人間が勝手に考えた物か、たまたまそういう状況にであった人間が伝えた物だろう。
未だに糸乃について解った事は脚の鋭さと毒の味、種族だけか…
少し残念そうに笑う。もっと、自分が強ければ簡単に材料回収が出来たのに。
ミシミシと身体のあちらこちらから聞こえる関節の擦れる音。
久々に動いたからか軋んでるようで気持ち悪い。
弥彦「…嗚呼、実に不快だ」
常に思うように動かない身体に嫌気が指す。もっと綿密に身体の構造から作り直す必要がありそうだと危機感の無い事を思う。
次の攻撃避けなければ確実に死ぬ。
脚の強さや攻撃力、貫通性既にはもう分かった。だからもう一度受ける必要は無い訳だ。ならば、選択肢は一つだろう。
右腕を墨で塗りつぶした様に黒い腕へ、左腕を古くなった血液の様に赤黒い腕へと変化させ地面に手を付く。
瞬間、腕力を使い一気に糸乃との距離を縮めた。
一通り仕事が終わった様で店内を見渡す。
美幸はただの人間であるため、店の仲が妖や硲者がたむろっている事など全く知らない。
そして、しょんぼりしている七夜を見つける。
美幸「どうしたの、七夜ちゃん。お姉ちゃんは居なくならないよぉ」
能天気ぶりは今日も絶好調であった。
毒霧を浴びせた後に震えた相手の動作…効いているのだろうか。
もしくは先程の様に苦しみ、薬を含んで元に戻るのだろうか。
そんな事を脳裏に予想付けていたのだが、何とも残念な事にその考えは大外れ。
景気良くも笑い出した相手に驚き、一瞬目を見張ったがすぐに元の表情へと戻す。
相手が医者なのかもしれない事はこの病院にきた時点で少しは予想出来ていた筈である…が、此処までとは。
相手が妖であれば素直に賞賛してやった所だが、硲者相手では勝手が違う。
強がる様に鼻で笑い飛ばして。
糸乃「なに、ひとつ自己紹介をしてやっただけの事。そうまた気を変にするでない。」
効かなければ効かないで次の手を打てばよい。
幸いまだ相手は此方を観察しているのか、此方へ攻撃をする素振りすら見せていない。
ならば此方も畳み掛ける必要はなく、引き続き遊ばせてやるが賢いだろうか。
距離は取らず、其の儘片足を一歩下げる事によって臨戦態勢へ。
ぐんっと一度6本の蜘蛛脚が背後へと下り、そして6本同時で一気に相手の四肢、そして頭部と胴へとばらばらに向かって繰り出していき。
氷雨「ぱん?何それ美味しいの。」
もぐもぐとお茶漬けを胃の中に流し込みながら聞く。
お昼間はずーっと社に引きこもりしてるからよく知らない。
夜は外に出るけど、外を歩いている人なんてもう殆どいないし、
お店なんて一軒たりとも空いてないし……
七夜「あっ……いや、ちょっと今は」
あわわ…と少し慌てた表情を浮かべる。マズイ、と言わんばかりに目を逸らす。
散歩がてら来たから殆ど何も持っていない。短刀一本でどうしろというのだ。
来られて標的にされた暁には街中逃げ回らなきゃいけなくなる。
これぞ本当の鬼ごっこだって?うるせぇ黙ってろ。
七夜「お姉ちゃんが居なくなっちゃうのは、さみしい。」
慌てた表情から、しょんぼりした表情に変わる。
武政「へぇ、そっか。じゃあ連れてきてもいい?」
ちっとも怖くない、と言うほどだから二人きりにしても大丈夫だろう。
どこからか湧き出てきた腹黒い考えが脳を埋め尽くした。
お茶を少し飲んだ後、ため息をつくと少し微笑みを浮かべ彼女に問うた。
「ふぅん、お姉さんのこと食っちまいそうだもんな」
あいつ確か人を喰うんだっけ。俺は食べないけど。祟るだけだけど。
あのお姉さんを喰われたくないのかな。それとも他の理由が……?
面倒臭い…そんな風に思うがまあ、弥彦の奴に借りだという事で手を打とう。と考えている。
晴哉「蛍、夕霧店番を頼んだよ」
蛍、夕霧というのは晴哉の感情の持つ式神であった。
どちらも女性で晴哉の言葉に静かに頷く。
それを確認し、晴哉は店をでた。
弥彦から出たのであれば、病院以外ありえないだろう。
梶「楽観ってここまで行くとあきれるわ・・・」
そんなに仕事したくないのになんで神社の神主なんて勤まってるんだろ・・・
というよりもと手元に目を向けてみると朝ごはんのようなものを作っている
今何時だと思っているのだろう
梶「いや僕は今日お客さんにもらったパンだっけ?それ食べたから」
お客さんが外国に染まる早いこと早い事・・・
かんざしは一応売れているもののいつ売れなくなるのは時間の問題かもなぁ
その問いにむっとして不満足そうな顔をする。
七夜「余計なお世話よ!あんなヤツちっとも怖くないもん。」
せっかくの親切を一蹴し、次は怒りだす子供。全く、表情筋の忙しい子である。
落雁を口に放り込みもぐもぐと口を動かしながら
忙しそうにお茶を用意しに行った美幸お姉ちゃんを目で追う。
七夜「………でも、ぜったいお姉ちゃんには近づけないで。」
落雁のふわっとした口に残る甘さをお茶で流し込んだ後に行った。
【神社】
氷雨「おー、いいね。それ。俺仕事しなくて良くなるね!」
最早、宮司かすら怪しまれる発言。
社が燃えたら治す前に焼き芋大会だな、とか脳内お花畑な事を考える。
沸騰したお湯を茶葉に通し、ご飯に掛けた。
今更な朝ごはん。なんとだらしないことであろうか。
氷雨「あ、梶君もお茶漬けたべる?」
机に湯呑みを2つ置きながらのーんびりと聞いた。
梶「あっそう。それは良かったよ」
棚からは餅や米、落雁が出てきた
まぁうまく使えば何品かおつまみが出来そうだ
梶「いつか火事になるよ本当に・・・」
神社が燃える話なんてあまり聞いたことがないがここでは起こりそうだから本当に怖い
噛むだとか、糸を吐かないだとかは関係ない。
ただ純粋に小さな者が集団でいる様子が気持ち悪いのだ。
着物の裾が少し焼けたな…など、と思いながら相手の言葉を待った。
蜘蛛の妖怪である事は何となく解ったが、その種族までは分からない。
土蜘蛛か、牛鬼か、絡新婦か、鬼蜘蛛か……いや、鬼蜘蛛は昆虫だったか?
絡新婦も一般的には女だと言われているから無いと考えていいだろう。
では、土蜘蛛か牛鬼の二択か……
それが分からなければ実験をする意味が無い。
正確な情報がを取るためにはそれを確認しなければいけなかった。
答えずに襲って来る事も頭に入れ警戒心は解かない。
しかし、糸乃の反応を見て少し眉を潜める。
ここは禁煙だと言ったはずだ。煙が行かなければいいが…
殺意では無いが少し苛立ちを覚えるのは人としては当たり前の感情だろう。
そして、話し出す糸乃に以外だと言うように目を開く。
意外だそう思った刹那に糸乃が動きだす。
聞こえたのは毒という言葉。それでも弥彦は動かない。
直に霧尉の毒を受け、ふらっと、後ずさる。
しかし、倒れることは無く小刻みに痙攣している様に見える。
弥彦「ふふ、ふはは!君は医者という生き物を見くびりすぎている」
痙攣していたのは笑いを堪えていたためか。
顔をあげ、口角を釣り上げる。
「毒何て効かないよ。今までどれだけの毒を飲んできたと思っているの?」
ただ純粋に小さな者が集団でいる様子が気持ち悪いのだ。
着物の裾が少し焼けたな…など、と思いながら相手の言葉を待った。
蜘蛛の妖怪である事は何となく解ったが、その種族までは分からない。
土蜘蛛か、牛鬼か、絡新婦か、鬼蜘蛛か……いや、鬼蜘蛛は昆虫だったか?
絡新婦も一般的には女だと言われているから無いと考えていいだろう。
では、土蜘蛛か牛鬼の二択か……
それが分からなければ実験をする意味が無い。
正確な情報がを取るためにはそれを確認しなければいけなかった。
答えずに襲って来る事も頭に入れ警戒心は解かない。
しかし、糸乃の反応を見て少し眉を潜める。
ここは禁煙だと言ったはずだ。煙が行かなければいいが…
殺意では無いが少し苛立ちを覚えるのは人としては当たり前の感情だろう。
そして、話し出す糸乃に以外だと言うように目を開く。
意外だそう思った刹那に糸乃が動きだす。
聞こえたのは毒という言葉。それでも弥彦は動かない。
直に霧尉の毒を受け、ふらっと、後ずさる。
しかし、倒れることは無く小刻みに痙攣している様に見える。
弥彦「ふふ、ふはは!君は医者という生き物を見くびりすぎている」
痙攣していたのは笑いを堪えていたためか。
顔をあげ、口角を釣り上げる。
「毒何て効かないよ。今までどれだけの毒を飲んできたと思っているの?」
武政「怖がることないって」
来るか来ないかは相手次第だし、己が決めることじゃない。
黒百合の落雁を音を立てて噛み砕くと難しそうな顔をした。
欠けた花弁の部分を見る。……なんだか嫌な予感がしてきた。
武政「やっぱり、アンタの近くに連れてこない方がいいか?」
氷雨「んー?お下がりだからへーきへーき」
と言いながら、戸棚をゴソゴソと漁っていると色んな物が出てきた。
殆が餅と落雁やら米だったが。参拝客がお供えを持ってくるから食うには困らない。
神前に出したあと、お下がりとして炊き出しやらするが圧倒的に消費が追いつかない。
氷雨「ん、沸騰した?」
お茶漬けでも朝ごはんに食べようと思ってお湯を沸かしていたのだ。
いつも何かしながらやるので危機感が薄い。いつか火事になりそう。
梶「おま・・・・それ飲んでいいのか?」
神前に出した後ならいいと思うけど・・・
ないなら無理に出さなくてもいいんだけどなー
梶「あ゛ー僕の家にお酒いっぱいあるから夜持ってくるね」
花見のときように何本かかっておいてよかった・・・と思う本当に
まぁ一回家に帰らなくちゃいけないから面倒だけど罰が当たるの怖いじゃん?
まぁ強制的に飲まされるだろうけど
梶「ていうか水を火にかけたまま棚を探らないの危ないでしょうが」
その場から立って台所に向かう
タマ「にゃーん!」
元気よく鳴いた。
「いきます!」とでも言うように。
返事してるみたいですって?きっと気のせいなのです。
にゃんこは人の言葉は解さぬのです。
【神社】
氷雨「お、いいねぇ」
なにかおつまみなかったっけ?と水を火にかけたまま
棚を探り始める。
お酒ならたくさんある。お神酒だけど。
氷雨「お神酒でいいよね?」
最近は外国から色んなお酒が入ってきているが。
糸乃「案ずるな。その蜘蛛は噛むが糸は吐かぬ。
然し勿体ない事をしたな。折角やった材料を…。」
惨めにも灰にされてゆく毒蟲達を見ながら、然し何処と無くしてやったり、といった顔で。
遊ばれるつもりが逆に此方が遊んでしまった為か、此方も饒舌になり人の事を言えた口だろうか、と冷めた目を向ける相手に物申したくなるのをぐっと抑えては耳に入った問いにどう答えてやろうか考えるように目を泳がせる。
死にゆく者に名乗る名はない、と言いたいところではあるが…ここは奴に手蔓をやる事にした。
「ひとつ。人を喰う事で力を付ける鬼也(なり)。」
相手の忠告を無視する様に帯から煙管を抜き取り、刻み煙草をもそもそと詰めて。
燃え、踠き苦しむ毒蟲の1匹が己の足元までしぶとくもやってきたのを見ては火の点いた其奴を直に摘み上げ、火皿の中へと落としてゆく。
間も無く草に燃え移り、ふわりと香の匂いが風に紛れて。
煙管は元々煙の量が少ない。
煙こそ肺に痞えるもの、と捉えられはするがそれを除いて身体に害を為すものはないにもない。
軽い考えではあるが幾ら病棟が近いとはいえこの量の煙が患者に迄及ぶとは思わぬ…貴様以外にはな。
「ひとつ。………毒を吐く蜘蛛也(なり)。」
カチ、と煙管の吸い口に歯を当てたままぼそりと呟く。
そして次の瞬間には相手との距離を瞬きの間に詰めてしまう。
至近距離、相手と頭の高さを合わせカッ、と下駄を軽く鳴らして止まれば目は軽く細められて。
ふっ、と体内に溜まる毒霧を相手の顔面へと吹きつけるように吐いた。
鬼をも瞬時に昏倒する神経毒。
…さて、この相手にはどの様に効くか、其れとも防がれるか。
今の時点でそれは定かではない。
行くの声に少し驚いた様に目を開くがすぐに不敵に笑う。
そして、次に視線をずらし猫を見る。
晴哉「そこの猫はどうする」
まあ、おそらくこいつも妖なんだろうなと思いながら問いかける。
早くしないと、大変な事になるよ、という視線を送りながら。
脚が崩れる。そう感じた瞬間、弥彦の足元から火花が上がり爆発する。
煙と砂埃が舞う中軽く咳き込みながら時に気にする様子の無い調子で弥彦は言う。
弥彦「きっもち悪い事しないでくれるかな!?」
姿は完全に人間の姿に戻っているが、手には薄い札が握られていた。
それは、基本的には目くらまし用にしか使っていない爆破専用の札だった。
妖を吹き飛ばすには威力が少ないが、人の子供までなら簡単に殺める事の出来る物だが、間近で受けたにも関わらず弥彦に目立つ外傷は無い。
「気持ち悪い事出来るねぇ、君」
初めて笑顔が消えた。ただし、怒りや恐怖の欠片はなく。
真剣になったと言うより害虫を見る目そのものだった。
「答えてくれる気はしないけど、一つ聞いていいかな?」
「君っていったい何なの?蜘蛛と言っても結構種類いるでしょ?」
未だに腕を擦りながら距離を置く。
全く何処までも気狂な奴である。
そこらの妖より断然どこか螺子が抜けたような行動に次の一手までの思考が思わず何処かへいってしまう。
己で己を傷付ける、そういう趣味のある男であったか。
そんな冗談を…いや、存外冗談でもないのかもしれないが、呆れたような目で眺めてやればスッと片手を広げて相手の方へと翳(かざ)す。
糸乃「ならば貴様を始末した後にその資料とやらを拝見させてもらおうか。」
己が見たこともないような代物を口にし、回復していく様子は誠に不思議な眺めで。
最早相手は妖。
否、此れこそが硲者だと言うのであろうか。
そんな考えを片隅に置きながら小さく口元で呪術を唱える。
「生きの良い脚だ。すぐに逃げてしまうから気を付けよ。」
くつくつと喉奥で笑い、相手の手元にある蜘蛛の脚を眺めて。
呪術を唱えた後に、その脚は再び一際大きく蠢くと塵のように崩れ落ちていく。
否、そうではない。
無数の小さな毒蟲となって、蜘蛛の子を散らすように逃げていくのである。
別段相手が怒ろうが無反応であろうが、
ひとつ揶揄ってやったぞ、とばかりに気が楽になった。
無論そんな事で終わるとは思っていないのだが…己も、相手も。
はっきりと晴哉の言葉を理解する事はできなかったが、何となく、と言うより、本能的に返事をする。
小春「行く」
迷いは全くなかった。
梶「あーいいね・・・今日の夜にする?それ」
確かまだ花見にいっていない
神社だから一応桜の木はあるはずだ多分
基本氷雨のどんくささというかなんというかは知っているので熱い痛いは日常だと思っていたい
梶「普通だからいたって普通」
もし氷雨が陰陽師だったらなんて考えたこともあるが絶対ないなと一瞬にして分かった
氷雨「酒ねぇ……あ、じゃあ夜桜でも見ながら酒盛りでもしちゃう?」
どうも働くという言葉は頭にないらしい。
そう言いながら緑茶を鈍臭そうな手つきで入れ始める。
たまに「あつっ」とか声を漏らしながら。
氷雨「梶くんは真面目だなぁ」
偉い偉い、と呑気に振り返って言う。
誰がこんなノロノロ野郎を陰陽師なんて思うのだろうか。
焦った様な小春を見て嫌そうな表情をする。
内心は逃げろって言ったのに…という感じである。
晴哉「何、小春くん?行くの?」
微妙に言葉の足りていない台詞。
正確には、僕らは糸乃の所に行くけど、小春も来るの?
だった。
梶「はぁ・・・・明日は月曜なんだから着替えて平日だし働いてよね」
そんなことを言いながらも結局自分も甘やかしている
中に上がってみると結構綺麗だった多分あの七夜っていう人が片付けてくれてるんだろうな
梶「お茶でいいよ朝からお酒飲んだら怒られるだろう主に氷雨が」
お酒を朝に飲んだことがないという訳ではないがお客が来るので控えている
休みの日とかはたまに飲んでるけど
氷雨「え〜……やだよメンドクサイ。日曜日の朝なのになんで働かないといけないんだよぅ」
あ、いいよ上がって上がって、と自分も部屋の中に戻る。
七夜が整理してくれるおかげで中は割りと綺麗だ。
ねむいねむい、と眠気まなこを擦りながら、あくびもしながら
「何か飲む〜?」とフラフラと台所に向かう
梶「おはよう・・・・ていうか着替えなよ一応神主なんだからお客が来たらどうすんの」
痛いという声は無視して話す
まったく・・・と少しあきれ気味の顏だ
梶「上上がってもいい?」
足が疲れてきた
疲れるのが早いといわれてもかんざし屋まぁ僕の家から結構ここ遠いんだよね
梶「おはよう・・・・ていうか着替えなよ一応神主なんだからお客が来たらどうすんの」
痛いという声は無視である
まったく・・・と少しあきれ気味の顏である
とりあえず近くの段差に腰を掛けるずっと立ってるのって結構疲れるんだよね
その言葉に振り返り、次は不安げに眉を八の字にする。
七夜「それ、本当なの」
悩ましげに瞼を伏せる。
声も若干震えているのは恐れか否か。
憂いに敵心を忘れ、怒りに己を忘れる。なんとも感情豊かな子供らしい子供である。
【神社】
氷雨「んぁー……どちら様ですか〜」
ゴンッ、という音がしたのは氷雨が起き上がった時に何かにぶつかったのだろうか。
ついでに「痛っ!」という悲鳴も神社の外に聞こえるだろう。
氷雨「あぁ〜……梶くんおはよう。」
ゆるーく挨拶する寝癖頭、寝間着、寝ぼけ顔の三連星が揃った男こそ
この神社の神主である神宮寺氷雨。
だらしない事この上ない。
その言葉に振り返り、次は不安げに眉を八の字にする。
七夜「それ、本当なの」
悩ましげに瞼を伏せる。
声も若干震えているのは恐れか否か。
憂いに敵心を忘れ、怒りに己を忘れる。なんとも感情豊かな子供らしい子供である。
梶「さてと・・・・起きてるかな?氷雨は」
神社に行くことは多分普通の人よりも多いだろう
まず朝に弱いあの人が起きているわけがないのだ
梶「氷雨ぇ起きてるかぁ?」
勝手に上がり込んでるわけじゃない
近くに来て少し大声で起こしているだけである
いつもならしないけどな変な目で見られるから
武政「私がずっとここにいたら迎えに来るかも」
ちょっと冗談のつもりで言ったが、どうだろう。
あの人の事だから絶対と言っていいほど来る確率は0に等しい。
そう言った後、場の空気が少しどんよりした感じがした。
武政「おい、何かあるのか?」
と、そっぽを向いた彼女の姿を見て呟いた。
圭織「あぁ分かったすいません、三色団子とみたらし団子を1つづつお茶を2つお願いします」
近くにいた店の人にそれだけ言う
やっぱり硲者も人も妖もいるんだなーまぁその内2つは私達なんだけどね
牙音「お金は・・・・団子一個分はあるね」
タマ「にゃあん」
言葉を話すことなく、ご主人の言っていた人物を呼ぶために鳴いた。
一応、普通の猫っぽくしておくです。
え?もう手遅れですって?
きっと気のせいなのです。猫は言葉を話さないのです。
【甘味処】
七夜「なぁんだ、驚かせないでよ!」
安堵の表情を浮かべる。大げさに顔には出なかったが、
ピリピリした緊張の空気は消え失せた。
……のも束の間、ひと睨みした後に「もう!」と頬を膨らませそっぽを向く。
しかし、そっぽを向いた先で顔は曇っていた。
向こうから慌てた様子で黛と霧崎がこちらに向かっているのを確認した小春は小走りで近寄る。
小春「舞花さん、晴哉!おっさんが!」
こんな時での糸乃の名前は呼ばない小春であった。
動揺をしている様にワタワタと時に意味の無い身振りで伝えようと動く。
武政「さぁ、どうだろうな」
珍しく緊張の色を見せるのもだから少し驚いた。
やはり糸乃は恐れられる存在なのだろうか。
屋敷では父親を連想させるように優しい妖なのに。
武政「……多分、来ないと思うけど」
あやふやな言い方で問いに対する答えを述べる。
空になったあんみつの入れ物を音を立てて机に置く。
菊「菊は……これ!」
指を指したところには三色団子と書かれていた。
そうお団子が食べたくてここに来たのだ。
武政「さぁ、どうだろうな」
珍しく緊張の色を見せるのもだから少し驚いた。
やはり糸乃は恐れられる存在なのだろうか。
屋敷では父親を連想させるように優しい妖なのに。
武政「……多分、来ないと思うけど」
あやふやな言い方で問いに対する答えを述べる。
空になったあんみつの入れ物を音を立てて机に置く。
菊「菊は……これ!」
指を指したところには三食団子と書かれていた。
そうお団子が食べたくてここに来たのだ。
一気にお客様が増えたなぁと微笑ましく店内を眺める。
街の一角で妖と硲者が争っているなど全く予想していないだろう。
美幸「今日も平和ね」
お茶を運んだり、注文を受けたりしながらそう呟く。
実にめでたい頭である。
圭織「よろしい!」
にっと微笑み返して頭をなでる
何があるのか板を見てみる
お茶とみたらしでいいかな私は
圭織「好きな物頼みなよ後で一緒に頼むから」
牙音「ここで合ってるよね?」
何人か人がいるし看板も甘味処と書かれているからここで合っているだろう
始めてくるなこういうところ・・・
糸乃、という言葉に少し体が跳ねる。
別に怖いって訳じゃない。怖い訳じゃない……と思う。
幼い顔には明確に緊張の色がにじみ出ている。
七夜「その……、ソイツもこっちに来たりする?」
人差し指で武政の着物をつつく。
アイツは人喰いをするからこの祟り神よりも数倍タチが悪い。
アイツなんかにお姉ちゃんを触らせたくない。
武政「糸乃にお金貰ったからかな」
どうしてここにいるかは自分でも説明しにくい。
まぁ単純に行く場所がなかった、と言えばいいか。
武政「武政さんにも、ちょーだい」
金平糖を無断で1つ摘むと、口に放り投げる。
あんみつよりも甘くはなかった。
けれど己にはこれが何故か懐かしく思えたような気がした。
菊「はーい」
手を上にあげて大きな声で返事をする。
その顔には子供らしい明るい笑顔が浮かんでいた。
ゴポリ、と腹から脚を抜かれた瞬間、口からさらに血が溢れ出る。
それを気持ち悪そうに袖口で拭えば軽く咳き込む。
既に身体の半分が自分の血液で汚れ、ベタついている。
まだ、変化させていない方の腕で傷口を触り、容赦無く自分で抉る。
弥彦「イッツ…あ〜、深いねぇ両方でやられてたら今頃完全に上半身と下半身ブッツンだよ、ブッツン!」
興奮したようにいうがその度に血液が溢れ出ているのには気がついているのだろうか。
ゴキュリ、といつもの様に首を異様な音と共に傾げ鬼の腕に残った糸乃の脚を見る。
「まさか、君の方から材料提供があるとはねぇ」
いい収穫が出来たと言った具合に笑う。
脚を眺めては、鋭さや硬さを確認するようにぺたぺたと生身の手で触る。腐らない様にこの為だけに学んだ術式をそれにかける。
それから懐から何か赤い粒状の物を取り出し飲み込む。
途端、血の流れ続けていた横腹は傷が塞がり破けた着物と、そこに染み付いた血液だけが、そこに傷があったことを示していた。
「で?何だっけ、解体した妖の数?さあね、そんなの一々覚えて無いよ。院内に入れば資料はあるけど?」
別に二人とも居なくなってしまえば清々するのに……
そうんな事を思っている内心は黛に隠して真剣な表情を作る。
晴哉「そう、だね」
向こうで小春の声が聞こえた。
勝手に上がられているのかも知れない、
とっとと終わらせて舞花さんのおはぎが食べたそう思うながら外へと向かう。
途中、依頼書の束を見つけた。
第六感が働いたのか、それを引っつかんで表へ。
糸乃「ほう、避けぬか」
不意をついた一撃目。
てっきり焦りでもしてくれるものかと期待したが、焦るどころか薄い反応で去なされ、寧ろ一撃は"受け入れられて"しまえば皮肉を込めて感嘆の声を上げる。
その行為が戦略的なものなのか、はたまた未熟な故なのかはこの時点で把握し得なかった。
此方が得た情報といえば…親類に値する"鬼の腕"が出現した事であろうか。
掴まれた蜘蛛の脚に通常運営を始めた気味の悪い笑み。
其処に血が加わるのだからいよいよ気色が悪い。
「ひとつ、私の脚を受け止めた褒美をやろう。その脚は好きに解体するとよい。」
ずるり、と粘着質な音が背から鳴り響き根元から蜘蛛の脚が抜けていく。
生きの良い魚の様にばたばたと蠢く其れに簡単な別れの挨拶を心の中で呟けば、
脇腹へと突き刺さった脚を引き抜くと同時に背後へと軽い足取りで下がってゆき。
引き抜いた脚に付着した血を捨てる様に一度地面に向けて強く振り払う。
そして先程抜けた脚の場所からまた新たな蜘蛛脚が出現する。
再度相手と距離を取り、相手の様子を伺いながら構えては己の知識欲に順じて下記を問い。
「問おう。貴様はいったい何匹の妖を解体したのだ。」
へえ、やっぱりあれだけじゃ揺さぶられないか。
まあ、所詮は妖。人間に比べて感情が無いのか、それともただの建前か…。
他にも仲間居たみたいだし、弥彦や黛さんなんか敵じゃないとか思っているのか…。
もし、敵意を向けられたらごめんね。恨まないでよ。
既に死を覚悟しているのか、後の事ばかりを考える弥彦。
黒く染まったその目には殺意は無い。
ただ純粋に相手を知る。それだけが目的だった。
弥彦「滑稽か、まあ、そうだね」
否定はできないなぁ…と自虐的に笑う。
自分自身の存在全てが歪で滑稽である事などとうの昔に自覚している。
今更何を言われようと弥彦が傷つく事は無いだろう。
明確な殺意を向けられるこの状況を既に楽しんでいる自分がいる事に気付き落ちるところまで落ちたなぁと思っているなか、相手が動き出す。
相手がどんな技をかけてこようが弥彦には関係無かった。
それは、どんな物でも見抜ける等の理由ではなく、どん例えどんな動きをしていてたとしても、弥彦には避けるという選択肢が無いのだ。
避ける事が出来ないという理由があった。
元から医者の子として育てられた弥彦に妖の動きを避けるという身体能力を持ち合わせている訳がなかった。
「……ぅっぐ…!」
左腕は変形させ、赤黒い鬼の腕で蜘蛛の足をつかむが、もう片方は無抵抗で横腹に突き刺さる。
「ヴ..ホッゴ..あ〜、痛覚をどうにかしないとダメだねこれは」
血を吐きながら呻く。
一寸苦しそうな表情をするが、すぐにそのまま口角をあげた。
糸乃「…それで、何だと言うのだ。
私に揺さぶりを掛けているつもりか?」
一貫性のない自称詞に目紛しく動く口。
然し其処から襤褸(ぼろ)が出ていると言うことに相手は果たして気付いているのであろうか。
敵を目の前にして最も行ってほしくはない行為とそれを己が行った際に降りかかる不利益を天秤に掲げ、脅すように、そして懸命に伝えるその姿…、
「…ふっ、滑稽な者よ。」
何に関して"滑稽"と言ったのかは口にしない。
その脅しとやらが己に通じるとでも思っているらしい相手に態々伝える義理も必要もない。
偽りの作った笑みに何の感慨も湧かず、それならばまだ先程の心から笑っているであろうあの気味の悪い顔の方が随分可愛げがあったものだ、と笑えてくる。
そう、"半端者"達が敵に回ろうが己に不利益な事は何も無いのだ。
この牛鬼を退治しようとする陰陽師、硲者、はたまた妖まで見渡せば多く存在する。
其処に2名ほど加わった所で痛くも痒くもない。
………。
…それは、まぁ、
…表向き、の話だが。
目の色を物理的に変えた彼方もどうやら自ら此方に向かってくる気はないらしい。
然らば此方から一手を打つしかない。
溜まった鬱憤、仇を討ち散っていった妖達の無念を晴らす為には逃げるという選択肢は存在しないのだ。
姿勢を前傾にスッと落とし、相手に反し此方は人間の姿のまま地を蹴って一気に相手の元へと距離を詰める。
そして相手との間が10尺(約3m)といかない所で急減速。
不意を突くように両脚に力を込めて跳躍すると同時に妖の風貌へと姿を変えて。
16尺と5寸(約5m)ほど宙に浮いた所で己の姿は白金色の両眼、頭部から黒い2本の角、そして背から鋭い鉤爪の付いた6本の蜘蛛の脚が出てきた状態である。
遠慮する必要もなく、相手の背後に着地する手前からその6本の蜘蛛の脚の内2本を相手の胴目掛けて一気に伸ばす。
糸乃さんがキレ気味…?普段からどこか不機嫌そうな表情を見ることはあるが滅多に怒った所を見たことがない黛。
それも、弥彦が少し突っかかったというだけ。
嫌味なた晴哉も何度だって言っているし、だからといって争いが起きたことなど1度も無かった。
色々と疑問が残るが、それは本人達に聞けばいいだろう。
黛「そう、なにか誤解があるのかも知れないわね。手遅れになる前に早く行きましょう」
止められる自信は無いが行かない限りは何も始まらない。
表にいる小春達も心配だから、早く終わらせよう。
晴哉に微笑みながらそう言った。
あぁ、そうだ。僕が止めても聞く耳を持たないだろうとそう思ったから舞花さんに助けを呼んだんだった。
余計な事を言ったな、そう感じた。
晴哉「弥彦がいつも通りに妖に突っかかっていったのは良くあることなんだけど、それから何だが嫌な予感しかし無くて…糸乃がなんかキレ気味で…」
多分、今頃争っててもおかしくない。
別に二人が死のうと晴哉は何とも感じない。
それだけあの二人は人を、妖を殺めている。
それでも、死ねば悲しむ人が居るのだから止めずには居られないだろう。
あ、何回か来てくれた方々だ〜と。鈍臭いが、記憶力はある美幸。
ただし、彼女は全員人間だと思っています。
美幸「大丈夫ですよ。今お茶を用意しますね」
パタパタと忙しなく動く。
接客のみが自分の取得、そう思いながら今日も笑顔を振りまく。
圭織「2人なんだけど大丈夫かい?」
たまにごくたまにだがここに妖や私と同類の硲者がいる
その時は嬉しいよな かんざし屋もこの頃出てきたし
圭織「お菊お餅とかを食べるときはのどに詰まらせないようよく噛むんだよ」
万が一詰まらせた場合は大変だからね
新しいお客様が来たことをいち早く察して立ち上がる。
金平糖は友達と分けてね、と七夜の頭を撫でて、入口へ向かう。
美幸「いらっしゃいませ〜」
今日はいつもよりお客様多いなぁと思いながら笑顔でお客様を迎える。
牙音「一人で街に出るのはいつぶりだろう」
人目を気にしていたころはずっと家と家の間の暗い道で野宿してたしね
たまに山とか行ってたけどまぁ主に会ってから何も気にしなくなったんだ
牙音「甘味処でも行こうかな」
【甘味処】
圭織「ごめんくださーい」
店の中に声をかけてみる
あいつ、とは?一瞬誰だかわからなかったが妖といえば糸乃だけだろう、そう考え思ったことを口にする。
黛「えっと?そうだったっけ?」
そういえば晴哉さんには感知能力はあまり備わって無かったっけ。と、今更の様に実感する。
そして、表から小春の声がし、今の状況を思い出す。
黛「晴哉さん、さっきの状況を詳しく教えてくれる?」
小春達は放っておいてもこちらに来るだろうと、状況整理の方を優先させ、晴哉に話を促す。
タマの意見を聞いて意思を固める。
晴哉とは性格はあまり合わない所があるが、悪い奴ではない事を知っているし、舞花さんはいつもお菓子をくれるいい人だ。
頼って間違いは無いだろう。
小春「入るぞ!」
奥にいるであろう2人に聞こえる様に大声で叫んだ
力尽くでねじ伏せてかぁ、無理だな!
弥彦の心の中での第一声である。
やー、無理無理、ねじ伏せるとか。
倒されない様に勝つか負けるかぎりぎりを保つのが精一杯だと、考えている。
まあ、負けたとして病院に被害が行くようなら晴哉達が来てくれるだろう、と死を前提に考えている。
弥彦「まあ、そうだね。でも君がここを壊すと言うなら必然的に晴哉達を敵に回すことになる。」
「私が思うに、君は黛さんと深い関係だろ?出来れば戦う事は避けたいんじゃないのかい?」
「僕の命一つでここの住人に手を出しにくくなるんだと言うのであれば安い物だね」
「まあ、俺もそう簡単には倒される理由にはいかないんだけね」
にこり、と感情を隠すように弥彦は笑う。
俺、だったり、私、だったり、僕だったりと一人称がコロコロと変わるのは長文を話す時の癖だ。
自分が死ねば失われる命が救えない命がいくつもある事を知っている。
でも、溢れ出る自分の好奇心には勝てないのだ。
遊ばれてやる。
その一言になんの感情も抱かず、実験の材料が一つでも多く手に入れば、そう思い。
右眼球の色を変えた。
子供らしく喜ぶ様子を微笑ましい目で眺める美幸。
こんな様子ならあのお客様とも仲良くできるかな?と非常に呑気な考えを持っている。
美幸「いいよ〜、落雁のお礼」
兄弟はいないけど妹が居たらこんな感じな…と、思う。
ここまで懐いてくれる理由は分からないが嬉しいことには変わりないので特に疑問に思うこと無く接している。
この子達にも色々あるんだなぁ、仲良く出来たらいいなぁ。
美幸は平和主義である。
「実験だと?…よかろう。
だがその条件は力尽くで私を捩じ伏せた上での了承だ。」
相手にとって解体と実験の意味合いは同じなのであろう。
相手とはまた別の解釈をし、意見の食い違いを起こしながらの発言をして。
被害者でもある妖達は此奴に実験され、無残な姿へと変わり果ててしまったのだろうか。
煙管を吹かして落ち着いた筈の怒りがまた沸々と腹の内で煮え滾ってきてはギリ、と歯を鳴らす。
「笑止。貴様が此処へ妖を連れてきておいて言えた事か。」
さあ挑発もしたところで戦闘が始まるか、と思った矢先。
ペラペラと饒舌にも忠告を語る相手に呆れた様な顔になりつつも鼻で笑って見せ。
然し先程から気味の悪い顔だった筈が少しはましな顔付きになっており、其れだけは相手に譲れぬもの…ひとつの弱みとも取れた。
ただ此方も関わりこそないが行きつけになってしまったあの店の家主が云々、と言われてしまえば表情に出さぬまま若干戸惑う所もあり。
何故怒るのかまでは理解できなかったが被害が院内迄いかぬようには尽力すべきか、と頭の片隅に置いて。
「さて、ひとつ遊ばれてやるとしよう。」
何処まで連れていかれるのかと訝しげについて行ったが最終的にはこの場に辿り着いた訳で。
どの様な手を使うか判らぬ相手に先手を打つ気はなく、"かかってこい"と言わんばかりに両足をやや開いて構えては相手を見据えて。
「実験だと?…よかろう。
だがその条件は力尽くで私を捩じ伏せた上での了承だ。」
相手にとって解体と実験の意味合いは同じなのであろう。
相手とはまた別の解釈をし、意見の食い違いを起こしながらの発言をして。
被害者でもある妖達は此奴に実験され、無残な姿へと変わり果ててしまったのだろうか。
煙管を吹かして落ち着いた筈の怒りがまた沸々と腹の内で煮え滾ってきてはギリ、と歯を鳴らす。
「笑止。貴様が此処へ妖を連れてきておいて言えた事か。」
さあ挑発もしたところで戦闘が始まるか、と思った矢先。
ペラペラと饒舌にも忠告を語る相手に呆れた様な顔になりつつも鼻で笑って見せ。
然し先程から気味の悪い顔だった筈が少しはましな顔付きになっており、其れだけは相手に譲れぬもの…ひとつの弱みとも取れた。
ただ此方も関わりこそないが行きつけになってしまったあの店の家主が云々言われてしまえば表情に出さぬまま若干戸惑う所もあり。
何故怒るのかまでは理解できなかったが被害が院内迄にいかぬようには尽力すべきか、と頭の片隅に置いて。
「さて、ひとつ遊ばれてやるとしよう。」
何処まで連れていかれるのかと訝しげについて行ったが最終的にはこの場に辿り着いた訳で。
どの様な手を使うか判らぬ相手に先手を打つ気はなく、"かかってこい"と言わんばかりに両足をやや開いて構えては相手を見据えて。
落ち着いて、そう言われて深く深呼吸。
よし、あの変人いつかころす。
晴哉「糸乃って言う奴に、あの変人が突っかかって多分争う事になっていると思う」
ギュッと黛の手を握って目を合わせる。
「というか!あいつが妖だって聞いてない!」
七夜「う……そ、それよりなんでお前なんかがここにいるの!」
そんなに話してない、という言葉の返答に詰まりつつ
子供らしくムキになって言いかかる。もちろん小声で。
そんな表情もお姉ちゃんには敵わず、たちまち眉間の皺は消えて
頬が緩む。
七夜「……いいの!?」
差し出された金平糖に目をきらきらさせる。
金平糖をくれたのが嬉しいんじゃなくて、お姉ちゃんに物を貰ったという事が嬉しい。
そんなこんなで、今日も今日とて子供らしく表情をくるくると変える。
関係が全くわからなくなってきたなぁ。
完全に仕事を放置するかのようにお茶を啜りながら二人のやり取りを眺めている。
どっちも悪い子では無さそうなんだけど…
美幸は察せない子だった。
美幸「ありがとう」
ニコっと、七夜に向かって邪気の無い笑顔で笑う。
それから何を思ったか、袖の中に入っていた物を取り出す。
美幸「これ、頂き物だけど」
取り出したのは色とりどりの金平糖。
武政の方にも良かったら、と手招きする。
小春に話しかけられて、ハッとして唸るのを止める。
猫は家につく生き物ですが、流石に良くしてくれる人を
バカにするような態度をされては頭に血が登っちゃうのです。
どうする?と聞かれて暫く黙る。
タマ「(ご主人の言いつけに従うのが賢明だと思うです。……少なくとも、タマは。)」
ほんの少しシュンとして答える。
タマが行っても足手まといになるだけなのです。
小春サマなら何とかやるやも知れませんが……
武政「うるさいって言われるほど話してないだろ」
苦笑いをしながら彼女の発言に返答する。
そういえば小春とタマを放っておいて来たけれど、大丈夫だろうか。
……まぁ彼奴らの事だ。何とかなるだろう。
武政「あ、お姉さんずるいな」
七夜の手元を覗きながら呟く。
私に渡した黒百合よりもいいものがたくさんある。
何で、おっさんはあんな事をしたんだ?
ただただ、二人のやり取りを眺めるだけしか出来なかった。
変化を解かなけれなおっさんは来なかった?
俺がこっちに来なければ…様々な後悔が渦巻く中糸乃の言った黛達に頼れということ。
小春「タマ、お前はどうする?」
自分とあの二人の力の差は分かりきっている。
ならば、ここの家主らに頼むしか小春には選択肢がなかった。
七夜「わかってるよ、うるさいなぁ」
とあからさまに嫌そうな顔をして横目で武政を見返す。
おうおう、痺れを切らして二本目の刃物を私が飛ばす前にサッサと帰りやがれ
この変な蛇ヤロー!!
なんてお姉さんの前では口が裂けても言えない。
齢15、大人には良い子ちゃんをしていたい年頃なのだ。特に好きな人には。
やっと飲めるまでに冷めた緑茶を口にしながら、
七夜「美幸お姉ちゃんもどうぞ!」
と、色花折々の落雁を差し出す。
焦った様子の晴哉を見て、先程ただならぬ様子で消えた糸乃の事もあってか、彼女にしては珍しく動揺の表情が見られる。
黛「落ち着いて、晴哉さん。何があったの?」
動揺はしているものの、自分より焦っている人を見るとこちらが冷静になるもので、1度晴哉を落ち着かせ、それから対処しようという考えが真っ先に浮かぶ。
『糸乃と弥彦の気配が消えたねぇ』
童子の姿のままの影はとても呑気そうに、気の抜けたようすで言う。
武政「わー、美味そうだな」
彼女の笑みにつられ自分も笑うと
出てきたあんみつをじっと見つめて呟き。
武政「これ食ったら出てくから、大人しくしてろよ」
七夜を横目で見ながらあんみつを食べ始める。
【街】
菊「あった!」
看板を指差しながら飛び跳ねる。
お家からは少し遠いけれど今度1人で来てみたい。
一連の事を静かに眺めていた。
標的はタマじゃニャイみたいだし、タマはご飯さえ貰えれば満足な子猫。
だけど、そんなタマでも思うことがあるのです。
タマ「(我らがご主人サマに喧嘩を吹っ掛けるとは、命知らずなのかバカなのか……)」
何だか鼻につく奴だ、と不機嫌そうにユラリと大きく尾が揺れる。
よくわからないけど、何だかモヤモヤするのです。不快なのです。
小さく唸り声をあげ、毛を逆立ててさる人物を見送る。
タタタタっと、普段走ることのない晴哉はとてつもなく嫌な予感がし、台所へ駆け込んだ。
晴哉「舞花さん、大変!」
焦りすぎで主語が抜けている。
何が、どう、大変なのか。
守護用に貼った式神が2人が事務所から出たことを伝える。
今日は晴哉にとっての厄日だ。