Nicotto Town


  • サークルTOP
  • サークルカフェ
  • 掲示板
  • 伝言板
  • メンバー一覧

彼岸 - 1

投稿者:ケシハラ

- ユダ、それは必然の裏切りか?

警笛が 耳を劈く
硝煙が 奮い立たせる



* 此方は戦闘パート専用のトピックになります
* 戦闘パートが始まるのはボスから依頼を言い渡された時
* 勝手に始めることの無い様にお願いします

* 確定ロル禁止 仕方ない場合は相手の中の人に相談してから
例 × 振り下ろしたナイフが相手の肩に刺さる
   ○ナイフは相手の肩めがけて振り下ろされる

※回復能力も確定の内に入ります
 勝手に回復しないようにね!中の人の許可取ってね!

* また、物理的に無理のある描写は避けるように
* 最強設定が過ぎないように、お願いいたします


1 依頼に駆り出されるメンバーが日常トピにて呼び出される
  (上記メンバーの決定は雑談にて、成るべく順番に)

2 敵NPCキャラクターの簡単な設定
  (管理人/副管理人が動かします 何方かに頼む場合も有り)

3 此方の戦闘トピックへ移動 戦闘開始
4 依頼を熟す (敵の殲滅、奪われた物の奪還など) →終了

5 各自日常トピへ戻る  と言うのが大まかな流れになります。




アバター
2017/06/04 16:32

[ 幽霊駅 - クイーン ]

気分が悪い、という単純な話ではなかった。
普段はここまでの獄卒が集まっても何の反応もない。
恐らく、原因になり得るとすればあの薬だろう。
彼女には投与されていないはずだが、被験者の近くにいると微量な成分が空気中に。
あり得ない、とは試作段階の薬だから言い切れないが。
そうしたって過保護な奴が、こうして自分を連れてくるものだろうか。
思考を巡らす間にも影は左腕に纏わりついて消えない。

「邪魔」

肩に掛けられた白衣を地面に落とす。
それでもまだ車両の上だから優しいものだ。
気力が残っていれば、裾の解れた糸から解体を始めていてもおかしくはなかった。
現に腕から少しだけ離れた影が、白衣にちくちくと当たらない攻撃を繰り返している。
アバター
2017/06/04 14:58
[ 幽霊駅 -セレス ]

「…そうですか。」
キングの返答にうなづく。
これでもう、戦闘に参加せず帰ります なんてことは出来なくなった。

強い力で足首を捕まれ、顔をしかめる。
どうやら逃げ続けるわけにもいかなくなったようだ。

「…仕方ない、か。先に仕掛けたのは君だから、ね。
僕は彼の駒なんだ…。悪く思わないで。」

足首をつかんできたソレに、異能を使おうと手を伸ばす…が
意識して相手を見つめた瞬間、確かに発動した と感じた。

驚いたように目を見張る。
「まだ、触れてないんですが…」

投薬が利いているのだろうか、いつも割れるような頭痛もない。
無表情の、どこか冷たくさえ感じる視線でそれを見つめ続ける。
唸るような声を発する、”肉人形”に向けてなのか
ただの独り言なのか、静かに言葉をつむぐ。

「死にはしないよ。
……もしかしたら精神は崩壊しているかも知れないけど、ね。」

あたりを見渡せば、散らばった石片・肉片…
掃除が大変そうだ…なんて、場違いなことをぼんやり思った。
アバター
2017/06/04 14:32
[ 幽霊駅 - キング ]

「 ……ああ、その辺りは心配してくれるな。…なんて言ったってそれは、… 」

声が止まる。隣のクイーンの様子に気が付いたのだろう。
黙って自分の白衣を脱ぐと其の肩に掛ける。隣に座った。

「 …… 」

どうせ帰れだとか、そんなような事を言っても無駄なのだろう。
そして彼らの方へ視線を移した。まだ調子は良いようだ。

*

獣のように下卑た声。個体ごとに声帯がないか、あるいは切り取られでもしているようだった。
順調に殺されていく〝仲間〟に目をくれるでもなく、ただ動物のように彼らに襲いかかる。
遊が石化したと思われていた内の一体がセレスの足首を掴んだ。一体、漏れてでも居たのだろう。



アバター
2017/06/04 11:36

[ 幽霊駅 - クイーン ]

比較的、綺麗な場所を探して車両の上に座り込んだ。
最早眼下で行われている実験も、彼の小言もどうでもいい。
そういえば、あの肉人形とやらはどこから調達してきたのだろう。
気になるのはそれぐらいなものだ。
それも、退屈を紛らわすために問答する程度の関心でしかないが。

「うるさい」

彼女が声が震えているのは、絞り出すような声なのは気のせいだろうか。
一般的な人間でいうところの体調不良、に似た状態になってはいないか。
異変に気づけるのは傍にいるということを差し置いても、キングだけだろう。
地下だからか、いつもより濃く見える影は女の周囲をゆっくりと旋回している。
アバター
2017/06/04 00:32
[ 幽霊駅 - 遊 ]

「 皆さん好調、といった感じでしょうか… 」

強化された能力の扱いも大分慣れた。
視界に入る彼ら、”肉人形”達を自分に近い方から順に石化していく。
次々に石化しては復活防止のために蹴り砕いていく。

普段ならば、こんなに多くの対象を石化しては副作用で指先すら動かすことができないだろうに。
今日はそれが全くない。
足だって、硬い石を蹴り砕いているはずなのに少したりとも痛みを感じない。
これも薬の作用だろうか、

それとも_____?
アバター
2017/06/03 22:46
[ 幽霊駅 - Harvest ]

じわり。
予め空にした弾倉に弾を納めると、気のせいかいつもより赤みを帯びている気がした。
多分錯覚だろう。例えば、事前に投薬されたから、とかそんな。
残りのカウントは確か3発。…あーこれあかんッスわ、多分この数だと間違いなく。

「そういや僕、決め台詞とか無いんですよね~。」

至極どうでもいい事を言いながら、動く肉に銃口を向ける。一発。
希望を述べるなら、一人一発じゃ追いつかんだろうと思って………い、い…?


「うええ、マジか」

赤い光の尾はいつもより鮮やかに色付き、手前にいた一体の脳天へ一直線。
風穴を開けたかと思えば、"直後にもう一体の額に穴を開けた"。
あれ?カウント間違えてない?思わず二発撃った?と疑う。うん、そんな事はなかった。

《後2発》
アバター
2017/06/03 21:18
[ 幽霊駅 - エマ ]

うん、一時的に効果の進行が止まってる。
相変わらずスローモーションかけたような世界だが慣れればいい。
いつものように、記憶をなくした違和感を埋めるように、この速度に慣れるだけ。
太腿のホルスターから二丁拳銃を引き抜いた。
遠目に見える敵を撃ち殺して懐に入るように、移動する。

「 〝 パレェドの始まり 〟 」

丁度、仮面を被った肉人形に囲まれたときに口元の笑みを深めてワードを呟く。
目視した中で止まったのは3体…残りの2体は未だ此方に向かってくる。
止まった肉人形は素早く暗器で首を切り落とし、1体が襲ってくる前に脳天にナイフを刺す。
肩を狙い拳を振り下ろしてくる1対の手首を掴む……強い力に負けそうだと悟り身を捻って避けた。

「 頭がグラグラしますね 」

蹴り上げるように攻撃をしかけてきた肉人形の頭を吹き飛ばす。
脳漿が弾けて紅色の火花が舞うのをさして気にもせず、次の標的を目線で探した。
アバター
2017/06/03 20:23
[ 幽霊駅 ー セレス]

飛び上がったキングの様子に、大丈夫だろうかと首をかしげる。
今の酔ったんじゃないかな…
まぁ、クイーンもそばに居るし、とりあえず身の危険は無いだろう。
…無事かどうかは別として。

「…襲われたら、反撃はします…」
吐き捨てられた言葉に、一瞬表情を曇らせるも
無闇に相手を傷付けるのを好まない彼は、最低限の反撃と回避だけを繰り返す。
ふと、キング曰く肉人形の彼らに
感情はあるのだろうか…?と疑問に思う。

「あの…キング…
僕の異能…恐怖心がないと、効果が無いのですが…
彼らにも使えます…か?」
控えめに疑問を投げかける。
これで 忘れてたよ!てへ☆とかだったら
回れ右をして帰ろう。
アバター
2017/06/03 19:35
[ 幽霊駅 ー 弥子 ]

失敗作、と確かにそう言ったのを聞き逃しはしなかった。
この肉人形もキングの研究故なのか。
…いや、今は深く考えないでおこう。

「 …もたもたしてたら死んじゃうよ 」

檻から這い出て襲い掛かってくる肉人形を見てもなお戦闘体制に入ろうとしないセレスを冷たく一瞥し言葉を吐き捨てる。
まあ必ずしも全員が戦闘好きというわけではないし戦わないなら戦わないでいいだろう。
死のうがどうなろうが私の知ったこっちゃないし。

厚底の靴の爪先をトントンと地面に叩きつけるとぷらぷらと弄んでいた手を止めお気に入りのリボルバーを握りしめる。
そしてそのまま数発、目の前の肉人形目掛けて弾を放った。
アバター
2017/06/03 12:59

[ 幽霊駅 - キング ]

「 ………飛ぶって…は、……この馬鹿! 」

感情に任せて「バカ」等と罵る相手は彼女くらいの物だろうか。
ふら、と何とか立っている様な状態で手を付くと口元を抑えた。
― 僕の三半規管は頑丈ではないのだ。二度は冗談じゃないぞ。

*

次々に檻から這い出た彼曰く〝失敗作〟はその場に居た面々に襲い掛かる。
動作その物はノロマなようだが、不自然に強い腕力を持っている様子だ。
アバター
2017/06/03 12:26
[ 幽霊駅 - 遊 ]

眼の中の何か、フィルターのようなものが一つ外れたような違和感。
それも徐々に馴染んできた。
扱い方もなんとなくわかる。自分の手足を動かすような感覚だ。

キングによって放たれた”ソレ”に、躊躇なく近づく。
一見無防備で危険なようにも見えるが、彼にはそれなりの確信があった。

「 …失礼、 」

彼の瞳が”ソレ”を捉えると、此方に襲い掛かろうと伸ばされた手
その指先から徐々に石へと変わっていき、ついには全身すべてが石へと変化した。
アバター
2017/06/03 10:38

[ 幽霊駅 - クイーン ]

異能の強化というものに彼女は何の関心も抱かなかった。
ただ連れてこられただけ、というとそれも違うが。
肉人形にも興味を示さず、一人だけ視線はプラットホームの向こう側。
駅と同じく放置され、使われなくなった車両の一つを見ている。
それから距離をとるように後退ったかと思うと、徐に走り出した。
ホームの端で踏み切る前に近くにいたキングの白衣の襟首を掴むと一言。

「飛ぶぞ」

右手から伸びたワイヤーを、最も天井に近い電線に引っかけると宣言通り〝飛んだ〟
スパイ映画さながらのようなワイヤーアクション。
今や、女の一部となったワイヤーは自在に縮むので、通常より落下や衝突の危険はない。
使われなくなった廃車両の上に着地すると、右手の指をワイヤーに変化させていた影は四散した。
ちなみに、一連の動作を膝丈のベアトップワンピースで行っていることに突っ込んではいけない。
広がらない形状なので、スカートの中が見えるということは故意でもない限りはないのだ。
アバター
2017/06/03 07:50
[ 幽霊駅 - セレス]

「効果は人それぞれ…みたいですね…」
放たれた肉人形に顔をしかめる。
今失敗作と言ったような…
いや、気にしない方が得策だろう…。

一応、キングを庇うような位置に移動しつつも
こちらに向かって来ない限り手を出すつもりはないようで
未だ武器には手を掛けず、場の進行を見守る。
アバター
2017/06/03 03:08

[ 幽霊駅 - キング ]

「 ……そうか、そうか。素晴らしいよ! 」

つかつかと歩いていくと、遊の足元へ転がった〝石〟を愉快そうに拾い上げた。
彼は今、自分の意思や異能の制限に反してこの矮小な生き物を石へと変えた。
効果の顕著な者とそうでない者が居るようで、差は如何なる場所にあるかと目を細める。

「 では、そういう訳だ。軽い戦闘になるだろうが、
 …まァ此れの事は肉人形だとでも思っておきたまえ 」

そう言いながら、檻の鍵を開ける。ふらりと檻を出たそれに明確な意識は無いようだ。
文字通り肉人形のような〝それ〟は手当たり次第に生き物へと襲いかかる物のようで、
ざっと見ても檻の中には十数体。そして檻は全部で三つ。今空いたのはひとつだけだ。

先頭を切るようにふらり、と檻を這い出た醜い人型は視界にでも入ったのか、
遊に向かって歩いていくと掴みかかろうと手を伸ばす。少し呆れ顔でキングは後ろへ下がった。

「 ……やれ、薬は兎も角あれは失敗作だな。あれじゃあ映画で見たような量産型の生きる屍だ 」
アバター
2017/06/03 00:58
[ 幽霊駅 - Harvest ]

「さあ、どうッスかね~。多分効いてるんじゃないでしょうか」

ホルスターに収められた相棒を弄ぶ。
投薬後時間を置いたものの、実はぶっちゃけ、全くもって変化したかが分からない。
異能の性質上、効果が現れるのだって、多分このあとなのだろう。
実験体のモルモット(己含め)の中には、既に効果が出ているものも出始めている。

…うん、暇だ。
強化を実感できないって、案外悲しいものだね、サム。
アバター
2017/06/03 00:24

[ 幽霊駅 ー 弥子 ]

月灯りさえ差し込まないこの湿った空間は昼間活動している自分にとって酷く気持ちが悪く感じる。
あの思い出したくもない投薬からかれこれ一時間半。
そろそろ薬が効いてくる頃らしいが…。

「 …私はまだ、かな… 」

自身の手をぷらぷらと弄んでみるが今の所特に変わった様子はなさそうだ。
異能が異能なだけあって余計に変化は感じ辛い。
何せ治癒能力なもんだから怪我人が出るまでは力を試すことすらできないし。

…まあ、それまでは。
道化の仮面を付けた人の形のような者にチラリと視線を移す。
此奴で存分に遊ばせてもらおうか。
アバター
2017/06/02 23:58
[ 幽霊駅 - 遊 ]

薬を投与されてからしばらくたった。
少し前から目に違和感を感じる。
それ以外は普段とさして変わらない。

「・・・・」

パチパチと瞬きを繰り返すうちに、1つの異変に気が付いた。
足元に石が転がっている。
直径数センチの小さな……石…?
…いや、”蛾”だ。正確には蛾だったもの。
眼鏡に触れて確認するが、しっかりとかけられていた。

「…強化…されている…のか…?」

アバター
2017/06/02 23:16
幽霊駅 セレス

投薬から大分時間が経った。
効果の程はわからない。
「…僕はあまり、実感はありません…
元々…触れなければ、発動出来ません…でしたから…」
なんらかの形で強化自体はされているのだろうが
あいにくと実感がわかない。
戦闘になれば変わるのだろうか?
アバター
2017/06/02 21:43
[ 幽霊駅 - エマ ]

投薬から、どれぐらい時間が経ったのか分からない。
徐々に体感時間が狂っているのを感じたとき、キングの言葉で効果が出ていることを確信する。
ゆっくり過ぎて聞き取り難いキングの言葉の意味を理解するのに要した時間は何秒だったか。
分からない、目の前にある仮面を付けたひとのかたちのもの。

「……異能、が強か、されて…きてま、すよ」

まだ無表情、余裕が少しある状態。
世界の全てがスローモーションに感じてくる感覚は正直怖ろしいものだった。
まだ耐えられる程度だが、本格的に効いて来たらどうなるのか。
彼女は普通に返答したつもりだが、呂律が怪しい。
饒舌に喋ることが体感時間の変動により難しくなっている。
アバター
2017/06/02 21:33

[ 幽霊駅 - キング ]

― ああ、曇りと言うのも、なかなかどうして不愉快な物だ。

湿った幽霊駅は彼らの様なドブネズミには酷く似合いの場所だった。月灯も差し込まない。
可笑しそうに、ヒールは銀色の檻を蹴った。中の家畜は笑うでも無く、振り返るでもなく。
ぱち、と誘蛾灯が音を立てる。醜い栗茶色の蛾は、彼の足元に落ちた。

「 さぁ諸君。そろそろ薬も効いてくる頃じゃあないかな 」

投薬より一時間半。カチ、と純金の懐中時計は針を鳴らす。
大きな檻、そこに詰め込まれているのは滑稽な道化の仮面を付けた〝ひとの形をした肉〟。
そう、これはひとではない。肉なのだ。少なくとも、彼にとってはだが。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/06/02 21:11

満月の夜だった。 梅雨入りの、心地よく湿った空気は肌を焼く。
アバター
2017/04/21 22:55

3/31 - 4/21 第一回 静・博士 終了

アバター
2017/04/21 22:45
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

本日3度目の爆発音。
先程銃口を腹の中へ収めていた人型兵器が此方へと歩み寄ってきたと思った途端に強い光と爆風で包まれた。
…自爆装置だろうか?
そんなものまで組み込まれているだなんてつくづく厄介な野郎達だ。

あまりにも突然すぎたので目を塞ぐこともできず視界が白一色に染まる。
ぼんやりとしかHarvestの声が聞き取れなかったがどうやら自分達もここで終わり、一応任務終了らしい。

「 …また、遊ぼうね 」

もう其処に居るかどうかはわからない相手に自分にしか聞こえような声でぽつりと呟き。
先に去っていった彼らに置いてかれまいと自分もその場を後にした。
アバター
2017/04/21 16:05
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

「もう任務は懲り懲りだなぁ」

紅茶に入れた砂糖の数を間違えたような表情で笑いながら軽く咳き込む。
幸いというべきか爆風による喉の被害のみに留まったが焼けた部分は未だ痛むのだ。
帰ったら久しぶりにハーブティでも飲んで落ち着きたい。
そう心から思いながら鞭を腰に戻して撤退した。
アバター
2017/04/21 15:28
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

挑発に乗らない彼女を見てつまらなさそうに口を尖らせる。
完全に標的から外れた…のだろう。そっと左腕を見る。
意識したら左腕が痛くなってきた。獄卒といえど痛いものは痛いのだ。
どくどくと血が流れている。貧血がさらにひどくなってしまいそうだ。

そのまま相手の出方を伺っていると、爆発が起こった。
咄嗟に腕を顔の前に出すが、それを直に見ていたせいか、強い光は視界を真っ白に染め上げた。

「…え?ちょ、ちょっと待ってくださいー…!!」

ちかちかする視界。Harvestの声にばっと反応し、急いでナイフを仕舞う。
左腕を押さえながら、ふらついたまま人の形をした兵器から離れた。
アバター
2017/04/20 23:34
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

「は。うわぁ?!!」

危ない(二度目)。
命中など確認する必要はない。あの弾丸は、あれだけは、本当に。
あれを止められる時があるとすれば、例えば視界の不調だったり、人知を越えた所業だったり。
そんなことを考えながら、ギリギリ履物の底の厚みに救われた足をほっと見下ろす。
何故って、咄嗟にブーツの底を向けたからだ。飛んできたナイフに対して。
そのまま姿勢を低くして転がったところで、去り際らしい言葉と、爆発。
何度も言うがこの眼は光に強くない。本当に。

「ーーーー…。っ、あー…。」

生き埋めにされない規模だと分かると同時に、脱力。
これがまあ、まさか。何とか、なんっとか、一旦の幕引きになったということなのだろうか。
一度抜いた気を、もう一度入れ直す。
引っこ抜いてナイフを放り投げると、そのまま回避行動をとった。

「こっちも引き上げ時ッスよー!」
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/20 23:10
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

「は。うわぁ?!!」

危ない(二度目)。
命中など確認する必要はない。あの弾丸は、あれだけは、本当に。
あれを止められる時があるとすれば、例えば視界の不調だったり、人知を越えた所業だったり。
そんなことを考えながら、ギリギリ履物の底の厚みに救われた足をほっと見下ろす。
何故って、咄嗟にブーツの底を向けたからだ。飛んできたナイフに対して。
そのまま姿勢を低くして転がったところで、去り際らしい言葉と、爆発。
何度も言うがこの眼は光に強くない。本当に。

「ーーーー…。っ、あー…。」

生き埋めにされない規模だと分かると同時に、脱力。
これがまあ、まさか。何とか、なんっとか、一旦の幕引きになったということなのだろうか
アバター
2017/04/20 22:47

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

重い身体を引きずりながら歩き出した。
正直に言えばもうこれは使い物にならず、廃棄するのが妥当だろう。
だが、ここで彼女が許すかどうか。
女は少年が何であるかを知っているが、その上で判断を飲み込むのか否か。
思考することも、負荷にしかならない。

「それではね、実験対象たち。次会う時までどうか五体満足で」

そう言うと、彼らに向けて機械の女を突き飛ばした。
女はロボットさながらの不格好な歩みで前進すると、停止し。
強い光と爆風のみの小規模な爆発を起こす。
殺傷よりもかく乱を目的とした自爆装置、それを兼ねていたのだ。
アバター
2017/04/19 23:37
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

至近距離の鉛玉を避ける事は出来ない。彼女はそう判断した。
シリンダーのむき出しになった義手を額に翳す。
あと一発、二発受け止めるのが限界だ。…… そう思ったのに。

『 ………な、… 』

目を見開く。弾が自分で軌道を変えた?そんな事は有り得ない。
…否、有り得るのだ。この化物共はそんな事も簡単にしてのける。

『 ……いいえ。…従います 』

小さく舌打ちをすると、ハーベストの足元にナイフを投げる。
足の甲に突き刺せば上出来、足元を崩せればまあそれで良い。

小さく博士と呼んだ人物の方に飛び退くと、退路を確認した。
アバター
2017/04/19 23:30

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

続けざまに撃ち込まれる弾丸に二、三歩と後退し。
止めとばかりに右目に吸い込まれた銃弾の勢いに弾き飛ばされた。
着弾した箇所からは火花が散り、殊に片目は完全に機能が停止していると思われる。

「ふふん。死体蹴りというやつだね、これは?」

倒れた少年はまず上半身を起こすのではなく、足の力だけで起き上がった。
人体では考えられない起き上がり方だが、彼にとって不可能なことではない。
それでも壊れかけの体には堪えるらしくふらりと足がもつれた。

『もう飽きた。帰るとしよう、ジン。それとも何か?勝機でもあるのかね』

変わらず出力されているのは子供の姿に似つかわしくない声だ。
機械的な中国語を吐き出す横で、女の形をした兵器は丁度獲物を腹に収めるところだった。
アバター
2017/04/18 02:25
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

明確な殺意を持つ女性の足を掠め落ちるナイフ。
硬質な音を立てて落ちたそのナイフに付着していたのは彼の血だ。
仲間は接戦を繰り広げており、集中する時間が僅かながらある。

感覚を研ぎ澄ませて血を霧散させ対象、ジンに纏わりつくように軌道を修正。
色を失い、匂いを失った血は静かに対象を絞ることが出来た。
気付かれなければ、このまま止めが出来るかも知れないが、上手く行かないのが世の常である。

―――そう、ここからでは火種が届かない。

こういったときに自分の能力の不便さを歯痒く思うのだ。
既に自分の傷を拭ったときに使用しているため連続使用している。
頭の中に知らない情景が浮かんでは消えていく、そんな激痛を伴う副作用。
慣れないものだと舌打ちを堪えながら、鞭を構え直して火種を落とす機会を伺う。
その前に戦闘が終われば万々歳なのだが、と思考しながらHarvestの放った弾丸を信じる。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/18 02:23
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

明確な殺意を持つ女性の足を掠め落ちるナイフ。
硬質な音を立てて落ちたそのナイフに付着していたのは彼の血だ。
仲間は接戦を繰り広げており、集中する時間が僅かながらある。

感覚を研ぎ澄ませて血を霧散させ対象、ジンに纏わりつくように軌道を修正。
色を失い、匂いを失った血は静かに対象を絞ることに成功した。

―――だが、ここからでは火種が届かない。

こういったときに自分の能力の不便さを歯痒く思うのだ。
既に自分の傷を拭ったときに使用しているため連続使用している。
頭の中に知らない情景が浮かんでは消えていく、そんな激痛を伴う副作用。
慣れないものだと舌打ちを堪えながら、鞭を構え直して火種を落とす機会を伺う。
その前に戦闘が終われば万々歳なのだが、と思考しながらHarvestの放った弾丸を信じる。
アバター
2017/04/17 21:08
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

彼の体制が崩れたその瞬間を見逃す筈が無かった。
ニヤリと笑い瞬時に2発、3発と引き金を引き続ける。

…それにしても。
あの男は確かに弾丸を受けた筈。
だが其処に流れる筈の血は無くその代わりとでも言うかのように幾つものコード類がばちばちと耳障りな音を発している。
人だと信じて疑わなかった彼も腹から銃口を出した人型の兵器と同じなのだろうか。
気味の悪い彼らは一体何者なのか。
考えても答えはわかる筈もない、真相は彼らにしかわからない。

暫く自分の世界へ入ってしまい気づくのが遅れたが。
博士と呼ばれた彼の頭上で弾丸がくるりと一周し右目へと向かって飛んでいくのを確認するとそれを見守るかのように引き金を引く手を止めた。
アバター
2017/04/17 18:31
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

「っ、あ…ぶない!!」

いや、本当に危ない。
予想外に間合いを詰めてきたジンのナイフに対し、咄嗟に握っていた方の拳銃を翳す。
硬いものと金属の擦れ合う嫌な音、それに混じって柔らかいものが潰れる音がした。
僕は何も見ていない。
無理やり拳銃で受け流すと、後方に転がる。
大腿部は、振り下ろされたタイミングで引いた為か、負傷こそしたが行動に支障はない。
受け流した片手が痺れたが、想定外かつ問題のない範囲の妨害だった。

「射手相手に、乱暴すぎやしませんかねぇ?」

装飾ひとつない、真っ黒なそれを放つ。
通常の弾丸のそれと違うのは、僅かに速度を落としたまま、赤い光の尾を引いて走る事。
そして、普通ならジンに向かってまっすぐ届くはずのそれが、直前で『折れ曲がった』。

意思があるかのように彼女を回避した弾丸は、倉庫の天井すれすれを走る。
が、次の瞬間に急下降する。遠くに構えていた博士の頭の周り1mをぐるりと一周すると、その右目目掛けて飛んでいった。

《後3発》
アバター
2017/04/17 17:36
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

『 ……博士、! 』

ああ、自分がグズグズしていたから。周りの挑発の言葉はもう聞こえない。
クルトの放ったナイフ。それは瞬時に彼女の脛を掠め血の雫を落とした。

そんな事も気にせず、否 気にしている暇がなかったのだ。
無傷の足で強引に跳躍すると、ハーベストに間合いを詰める。
明確な殺意を持って、ナイフの片方はクルトを狙った際と同じく首筋を狙い
もう片方は大腿部を狙って腿へ振りかざす。

***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/17 17:32
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

『 ……博士、! 』

ああ、自分がグズグズしていたから。周りの挑発の言葉はもう聞こえない。
弥子放った弾丸とクルトの放った弾丸。それは同時に彼女の脹脛を掠めた。

そんな事も気にせず、否 気にしている暇がなかったのだ。
無傷の足で強引に跳躍すると、ハーベストに間合いを詰める。
明確な殺意を持って、ナイフの片方はクルトを狙った際と同じく首筋を狙い
もう片方は大腿部を狙って腿へ振りかざす。無力化所か本当に殺すつもりで。

アバター
2017/04/17 16:55

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

耳を劈く金属音が一つ。
己に向かって飛び込んできた凶器に向けて反射的に構えた左腕。
高速で飛来した弾丸はその白い衣に深々と突き刺さった。
穴のあいた衣服の隙間から露わになったのは鋼鉄の肌。
弾が食い込んだコード類がばちばちと不穏な音をたてる。

「――つ、ぅ」

少年は片手で受け止めた衝撃で後退った。
無論、ただの鉄塊であれば被害は少ない。
身は機械と言えど軽量化されているためか、戦闘を想定していないのか。
詳細を問うことはこの場にいる誰にもできないが、傷を与えたことは確かだ。

「うん、痛い。これが人間であれば泣き叫び膝をつくところだ」

痛覚などない癖に、飄々と言ってのける余裕だけはあるようだが。
体勢を崩した今、次の攻撃を彼が避けれるはずがないことは明々白々。
アバター
2017/04/17 16:42
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

「……っ!!」

歪んでいく表情、そして瞳を見つめていたが彼女はすぐに正気に戻ってしまった。
自分の細い体はその足を避けることができるはずもなく、体勢を崩す。
その際、轟音が鳴り響いた。倒れてから気づいたが、左の手首と腕に弾を喰らってしまったようだ。

…成程、行動を一時的に止めることはできるようだ。
彼女はこれが能力によるものだと気づいているのだろうか。

「…っ…、肩を掴まれただけで固まるなんて、一体どうしたんですかー…?」

わざとらしくそう言うとにやりと人の悪い笑みを浮かべる。
ずきずきと痛む腕を庇いながら、立ち上がってナイフを構えた。
倉庫の壁が無残な姿になっているのを確認して、無機質な何かを見る。
あれは一体何なのだろう。人ではない。相手の武器だろうか。
アバター
2017/04/17 02:16
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

少年の指揮を耳で拾った瞬間に本能に任せ身を屈ませる。
ジンに一矢報いた鞭をしゅるしゅると壁になるように引き寄せた。
弾丸は運良く、と言うべきか当たらなかったが…やはり人間ではなかったか。
ならば、先程自分が戦っていた女性もなのかと疑い出すが分からない。
凄まじい轟音が響き渡った…壁に空いた穴から冷たい夜風が湿った空気を送ってくる。

視線の先には人型兵器と少年がいたが、ジンへと直様意識を切り替える。
恐らく戦闘をメインに引き受けるのは、女性だけなのだと接触時から感じていたからだ。
そうであって欲しいという願望がなかったわけでもないが―――

鏡の鳩尾を狙う足に先程刺されたナイフを投げ返す。
鞭を扱うにあたってあまり必要としない投擲スキルだ、当たれば上々。
当たらなくともジンの方へ投げ返した、それだけでいい。
アバター
2017/04/17 01:02
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

問題ない、と言い優しい笑みを浮かべるクルトに、触れようと伸ばしていた手を元の位置へと戻す。
少々心配な気もするが本人が大丈夫と言っているのだからそれ以上何かする必要もないだろう。
わかりました、とだけ告げ自身は前衛へと戻っていく。

状況を把握する為、獲物だけは手放すことはなかったがどうも気を抜いてしまっていたらしい。
目の前の無機質な物体の腹から出てくるのを確認したときにはもう遅く、気づけば倉庫の壁が無残な姿に。
幸いなんとか避けることはできたが破片が顔を掠め浅い切り傷が。
頬を流れる血をペロリと舐め今迄クルクルと弄んでいた其れを真っ直ぐと構える。

「 …Пожалуйста мертвым 」

口から出たのは普段はあまり使うことのない少し癖のあるロシア語…ああ、この場にロシア語がわかる人物など自分くらいだったか。

狙うはジン、そしてその奥に佇む少年と人の形をした兵器とも呼べる代物。
今までの流れからして簡単に当たるとは思ってはいないがそれでも、と。
銃口を其方へと向け、ゆっくりと引き金を引いた。
アバター
2017/04/17 00:23
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

人型兵器。
追加投入された方は言わずもがなだが、まさか小さい方もだったとは。
まあ、後方に下がって観察したものを思い出せば、納得はできなくもない。
既に現状、バラエティ感覚で受け止められる域ではない。
もう一つ咳払いをすると、眼が付いた方のをちらりと見る。

(ま、長引かせる理由は無いよなあ)

頭の中で優先すべき項目を入れ替える。
わざわざキングが言ったのだから、躊躇う必要は無い。
治療も修復も、何もかも安くはないのだ。

躊躇いなく引き抜いた、未使用のほうの拳銃を眺める。
次は3発目、さて。どこを狙うべきか
アバター
2017/04/16 22:39
[ Black Maria 私室 - キング ]

ひとつ、咳払い。凄まじい轟音も聞こえるが、それとこれとは別の音。
静かに眼が閉じる。次に、ハーベストの持つ拳銃にその眼は開いた。
ぱちりと瞬きをすると、眼はハーベストの方をじっと見つめている。

「 君らが相手にしている物は少々厄介だ。人間の女の方は良い。
  だが、子供の様な背格好の奴と…言うなれば、そうだ。人型兵器と言っておこう。
  あれには気を付けたまえ。程々で帰って来て欲しい。目的の方は二の次だ 」
アバター
2017/04/16 21:56
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

想定外に苦戦している現状だ。
つうか、見える限り明らかに「これはおかしい」ってブツが視界に入っている。
無骨な弾幕を避けるように回避行動を取る。
そろそろ面倒臭い上、怪我人が出てしまっている。
…いや、まあ、人のそれと比べれば程度には大きな違いがあるのだが。

あらかじめ隠すようにつけていた通信機から、聞き覚えのある声。
この状況では音もそうそう届かないだろうに、対話している事を絶対に知られてはいけないのか。
まあ少なくとも、何かしら意図があるなら、それまで。
引き抜いていない方の拳銃をするりとなでると、そのまま咳払いを一つした。
アバター
2017/04/16 21:31

[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

ー畜生に人の言葉など分かるまい

脳味噌を掻き回すように、不愉快な声。声、怒声。ひとつの音が凛、とそれを打ち破る。
はたと気が付いた様に錻力のようになった足を動かすと、その足先は鏡の鳩尾を狙った。

『 …… 』

次に聞こえた声に慌ててその場から飛び退くと、自らを庇うように鉄の義手を額に翳す。
ああ、とんだ失態を。そして、痴態を。まだ彼女はそれが鏡の異能である事に気付いていない。

*

[ Black Maria 私室 - キング ]

暫く様子を見守っていた。クルトは深手を負った様だが、無力化した訳ではない。
まだ戦えるだろう。手足は残っているのだから。退屈そうに、紫の目が揺れる。
ふわりと吐き出した紫煙。しかし、次に彼の眼が捉えたのは “見覚えのある物”。

― ああ、…面倒な事になったかもしれないな
実に面倒臭そうな顔で彼は言う。通信端末のスイッチを入れると、マイクに向かって話し掛けた。

「 ハーベスト、聞こえるかい。聞こえたなら咳払いでもしてくれ。返事はするな 」

通信端末を持っている物がいる事を、なにか敵側に悟られたくない考えでもあるのだろう。
紫色の眼は二つ、ハーベストの足元をぐるりと回った。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 21:30
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

ー畜生に人の言葉など分かるまい

脳味噌を掻き回すように、不愉快な声。声、怒声。ひとつの音が凛、とそれを打ち破る。
はたと気が付いた様に錻力のようになった足を動かすと、その足先は鏡の鳩尾を狙った。

『 …… 』

次に聞こえた声に慌ててその場から飛び退くと、自らを庇うように鉄の義手を額に翳す。
ああ、とんだ失態を。そして、痴態を。まだ彼女はそれが鏡の異能である事に気付いていない。

*

[ Black Maria 私室 - キング ]

暫く様子を見守っていた。クルトは深手を負った様だが、無力化した訳ではない。
まだ戦えるだろう。手足は残っているのだから。退屈そうに、紫の目が揺れる。
ふわりと吐き出した紫煙。しかし、次に彼の眼が捉えたのは “見覚えのある物”。

「 ……ああ、…面倒な事になったかもしれないな 」

実に面倒臭そうな顔で彼は言う。通信端末のスイッチを入れると、マイクに向かって話し掛けた。
ハーベストに渡した通信機。嗚呼、頼むからこれは壊してくれるなよ。なんて呑気に考えながら。

「 ハーベスト、聞こえるかい。聞こえたなら咳払いでもしてくれ。返事はするな 」

通信端末を持っている物がいる事を、なにか敵側に悟られたくない考えでもあるのだろう。
紫色の眼は二つ、ハーベストの足元をぐるりと回った。
アバター
2017/04/16 17:59

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の動きが止まったことに少年は、少しだけ瞠目した。
遠目からでは何が起こったのか正確な判断は出来ないが。
恐らくは獄卒の持つ能力という、彼には度し難い現象のせいだろう。
でなければ冷徹な、緻密に練り上げられた計算は狂わない、と少年は信じて疑わない。

『何をしている、ジン!』

低く、無機質な声に現れたのは叱責の色か、あるいは。

「仕方ない。機銃掃射――」

薙ぎ払え、と翻った白衣の袖。
声を合図として認識するのか、傍らに立つ女が僅かに上体を逸らして腹部を敵に向け。
機械音と共に腹が花弁の如く四方に裂けた奥から黒光りする銃口が、ゆるりと顔を覗かせる。
数刻の沈黙を経て、先ほど少年が平行に払った手の軌道をなぞるように閃光が煌めいた。
狙いを一点に絞らない射撃は轟音の弾幕となり、倉庫の壁を穿つ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 17:57

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の動きが止まったことに少年は、少しだけ瞠目した。
遠目からでは何が起こったのか正確な判断は出来ないが。
恐らくは獄卒の持つ能力という、彼には度し難い現象のせいだろう。
でなければ冷徹な、緻密に練り上げられた計算は狂わない、と少年は信じて疑わない。

『何をしている、ジン!』

低く、無機質な声に現れたのは叱責の色か、あるいは。

「仕方ない。機銃掃射――......薙ぎ払え」

ばさりと翻った白衣の袖。
声を合図として認識するのか、傍らに立つ女が僅かに上体を逸らして腹部を敵に向け。
機械音と共に腹が花弁の如く四方に裂けた奥から黒光りする銃口が、ゆるりと顔を覗かせる。
数刻の沈黙を経て、先ほど少年が平行に払った手の軌道をなぞるように閃光が煌めいた。
狙いを一点に絞らない射撃は轟音の弾幕となり、倉庫の壁を穿つ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 17:54

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の動きが止まったことに少年は、少しだけ瞠目した。
遠目からでは何が起こったのか正確な判断は出来ないが。
恐らくは獄卒の持つ能力という、彼には度し難い現象のせいだろう。
でなければ冷徹な、緻密に練り上げられた計算は狂わない、と少年は信じて疑わない。

『何をしている、ジン!』

低く、無機質な声に現れたのは叱責の色か、あるいは。

「仕方ない。機銃掃射――...薙ぎ払え」

ばさりと翻った白衣の袖。
声を合図として認識するのか、傍らに立つ女が僅かに上体を逸らして腹部を敵に向け。
機械音と共に腹が花弁の如く四方に裂けた奥から黒光りする銃口が、ゆるりと顔を覗かせる。
数刻の沈黙を経て、先ほど少年が平行に払った手の軌道をなぞるように閃光が煌めいた。
狙いを一点に絞らない射撃は轟音の弾幕となり、倉庫の壁を穿つ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 17:53

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の動きが止まったことに少年は、少しだけ瞠目した。
遠目からでは何が起こったのか正確な判断は出来ないが。
恐らくは獄卒の持つ能力という、彼には度し難い現象のせいだろう。
でなければ冷徹な、緻密に練り上げられた計算は狂わない、と少年は信じて疑わない。

『何をしている、ジン!』

低く、無機質な声に現れたのは叱責の色か、あるいは。

「仕方ない。機銃掃射―――......薙ぎ払え」

ばさりと翻った白衣の袖。
声を合図として認識するのか、傍らに立つ女が僅かに上体を逸らして腹部を敵に向け。
機械音と共に腹が花弁の如く四方に裂けた奥から黒光りする銃口が、ゆるりと顔を覗かせる。
数刻の沈黙を経て、先ほど少年が平行に払った手の軌道をなぞるように閃光が煌めいた。
狙いを一点に絞らない射撃は轟音の弾幕となり、倉庫の壁を穿つ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 17:44

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の動きが止まったことに少年は、少しだけ瞠目した。
遠目からでは何が起こったのか正確な判断は出来ないが。
恐らくは獄卒の持つ能力という、彼には度し難い現象のせいだろう。
でなければ冷徹な、緻密に練り上げられた計算は狂わない、と少年は信じて疑わない。

『何をしている、ジン!』

低く、無機質な声に現れたのは叱責の色か、あるいは。

「仕方ない。機銃掃射―――...薙ぎ払え」

ばさりと翻った白衣の袖。
声を合図として認識するのか、傍らに立つ女が僅かに上体を逸らして腹部を敵に向け。
機械音と共に腹が花弁の如く四方に裂けた奥から黒光りする銃口が、ゆるりと顔を覗かせる。
数刻の沈黙を経て、先ほど少年が平行に払った手の軌道をなぞるように閃光が煌めいた。
狙いを一点に絞らない射撃は轟音の弾幕となり、倉庫の壁を穿つ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 17:44

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の動きが止まったことに少年は、少しだけ瞠目した。
遠目からでは何が起こったのか正確な判断は出来ないが。
恐らくは獄卒の持つ能力という、彼には度し難い現象のせいだろう。
でなければ冷徹な、緻密に練り上げられた計算は狂わない、と少年は信じて疑わない。

『何をしている、ジン!』

低く、無機質な声に現れたのは叱責の色か、あるいは。

「仕方ない。機銃掃射―――...薙ぎ払え」

ばさりと翻った白衣の袖。
声を合図として認識するのか、傍らに立つ女が僅かに上体を逸らして腹部を敵に向け。
機械音と共に腹が花弁の如く四方に裂けた奥から黒光りする銃口が、ゆるりと顔を覗かせる。
数刻の沈黙を経て、先ほど少年が平行に払った手の軌道をなぞるように閃光が煌めいた。
狙いを一点に絞らない射撃は轟音と共に弾幕となり、倉庫の壁を穿つ。
アバター
2017/04/16 17:25

[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

脇腹に走るのは鋭い痛み。見当が逸れ、そのしなやかな弦は彼女を怯ませるには十分だった。
見た目以上の衝撃。当たり所が悪かったのか、その無機質な顔に浮かぶのは激しい苦痛の色。
普段ならば、その腕からも逃れていたのだろう。鞭を真正面から食らった彼女はそれに及ばない。
伸びてきた腕に両肩を掴まれた彼女はその目に真っ直ぐと捕らえられた。

「 ――――――、―― 」

まるで凍りついたように、足の先から硬直していく。苦痛から、恐怖へ。
ゆっくりと絵の具が水に溶けていくように、表情は歪んでいった。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/16 17:18
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

脇腹に走るのは鋭い痛み。見当が逸れ、そのしなやかな弦は彼女を怯ませるには十分だった。
見た目以上の衝撃。当たり所が悪かったのか、その無機質な顔に浮かぶのは激しい苦痛の色。
普段ならば、その腕からも逃れていたのだろう。鞭を真正面から食らった彼女はそれに及ばない。
伸びてきた腕に両方を掴まれた彼女はその目に真っ直ぐと捕らえられた。

「 ――――――、―― 」

まるで凍りついたように、足の先から硬直していく。苦痛から、恐怖へ。
ゆっくりと絵の具が水に溶けていくように、表情は歪んでいった。
アバター
2017/04/16 00:12
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

「すまないね、ありがとう」

鏡が割り込んできてくれたあたりから余裕が出来たのか平静さが戻ってくる。
ナイフを構えた鏡に礼を告げ、支えられていたところから自力で立ち、敵から間合いを取った。
そこでやっと弥子の存在に気付き、「ああ」と温和な笑みを浮かべて首を横に振る。

「問題ないよ、こんなもの拭えばいいだけだから」

心からそう思ってる純粋な優しい笑みは戦場で見ると異端に映る。
右手でマッチを一本だけ取り出してタイピンに擦るとマッチに火が灯った。
それを傷口に近付けると、まるで血液がガソリン代わりになっているかのようになる。
無理矢理ナイフを引き抜いてそちらも止血、焼くと拭うは同義だと言わんばかりに。
肉の焼ける匂いは人によっては吐き気を催すものかも知れないが止血には必要な手段の一つ。
苦痛に笑みを深めながらも止血を終え、あとは獄卒の底力に任せればいいだけの話だ。

「あまり固まっていると狙われやすいから、少し任せるよ」

静かにそう呟きながら2人と入れ替わるようにジンから距離を取った。
味方を縦にしたというわけではなく、戦略的撤退。
また体力が戻れば参戦するが、それまでの時間稼ぎぐらいは担ってくれるだろう。
アバター
2017/04/15 23:45
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

「 あららー。 なにやってるんですか。 」

クルトを見つめるとはあ、と一息吐いた。
見た感じこれじゃあもう使い物にならなさそうだ。
自分より大分年の離れた人に対して失礼極まりない言い方をしているが、戦闘に関しては甘っちょろいことを言っているようじゃ命が幾つあっても足りない。
できれば自分の能力はあまり使いたくないのだが…死人が出る前に、と指示を受けたし今回は仕方ないか。


クルトと、それを支える鏡の所まで近寄り傷を確認する。
場所は脇腹に太腿、出血が酷くこのままでは倒れてしまう…ざっと見た限りそこそこ重症と言えるぐらいだろうか。
これだと治すのに少々時間がかかる上に傷が深いから何割か自分がそれを負うことになりそうだ。
厄介なことになった、と怪我を負わせた張本人に向け鬱陶しそうに舌打ちをし眉間に皺を寄せながら氷のような冷たい瞳を其方へ向けて睨みつけた。

「 …それ、治しますよ 」

死にたいならほっておきますけど、と傷口を片方の手で指差し無表情のままそう言う。
もう片方の手はリボルバーを気怠げにクルクルと回し、いつでも攻撃体制へと移れるように準備をした。

アバター
2017/04/15 23:07
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

「ちょっとちょっと、大丈夫ですかー?」

脇腹と太腿を負傷したクルト。
鞭が戻ったタイミングで近づき、彼の体に手を回した。
目の前の彼女を鋭く睨みつけながら、ナイフを握り直す。
いくら獄卒で体が丈夫といっても、これは傷が深そうだ。
確か弥子は治癒能力を持っていたはずだが、相手が治癒する時間をくれるのか、どうか。

「俺の相手もしてくださいよ、なあ?」

貼り付けたような笑みをジンに向ける。片手でナイフを構えたが、このままでは戦えない。
…そうだ、自分の能力は時間稼ぎにうってつけだ。
そう思い、突然彼女の肩をつかもうと腕を伸ばした。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/15 22:58
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

「ちょっとちょっと、大丈夫ですかー?」

脇腹と太腿を負傷したクルト。
鞭が戻ったタイミングで近づき、支えるように体に手を回した。
目の前の彼女を鋭く睨みつけながら、ナイフを握り直す。
いくら獄卒で体が丈夫といっても、これは傷が深そうだ。
確か弥子は治癒能力を持っていたはずだが、相手が治癒する時間をくれるのか、どうか。

「俺の相手もしてくださいよ、なあ?」

貼り付けたような笑みをジンに向ける。片手でナイフを構えたが、このままでは戦えない。
…そうだ、自分の能力は時間稼ぎにうってつけだ。
そう思い、突然彼女の肩を強く掴んで瞳をじっと見つめる。
どこまで効くのか、どんな反応をするかは、分からないが。
アバター
2017/04/15 22:14
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

鞭を扱う際に一番気を遣うのは姿勢だ。
少しの体感バランスでも狂わされたら鞭の操縦はより難度を増す。
脇腹の熱を堪えながら、無意識に呼吸を整えていた隙を縫うように足元にナイフが投擲される。
ほぼ反射的に避けようとしたのが悪く出たのか、太腿に勢いよく刺さった。

「―――ぁ、……ッつ――」

痛い、痛い。熱い、焼ける、傷口が燃えているような錯覚。
脇腹の痛みがじんわりと広がる中に新たに出来た熱が冷静さを奪っていく。
止血をしている暇もないので視界がぼやけてくる、今ナイフを抜けば失血死してしまう。
ぐらりと身体が崩れ落ちそうになるのを堪えて、片足で踏ん張りながら鞭を真っ直ぐ薙いだ。
意思を持った生き物のように横に蠢く鞭はジンの横腹を狙い、操縦に従い空を翔ける。
アバター
2017/04/15 20:36
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

まだ無駄口を叩く余裕はあったか。追い打ちを掛けるように、もう一本のナイフを振りかざす。
しかしそこに触れた物は肉を裂く感覚ではなく、叩き落とされそうになる強い衝撃。
義手でなければナイフを叩き落とされていただろう。鞭では押し返すことも出来ない。
軽く舌打ちをすると、相手の脇腹を割いた一本をもう一度相手の足元へ投げる。
アバター
2017/04/14 22:01
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

避けられた、そう認識した直後にはジンが此方を標的に定めていた。
クイッと手首を動かして鞭を取り寄せると柄の部分で首を守るよう構えを変え、何とか受け止める。
鞭の部分が脇腹をガードするよりも早く突き出されるナイフに舌打ちを堪えて身を捩らせた。

「ッ……早いねぇ…」

片方、脇腹を狙われた方が避けきれなく鋭い痛みが走る。
急所は避けられたが、ズキズキと痛み出血をしている部分が熱を持ったような心地だ。
痛みを堪えながら後方へ飛び退き、近付かれぬよう威嚇するように真っ直ぐに鞭を振り下ろした。
ポタポタと血の垂れる音が嫌に鼓膜に響いているのが不快で、温和な表情のまま口元の笑みを深める。
アバター
2017/04/14 00:48
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

鞭とはまた、鬱陶しい物を。刃なら見切る。銃なら受ける。だが鞭と言う規則性の無い物は。
ひらりと足を交わすと、間合いを詰めて跳躍した彼女はクルトの目前へ。
両手に持ったククリの片方が首筋を確かに狙い片方は脇腹を狙った。少し間合が遠すぎたか。

アバター
2017/04/11 15:18
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

「…2体?急にですか……」

気配が増えたのは分かった。応援かと思ったが、それにしては少ない数だ。
少しずつはっきりとしてきた視界でその姿を確認することはできたが…やはりまだ駄目だ。
しかし、その2体に生気というものが感じられないのは自分だけだろうか。

発砲音、それが金属に当たったような鋭い音が響く。
先程ナイフを投げてきた彼女の腕は機械のように見え、少し驚いたように目を見開いた。

「大分めんどくさそうな相手ですねー……」

よろけながらなんとか体勢を保ち、気だるそうにため息をつく。
アバター
2017/04/10 21:26
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

平衡感覚が戻ってきた頃に鞭をしならせる。
振り下ろした長鞭は蛇のように床を伝ってジンの足元を狙う。
彼女が転んでくれれば僥倖、意識を此方に向けられれば――程度の考えだった。

「なんだか僕はもう帰りたい気持ちだよ」

戦力はやはり増えているように見えた。
何度か目を凝らしたり意識の切り替えを行ったが敵は3人……?
どこか、いや人間なのかと思わせるような、この不思議な感覚は何だろう。

…彼らは、本当に人間なのか?
アバター
2017/04/10 13:59
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

『 ………仰せのままに 』

微かな毒が含まれた声。あの弾丸を避ければ、弾を喰らうのは背後に居る博士。
こうする他無かった、と言うのが正しい答え。激しい金属音がその場に響く。
ハーベストの放った弾を受けた腕は皮膚を裂く事も赤い飛沫を上げる事もない。
散らしたのは黄金色の火花。頑丈な戦闘用の義手は、数発の弾丸をなんとか止めた。

『 ああ、…シリンダーが 』

若干何かを惜しむような声を上げたが、いまはそれだけ。


アバター
2017/04/10 11:17

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

時計を見た。
そろそろスタングレネードの効果が薄れ、視界が回復する頃合いだろう。
獄卒の耐久性がどれほどのものなのか、実証した試しはないので判らないが。
人間に使用される威力ならば、足止め程度で済むものか。
指先を顎に添えて思案する。

『とりあえず、僕が被弾しないように。実験の継続が難しくなるからね』

視界を遮る女、即ち自身を庇うように立っている彼女に労いの言葉をかけることはなく。
それがさも当然であるかのように、荷物の入っていたトランクケースに腰かけた。
さて、彼らはこれからどうしてくれるのだろう。今はそれだけが楽しみで仕方ない。
アバター
2017/04/09 23:50
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

視界の白さは、中央から薄らいでいく。
暴力的だった白は、目に馴染んだ暗がりに混ざって緩和し、徐々に輪郭あるリアルの視界に回復していった。
とは言え、これは万全ではない。
元々、体質的にこういうのは得意ではないのだ。
しかしまあ、見えるようになっただけ、御の字であろう。

「二体増えましたが、脅威になるのは…うん、全てじゃなさそうッスね。」

今のところ。
それにしたって、あの命のない様は何だろうか。
もう少し目が冴えれば、推測も難しくはない。
握った方の得物に弾丸を補填する準備をしながら、今度は狙って引き金を引く。
対象は、ククリナイフを構えたジン。
不意打ちでもないので避けられる事が前提だが、前衛の機動力は削いでおくに限る。
その足元に向け、数発ほど、何の変哲も無い鉛玉を放った。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/09 23:47
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

視界の白さは、中央から薄らいでいく。
暴力的だった白は、目に馴染んだ暗がりに混ざって緩和し、徐々に輪郭あるリアルの視界に回復していった。
とは言え、これは万全ではない。
元々、体質的にこういうのは得意ではないのだ。
しかしまあ、見えるようになっただけ、御の字であろう。

「三体増えましたが、脅威になるのは…うん、全てじゃなさそうッスね。」

今のところ。
それにしたって、あの命のない様は何だろうか。
もう少し目が冴えれば、推測も難しくはない。
握った方の得物に弾丸を補填する準備をしながら、今度は狙って引き金を引く。
対象は、ククリナイフを構えたジン。
不意打ちでもないので避けられる事が前提だが、前衛の機動力は削いでおくに限る。
その足元に向け、数発ほど、何の変哲も無い鉛玉を放った。
アバター
2017/04/08 23:40

[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

彼らが、そして博士たる人物が何を話しているかは分からないが想像はつく。
少しだけ忌々しげに自分にそっくりな虚ろ目を睨めつけるとまた彼らを見た。

『 ……私は待機ですか?』

彼らが指一本でも触れる事を許さないとでも言いたげに、
ジンは博士と呼ぶ人物の前へ庇う様にククリナイフを構えていた。

アバター
2017/04/08 18:30

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

煙の中から飛び出してきた銃弾にも臆さず。
そも、見当はずれな方向に飛んでいったのだから一切恐れることはなく。
女二人を盾代わりにするような位置に立つ少年はくつりと笑う。

「いやあ、面白い!流石は人ならざる者と言ったところか!」

新たな玩具を見つけた子供にも似た、純粋な歓喜。
同時に、実験対象として冷徹に観察できる余裕を併せ持った笑い声が響いた。
はしゃぎすぎて長い白衣の裾を踏みつけ、その場に転んだことは誰にも見られていないだろう。
再び地面に顔をつけることになった少年は、しかしめげずに起き上がり。

「僕ではとても、とても相手にできそうにないね。残念だけど仕方ない」

戦う意思はないとでも言うようにひらりと手を振った。
銃撃戦でも始まれば、後方に下がっているとはいえ無事では済まなそうなものだが。
例え鉛の玉が撃ち込まれたところで何かが変わることはないのだろう。
そのエメラルドにも似た明るい緑の瞳は、やはり、傍にいる女のように虚ろである。
アバター
2017/04/07 23:06
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

まだ耳の奥が不協和音に支配されている。
Harvestが何を叫んだのかははっきりと理解することができなかったが、
恐らく交戦体制に入れという指示だろう。

「ッ…………増えたのは、視界がぼやけてるせいじゃ、ないですよね?」

受けた直後よりは幾分かマシになったが、それでもまだ少し不快だ。
ぎち、とナイフを握ると敵全員を鋭く睨みつける。
相手を威圧する能力。触れてはいないから威力はそれほどでもないが、
苛立ちのせいかその能力を無意識に使ってしまっていた。
アバター
2017/04/07 00:12
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

耳鳴りは止まることはなくだんだんと頭までガンガンしてきた、最悪だ。
それでも最初よりかは幾分かましになったようで大分周りの音を把握することが出来るようになってきた。
その間に何があったのかはわからない、只確信は持てないが何故か彼方の数が増えたような…不思議と"其れ"には生命感が感じれない気がする。
微かに聞こえた交戦体勢という言葉、やっとお遊びが始まるようだ。

「 …王と女王へのお土産に、手足の1本でも持ち帰ろうかなあ 」

…いや、手足の1本なんかじゃ満足はしてもらえないか。
しゃがみこんでいた体制から立ち上がり、耳を塞いでいた手を外しお気に入りのリボルバーを再び手にした。
まだ完全とは言えないが辺り一面に広がった白は先程よりも薄く感じた。
はっきりとは見えないものの姿を捉えるには十分と言えるだろう。

「 結婚…なら、死なないようにね? …まあ、死ぬ寸前になったら助けてあげますよ 」

最近見つけた美味しいって噂の異国のキャンディーを買ってくれるならね、と付け足しながら。
まあ此処にいる者は皆そう簡単に死ぬことはないだろう…自身の能力を使うことはなさそうだ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/07 00:10
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

耳鳴りは止まることはなくだんだんと頭までガンガンしてきた、最悪だ。
それでも最初よりかは幾分かましになったようで大分周りの音を把握することが出来るようになってきた。
その間に何があったのかはわからない、只確信は持てないが何故か彼方の数が増えた気がする…不思議と"其れ"には生命感が感じれない気がする。
微かに聞こえた交戦体勢という言葉、やっとお遊びが始まるようだ。

「 …王と女王へのお土産に、手足の1本でも持ち帰ろうかなあ 」

…いや、手足の1本なんかじゃ満足はしてもらえないか。
しゃがみこんでいた体制から立ち上がり、耳を塞いでいた手を外しお気に入りのリボルバーを再び手にした。
まだ完全とは言えないが辺り一面に広がった白は先程よりも薄く感じた。
はっきりとは見えないものの姿を捉えるには十分と言えるだろう。

「 結婚…なら、死なないようにね? …まあ、死ぬ寸前になったら助けてあげますよ 」

最近見つけた美味しいって噂の異国のキャンディーを買ってくれるならね、と付け足しながら。
まあ此処にいる者は皆そう簡単に死ぬことはないだろう…自身の能力を使うことはなさそうだ。
アバター
2017/04/06 22:44
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

「そんなこと言われてもねぇ…何も見えないんだけれど…!」

正直、Harvestの発言は半分も聞き取れなかったが意図は理解出来た。
膝立ち状態から気合で身体を起こして閉じていた瞼を開く。
未だ朧げな視界に先程の白衣らしき面影を探しながら鞭を構え直す。

「ああ、もう面倒な先手を打ってくれたね」

構え直した際にぐらりと身体の重心が揺らいだことに内心苛立ち、笑みを深める。
歪んだ視界にぼやけて映る景色が間違いでなければ、女性は二人いた。
ジョークではなく、二人いるように見えるのは幻覚作用かと思いたいが、実在するのだろう。
後ろに小さな影があるのは先程の白衣の男か…今は狙うより避けろだと思考を切る。

「―――僕さぁ…この戦いが終わったら…結婚するんだ……」

廃倉庫に響き渡る程度の、普通の音量で呟いた言葉は場違い甚だしいものだった。
彼の通常運転と言えば通常運転なので冗談なのか本気なのかが分からないのが腹立たしい。
ただ一つ分かることはこんなもので敵の同情が買えたら既にこのような展開ではないことだけだ。
簡単に言えば茶々な時間稼ぎだが乗ったら相手方は相当なノリの良い奴ぐらいだろう。
アバター
2017/04/06 21:43
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

それは、彼女に取ってジルバを踊るに容易いこと。巫山戯た様な弾丸をひらりと交わす。
足元がふらついたのは、言うまでもない。対策はしてもスタングレネードを使ったのだ。
彼らを見る。生身でこれを食らった筈だが……ああ、その頑丈さは〝バケモノ〟故か。

引き抜いた二本のククリナイフ。これは、今度こそ本物の二本だ。
ぐい、と雑に咥えて捲くり上げた白衣の袖。露見した左腕は、頑丈な義手だった。
まるで戦闘用に作られたような、鋼の義手。くるり、とナイフを回す生身の右手。

アバター
2017/04/06 21:26
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

「っ、全員交戦体勢に入って下さい!!」

太腿のホルスターから引き抜いた白銀の相棒を、がつんがつんと牽制代わりに前方に撃ち放つ。
当たらないのは百も承知、視界の有無等、言うまでもない。
それも、光の抑えて取り込むには不向きな瞳の色だ。瞬きしても、違いなど分かるものか。

しかし、そのまま立っていられたのは偶然ではない。
先天的な疾患は片耳の難聴を齎し、それ故か見当識の失調も耳鳴りのそれも浅かった。
後は、この極卒という身である事も・・・だろう。

がぁん、がぁん。
最後に見た対象の姿を思い出しながら、引き抜いていない片方の拳銃に空いた手を滑らせる。
…消費済の弾丸は2発、次は3発。

アバター
2017/04/06 00:00
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

…実験?と敵の様子を伺っていると、ナイフを投げた女性の不敵な笑みが一瞬見えた気がした。
その刹那、鳴り響いた爆発音。それは視界を真っ白に染め、聴覚を奪った。

「………………ッ!!!」

ナイフ…いや、爆弾から一番近くにいたせいか衝撃は大きなものだった。
咄嗟に目を閉じ耳を塞いだがもう手遅れ。獄卒の丈夫な体じゃなかったら、きっと倒れていた。
頭の中で不協和音が何回も繰り返される。ライトが点滅しているような視界。

「……あー……油断、…した」

ずっと気弱な笑みを崩さないままでいたが、その顔に笑みなどない。
苛立ちと殺意。歪んだ表情にはその二文字しかなかった。
愉快そうな声と、増えた人の気配。敵側の応援でも来たのか、と思ったが、
確認できるほど視界はまだ戻っていない。
アバター
2017/04/05 23:25

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

轟音の中で一人、少年は平然と〝実験〟の手筈を整えていた。
人間どころか、獄卒ですら多かれ少なかれダメージを受けたスタングレネードにびくともしない。
爆風をそよ風程度にしか感じていないような、それほど目の前の作業に集中しているのか。
今にも鼻歌を歌いだしそうなほどに機嫌が良い。

「君の出番だよ」

少年の言葉に応えるように、アタッシュケースの中からむくり、と起き上がる人影があった。
標準的な東洋人の特徴を備えているが、何となく傍にいる女に似ている目鼻立ち。
しかし、面持ちはどこまでも無。生きているとは到底思えない空虚な存在。
その無機質な両の瞳が四人に向いた。やはり、女と同じ目の色をしていた。

「派手じゃなくちゃ、面白くない!全くね。退屈というのも苦痛を生む」

気づけば少年は女たちの背後にいた。
つまり、彼は戦う気はない、あるいは戦闘能力は備えていないということを意味している。
アバター
2017/04/05 20:34
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

先程のたどたどしい英語とは違い、自分の聞きなれない言語でなにか言葉を呟いた彼女。
殺意は有り余るほど感じるのに此方から逃げるように数歩分距離を開けるという行為、それに実験という言葉…一体何を仕出かすつもりなのだろう。
彼女の唇が怪しく弧を描いたように思ったのは自分だけだったのだろうか。
其の視線の先にはククリナイフ。
何か変わったことは…と思い壁に刺さったナイフを振り返って見ようとした時にはもう遅い。
瞬間静かなこの場に似つかわしくない耳を劈くような爆発音が辺りに響き渡る。
と、同時に視界一杯に広がる白。
あまりにも大きい爆発音に思わずしゃがみ込んで耳を塞いだがこれも遅かったらしくキンキンと激しい耳鳴りが続く。

「 敵さんは…どうにもド派手なことをするのが好きらしい、ね。 」

収まることのない耳鳴りを腹立たしく思い小さく舌打ちをした。
視覚も聴覚も奪われた今手も足もでないかと思われたがそこにあったのは苦悩の表情を浮かべた弥子ではない。

「 こうでなくっちゃ…もっと私を楽しませてよ。 」

とても17歳とは思えない程の怪しげな微笑みを浮かべている1人の少女だった。
アバター
2017/04/05 19:17


[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

激しい爆発音と共に視界と聴覚が真っ白に包まれる。
咄嗟に目を庇ったにも関わらず真面に機能しない視覚は役に立つまい。
それが敵の女性による妨害攻撃だと理解するのに要した時間は長くはなかった。
硬直した身体を追随するように膝から崩れ落ち、鞭を手から落としそうになる。
彼の誇りか、獄卒の血か、武器はなんとか落とさずにいたものの此の様。
此方が気付かなかったのが致命的なミスであることは明らか。

「本当…正気を、疑うような…歓迎方法、だねぇ……」

皮肉げに、けれど表情は変わらない笑みのまま途切れとぎれに悪態をつく。
視覚・聴覚ともに正常に機能せず、頼れるのは触覚・嗅覚…味覚、あったらいいな第六感。
少し冗談を思考に混ぜることで硬直によりショックを受けていた頭の回転を元に戻す。

本当、実戦は怖い。
戦闘力がなければ、知略で――そう言い聞かせていたにも関わらず。
敵の動作を読むということすら出来ずにこの様なのだから。
膝をついたまま両目を閉じて、静かに深呼吸しながら気配を頼りすべく息を止める。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/05 18:44

[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

激しい爆発音と共に視界と聴覚が真っ白に包まれる。
咄嗟に目を庇ったにも関わらず真面に機能しない視覚は役に立つまい。
それが敵の女性による妨害攻撃だと理解するのに要した時間は長くはなかった。
即座に懐からマッチを取り出し、慣れた動作でシュッと擦り火を起こす。
視界が闇に包まれている今は標的が絞れないが、己の能力を考えれば丁度良い。

「本当…正気を疑うような歓迎方法だよ」

ふっ、とマッチを吹き消すように吐息を吐いた。
味方を巻き込むことも考えられるため保険のつもりだったのが、序盤で使うとは。
先程の〝ため息〟を伝うようにしてククリナイフに見えるグレネードの方角に炎が向かう。

――導火線の最終地点、壁を壊すような勢いで再び大きな爆発音が響いた。

それは視覚や聴覚などを狙うものではなく
純粋な暴威に満ちた爆撃であり、轟音と共に火花が散り煙が上がる。
仕掛けの段階での引火性ガスの効果が低かったため殺傷性や倉庫が吹き飛ぶということはない。

だが、これで敵が何らかの手段で視界や聴覚を保っていたとしても五分五分のステージだ。
仮定として敵側がグレネードの対策を完璧にしていた場合、此方は一瞬にして終わる展開。
故に、爆発により上がる煙が視界を遮り、爆音によって鼓膜に被害が出るように行動した。
念には念を、そのときの自分の利己的な決断力を信じて行った行為が良く出るか悪く出るか。
傍から見れば猿の浅知恵だろうと、元々戦闘力に特化していない彼にとっては最善の選択。
然し副作用、激痛を伴う記憶の氾濫により彼自身は正常な状態とは掛け離れた状態になっていた。

「これで向こうがケロリとしていたら、僕は格好悪いなぁ」

苦痛に歪めた眉間と、見えないため閉じた瞼の下で口元は笑ったまま。
鞭をなんとか構えることによって応戦姿勢を維持した。
アバター
2017/04/05 10:04

[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

正気か、と問い質そうとした。 しかし、彼はいつだって大真面目なのだ。
それに…と考えてみる。ああ、こいつ等ならば〝壊れたって〟構わないな。

「 我知道了 」

拙い英語ではない、流暢な言葉。右手を左胸に当てると彼女は小さく腰を折る。
軽やかに後ろへ数歩分を飛び退くと、彼女の唇はニタリと弧を描いただろうか。

彼らの背後に刺さったククリナイフ。簡単に武器を手放した彼女は、暗殺者として落ちているだろうか?
否、落ちているのはそれに警戒しなかった方だ。

― その場に、激しい爆発音が響く。同時に走ったのは、暗闇を白夜に変える閃光

スタングレネード。ククリナイフを〝模した〟それは所謂閃光発音筒。
目を眩ませ、物理的に視界を奪う。そして彼らの聴覚を数分たりとも奪うためだ。
念の為自身も耳を塞いでいたが、やはりそれでもキンと耳の奥が痛む。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/05 10:03
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

正気か、と問い質そうとした。 しかし、彼はいつだって大真面目なのだ。
それに…と考えてみる。ああ、こいつ等ならば〝怖れたって〟構わないな。

「 我知道了 」

拙い英語ではない、流暢な言葉。右手を左胸に当てると彼女は小さく腰を折る。
軽やかに後ろへ数歩分を飛び退くと、彼女の唇はニタリと弧を描いただろうか。

彼らの背後に刺さったククリナイフ。簡単に武器を手放した彼女は、暗殺者として落ちているだろうか?
否、落ちているのはそれに警戒しなかった方だ。

― その場に、激しい爆発音が響く。同時に走ったのは、暗闇を白夜に変える閃光

スタングレネード。ククリナイフを〝模した〟それは所謂閃光発音筒。
目を眩ませ、物理的に視界を奪う。そして彼らの聴覚を数分たりとも奪うためだ。
念の為自身も耳を塞いでいたが、やはりそれでもキンと耳の奥が痛む。

アバター
2017/04/05 00:17
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

「はい?」

一部始終が行われる間に、後衛らしくポジションをするりと変えていた。
拒絶の代弁道具は、何の変哲もなく壁に刺さったままだ。…?いや、それにしても。
こちらも死角で(バレていない保証はない)なんの変哲もない弾丸が収まっているのを確認しながら、
メンバーが二人と会話する間、聴くことを優先してみた。

君が殺しては意味がないと言ったが、殺さない証明は得られなかった。
というかグルカナイフなんて持ち出された時点でそうだ。
じゃあ少なくとも、女の方―殺意を表している―が、意味を持たせるならそっちではないんだろう。

「実験って――、ってちょいちょい!!」

見た目と似合わない流暢な中国語が、違和感マシマシな情報となって齎される。
突然駆け出したのだから、ジンと呼ばれる方は兎も角、男の方は分からない。
アバター
2017/04/05 00:00

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

壁に刺さったナイフ、次いで振り返り女を見て少年は唇を尖らせた。
拗ねているというよりは呆れている。

「ああ駄目だよジン、君が殺しては意味がない」

それは、まるで子供に言い聞かせるような口調だった。
低められた声は別人、あるいは彼が成長したらこうなるであろう、と思うもの。
何度も聞かせている相手には次第に微かな違和感を与え始めるが。
真実の片鱗に気づいた人間は何人いることだろう。
何しろ子供が騒いでいる空間だ。
この場で考察するにはかなりの集中力が求められる。

「折角足を運んでもらったんだ。一つ、実験をしよう。そして僕は帰る!」

声高に宣言した後、彼女が運んできた荷物の元に駆け寄った。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/04 23:50

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

壁に刺さったナイフ、次いで振り返り女を見て少年は唇を尖らせた。
拗ねているというよりは呆れている。

「ああ駄目だよジン、君が殺しては意味がない」

それは、まるで子供に言い聞かせるような口調だった。
低められた声は別人、あるいは彼が成長したらこうなるであろう、と思うもの。
だが、何度も聞かせている相手には次第に微かな違和感を与え始める。
この声は、人間が発しているにしては完璧すぎる、と。
真実の片鱗に気づいた人間は何人いることだろう。
何しろ子供が騒いでいる空間だ。
この場で考察するにはかなりの集中力が求められる。

「折角足を運んでもらったんだ。一つ、実験をしよう。そして僕は帰る!」

声高に宣言した後、彼女が運んできた荷物の元に駆け寄った。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/04 23:49

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

壁に刺さったナイフ、次いで振り返り女を見て少年は唇を尖らせた。
拗ねているというよりは呆れている。

「ああ駄目だよジン、君が殺しては意味がない」

それは、まるで子供に言い聞かせるような口調だった。
低められた声は別人、あるいは彼が成長したらこうなるであろう、と思うもの。
だが、何度も聞かせている相手には次第に微かな違和感を与え始める。
この声は、人間が発しているにしては完璧すぎる、と。
真実の片鱗に気づいた人間は何人いることだろう。
何しろ子供が騒いでいる空間だ。
この場で考察するにはかなりの集中力が求められる。

「折角足を運んでもらったんだ。一つ、実験をしよう。そして僕は帰る!」

声高に宣言した後、彼女が運んできた荷物の元に駆け寄った。
アバター
2017/04/04 19:18
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

静かに女性を見据えて、ゆっくりと首を傾げる。
視線を逸らさず見ていれば投擲されたククリナイフが鏡の方へ向かったのが見えた。
壁に刺さったナイフを横目で見遣り、ため息を吐く。

「只の倉庫に、偶然居合わせただけの赤の他人なのに…随分と酷い対応ですねぇ」

二人の方へ目線を向けて、花でも慈しむような場違いな表情で困ったように笑った。
アバター
2017/04/04 03:37
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

返事をしようと開いた口からはなんの声も出てこなかった。
きらりと輝いたのは一瞬であり、髪がひと束切れて落ちたのに気づいたのは数秒経ったあと。
すぐ横を通り抜けたナイフに驚いてしばらく彼女の姿を見つめる。

ひとつため息を吐く。
びっくりしたじゃないですか~、と再び困ったように笑うが、そこに恐怖はない。
彼女の瞳から殺意はあまり感じ取れないと思っていたが、
横切ったナイフには確かな殺意を感じることができた。何かあるのは間違いない。

「…はは、ただの倉庫ならどうして帰れなんて言うんですか?」

気の弱そうな笑顔が、少しだけ歪む。
アバター
2017/04/03 23:04
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

「 見てわかるね。二人、だけよ 」

隠しきる殺意の孕んだ瞳、隠しきれない殺意の刃。その時、視界を横切ったのは鋭い白金。
空を切る音を立て、鏡の頬に触れそうな距離を通り抜け壁に刺さったククリナイフ。
帰れ、でなければ殺す。言葉にこそならないが、その意思は実に明確な物であった。

「 ……旦那の言う通りネ。ただの倉庫。お宅らには関係ないよ 」

拙い英語は続ける。武器であるナイフの一本を軽率に手放した行為に、何か意味はあるだろうか。

アバター
2017/04/03 12:12
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

「これはこれは予想通りの予想外といいますか」

緊張感のない声に更に更に重ねて敵対する相手と思わしき二人を見遣る。
腰に携えた鞭に手をかけながらも、温和な笑みのままホワホワと周囲を見渡して状況確認。
流暢な公用語を話す白衣の者と片言の英語を話す女性から親しみやすい雰囲気は感じ取れない。
鞭をしゅるりと引き抜くと構えを取って警戒態勢を見せる。

「賭博場でないのなら、只の倉庫のはずですよねぇ」

何故、怪しげな二人がいるのかということを暗に示唆するように微笑んだ。
アバター
2017/04/03 01:36
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

「あー、ほら、やっぱり。まあ、そうですね」

同じく緊張感のない声に、また緊張感のない声で同意の言葉を適当に口に出す。
勢いよく開かれた扉、そこに立つ少年…らしき人物を見ると困ったような笑みを浮かべた。
一番大きなナイフを取り出すと、腕を軽く振り刃を出す。
後ろから顔を出している…であろう弥子を少し気にしつつ、フードを取り払った。

「もしかして、二人だけですかー?」
アバター
2017/04/03 00:43
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

目の前の重苦しい金属の扉は突如開かれた。
緑色の髪をした、まだ幼さが残る少年と思われる人物の手によって。

「 わっ…びっくりした…。 」

こうも堂々と来られるとは思ってもいなかった為少々、いやだいぶ驚いた。
単なるアホなのか、それともなにか策略があるのか。
更に奥からもう1人、現れたのはカタコトの英語を喋る女だった。
どうやらここら辺の人ではないらしいが今はそれはどうでもいい。
此方に向けられている殺意を剥き出しにした刃物の鋒が物語っている。
それを合図にしたかのようにお気に入りのリボルバーへと手をかけた。

「 へえ…陰気臭い場所にあるから、てっきり賭博場かと思った。 じゃあ、ココはなあに? 」

目の前にいる自分より身長が高い人物の後ろからひょっこり顔を出し、わざとらしく可愛く小首を傾げ廃倉庫を指差しながら流暢な英語でそう答えた。
動きやすいようにといつもの厚底ではなくぺたんとした靴を履いてきたのが間違いだった。
よく考えれば周りは全員男、皆自分が隠れるほどの身長の高さはある。
これじゃあ隠れてしまって見えないじゃないか、次からは絶対厚底履いてやる。
アバター
2017/04/02 23:47
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

ああ、彼の素ッ頓狂な行動はいつもの事だ。しかし、小言は当分後になるだろう。
四人の腰元。其処に在る、純銀製の懐中時計。全く、相変わらず悪趣味な連中だ。

「 ……何しにきたネ。…ココ、お宅らの賭博場と違うます わかるか? 」

それは、カタコトの英語。それは、彼女がこの街の人間でない事を意味していた。
細い目……その視線が、蛇の様に金髪の男を突き刺した。 帰れと言っているのだ。
その証拠に、殺気に塗り固められた刃物の鋒が其方を確かに向いている。
アバター
2017/04/02 23:23
《 港町 廃倉庫 -Harvest 》

「ッスね〜。まあほら、隠密なら大失敗でしょうが、そうじゃないんスから」

鏡の言葉に同意して、続けようとして黙る。
反射的にホルスターに収めた相棒を、今すぐにでも引き抜ける程度に手をかける。
正確には、面食らった。
いや、だって、ね?こちらがクソ喧しいならともかく、
向こうさんが辛抱ならないとしても、予想外過ぎやしないか。
何故開けたんだろう。わからない。

「…わー、ビックリッスね。お揃ったタイミング見計らってました?」

ネイティブだろうか。と、何となく。
一見して意図がつかめないのは、前衛の位置に駆り出されるぐらい困る事だ。
というか僕を先頭にするんじゃない、後衛だからな
アバター
2017/04/02 23:05

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

通信を始めた女の視界の端で何かが動いていた。
ぴょこぴょこと歩く身の小さい少年は出来る限り足音を忍ばせて。
どうしたことだろう、先ほど彼女が閉じた扉の前までやってくる。

「やあ、やあやあ!お揃いだね、諸君」

公用語に高笑いを混ぜた後、扉を勢いよく開け放った。
その結果として敵の目前に緑色の髪、そして白衣と小柄な姿が露わになるが。
現在進行形で発生している危険性に関して、彼は全く後悔していない。
アバター
2017/04/02 21:58

[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

それは、先程とはまた違う言語。トランシーバーのスイッチを押すと、声は続けた。
アクセントの付いた刻みのある言葉。心得のある者には、ラテン系の言語に聞こえるだろう。

『 ……此方 ジンです。計画は中止して下さい。コード13 中止です 』

不安定なのは、その言語にあまり慣れていないからだろうか。通信機から短絡的な声がする。
―了解した。蹴散らしてやれ
それだけ言うと、通信は途切れる。その間にも彼女の瞳は扉の向こうを睨んだままであった。

***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/02 21:57
[ 港町 廃倉庫 - ジン ]

それは、先程とはまた違う言語。トランシーバーのスイッチを押すと、声は続けた。
アクセントの付いた刻みのある言葉。心得のある者には、ラテン系の言語に聞こえるだろう。

『 ……此方 ジンです。計画は中止して下さい。コード13 中止です 』

不安定なのは、その言語にあまり慣れていないからだろうか。通信機から短絡的な声がする。
ー了解した。蹴散らしてやれ
それだけ言うと、通信は途切れる。その間にも彼女の瞳は扉の向こうを睨んだままであった。
アバター
2017/04/02 21:38
[ 港町 廃倉庫 - 鏡 ]

足音を殺しながら他のメンバーについてきた彼は、
弥子のあくびにつられ小さなあくびをひとつ零した。
恐らく、目の前に見えている倉庫で間違いないのだろう。
地図的にも、ここら辺であっているはずだ。

「もう気づかれてるかもしれないですねえ…」

相手も警戒しているはずだ。足音や気配を完全に隠すのは不可能だから。
全く緊張感のないへらへらした声でそう呟くと、彼らの後ろを静かについていく。
アバター
2017/04/02 21:20
[ 港町 廃倉庫 ー 弥子 ]

辺りが暗くしんと静まり返っているなか、1人ふわりと欠伸を溢した。
普段は白のポーンとしてこのような時間に活動をすることは少ない上に今日はあまり睡眠を取れていないことが重なり今になって少々の眠気が襲ってきた。
それでも警戒だけは解くことをせず眠たげた目の奥に獲物を狩るような鋭い目を潜めながら辺りをぐるりと見渡した。
彼の言う通り、ここが例の倉庫で間違いないだろう。

「 …ちゃっちゃと終わらせて帰れるといいな。 」

そう簡単にいく依頼ではないとわかっているがそれでも早く終わらせることに越したことはない。
依頼が終わったらご褒美にキャンディーでも買おうかなんて頭の端で考えながら先に歩みをはじめた彼らを追いかけるように自信も入り口に向かって歩き始めた。
アバター
2017/04/02 20:19

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

少年は両耳を塞いでいた手を退けた。
そんなことをしなくとも、今の彼ならば外界の音声をシャットアウトすることなど容易い。
しかし、中々終わることのない女のマシンガントークが不意に止めば怪しむというもの。
よっこいせ、と倉庫の床から立ち上がり、白衣についた土埃を払う。

『知らないな、まあ誰でも殺せばいいよね?』

さらりと述べられた言葉の重さを、まともに受け取る者がそこにいるだろうか。
まるで明日の献立でも考えるような口調で博士は言った。
そのことを考慮していた瞳は、残念ながら乱れた前髪に隠れてしまっているけれど。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/02 20:18

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

少年は両耳を塞いでいた手を退けた。
そんなことをしなくとも、今の彼ならば外界の音声をシャットアウトすることなど容易い。
しかし、中々終わることのない女のマシンガントークが不意に止めば怪しむというもの。
よっこいせ、と倉庫の床から立ち上がる。

『知らないな、まあ誰でも殺せばいいよね?』

さらりと述べられた言葉の重さを、まともに受け取る者がそこにいるだろうか。
まるで明日の献立でも考えるような口調で博士は言った。
そのことを考慮する瞳は、残念ながら乱れた前髪によって隠れてしまったけれど。
アバター
2017/04/02 17:22

[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

相手にあらん限りの罵声を浴びせていた唇が静かに閉じる。誰か居る。
しかしそこに〝聴き慣れた金属音は混ざっておらず〟其の手を止めた。
シィ、と人差し指を自分の唇に当てる。足音から察するに二人、三人…それ以上。

『 …少なくて三人。多くて五人。どうされますか 』

静かな囁き声が言葉を繋ぐ。ゆっくりと、ホルダーのククリナイフを手に取った。
金属の扉、その向こう側に居る獲物を定める様に真っ直ぐと鋒をそちらに向ける。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/04/02 17:21
[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

相手にあらん限りの罵声を浴びせていた唇が静かに閉じる。誰か居る。
しかしそこに〝聴き慣れた金属音は混ざっておらず〟其の手を止めた。
シィ、と人差し指を自分の唇に当てる。足音から察するに二人、三人…それ以上。

「 …少なくて三人。多くて五人。どうされますか 」

静かな囁き声が言葉を繋ぐ。ゆっくりと、ホルダーのククリナイフを手に取った。
金属の扉、その向こう側に居る獲物を定める様に真っ直ぐと鋒をそちらに向ける。

アバター
2017/04/01 16:26
[ 港町・廃倉庫 - クルト ]

月だけが灯導といった夜の港町。
遥か高くから降り注ぐ雨が真っ白なスーツを遠慮なく汚していた。
足音を殺そうとしても水溜りを踏めば微かにピチャンと音が跳ねるのが分かる。
先頭を行く男の影を追従するように、気配を押し殺しながら指定の位置に向かった。

緊張感のない声が耳に聞こえて足を止める。
倉庫全体の様子は一見普通の廃倉庫のようにしか見えない。
夜と雨の組み合わせで視界が正常ではないのも一因としてあるのかも知れないが。
懸命に見え難い双眸を薄く細めて周囲を警戒していると入口らしきものを発見したらしい。

「夜に向いた目が今ばかりは羨ましいね」

小さな声で小言を言いつつ、警戒心を緩めることなく中へと続く道に足を進めた。
アバター
2017/03/31 23:27
《 港町 廃倉庫前 -Harvest 》

白み始めた早朝前の夜、と言えば分かるだろうか。
具体的に説明は出来ないが、暗い事は知覚できるが、視界はクリアーだという事。多分?
他人の目は分からないが、己のそれは"夜"の方が向いている。
異色症で光に弱い両目は、暗闇にすぐに馴染んだ。
で、冒頭の一文のような視界に切り替わったところなのだ。

通信機の位置を調整しながら、歩く。
指定された位置まで、足音を殺し、なるべく死角を縫って移動する。
装備した、小柄な相棒の出番は、まだ無い。

「…こーこ、ッスねー。」

ぐるりと見渡し、入口(侵入口)らしきものを発見する。
見える範囲で、他に気になるものは無い。
そのまま警戒だけは怠らず、しかしどこかしら緊張感の足りない様子で、歩を進めた。
アバター
2017/03/31 19:16

[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

『 脳味噌まで軽量化されたんですか?』

表情一つ変えずに相手をずるずると引きずっていく。また彼の駄々が始まった、と呆れ顔で。
今日、この日に失敗は許されていないのだ。スーツケースを床に置くと通信端末を取り出す。
そろそろ……と考えた所で、彼女の手は止まった。博士と呼ぶその少年を地面に放りながら。

『 ……やっぱりそう言う事考えてたんですね…?やっぱりそうだったんですね…!! 』

変態、甲斐性なし、チビ、と思いつく限りの罵倒が飛んでくる。


アバター
2017/03/31 17:50

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

彼女が歩み寄っても少年に怯えた様子は欠片もなく。
自身の身長の倍ほどもある相手を見上げると胸の前で腕を組む。
勝ち誇ったような表情からして、何か勝算でもあるのだろうか。

『ふふん。軽量化に成功したとはいえ、君には荷が重いんじゃないか』

抵抗の意思は示した。
必死に踏ん張る両足の努力も虚しく、彼は女に引き摺られて奥に消えていく。

『大体、人気のない廃倉庫で二人っきりなんて』

文句を言おうとして続けた言葉はしまった、とでも言いたげな表情のせいで消えた。
本当はこれほどつまらない状況はない、と訴えたかったのに。
彼女によって何だか別の、とても言えないような雰囲気にされてしまう予感がするのだ。
嫌な予感というものは総じて当たる、というジンクスに科学的な根拠はないはずだが。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/31 17:49

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

彼女が歩み寄っても少年に怯えた様子は欠片もなく。
自身の身長の倍ほどもある相手を見上げると胸の前で腕を組む。
勝ち誇ったような表情からして、何か勝算でもあるのだろうか。

『ふふん。軽量化に成功したとはいえ、君には荷が重いんじゃないか……あれ?』

抵抗の意思は示した。
必死に踏ん張る両足の努力も虚しく、彼は女に引き摺られて奥に消えていく。

『大体、人気のない廃倉庫の奥で二人っきりなんて…』

文句を言おうとして続けた言葉はしまった、とでも言いたげな表情のせいで消えた。
本当はこれほどつまらない状況はない、と訴えたかったのに。
彼女によって何だか別の、とても言えないような雰囲気にされてしまう予感がするのだ。
嫌な予感というものは総じて当たる、というジンクスに科学的な根拠はないはずだが。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/31 17:33

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女が歩み寄ってきても怯えた様子は欠片もなく。
自身の身長の倍ほどもある相手を見上げると胸の前で腕を組む。
勝ち誇ったような表情からして、何か勝算でもあるのだろうか。

『軽量化に成功した僕とはいえ、君には荷が重いんじゃないかな』

抵抗の意思は確かにあった。
必死に踏ん張った両足の努力も虚しく女に引き摺られて奥に消えていった。
マイペースなせいか、他人と行動することに関してはてんで駄目な少年である。
そもそも仕事をしたくない、とは彼の談。
口にした端から彼女に叩き潰されてきただけのこと。
アバター
2017/03/31 16:42

[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

『 は?』

冷ややかな威圧の声であった。虫でも見るような切れ長の瞳が相手を静かに睨めつける。

『 博士。冗談は身長だけになさって下さい 』

つかつかと迷いの無い歩調で相手の元に歩いていくと、その少年の服…基襟首を掴んだ。
そのまま博士と呼ぶ少年を入口から奥までズルズルと引きずりながら、足で扉を閉める。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/31 16:29

[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

『 は?』
冷ややかな威圧の声であった。虫でも見るような切れ長の瞳が相手を静かに睨めつける。

『 博士。冗談は身長だけになさって下さい 』

つかつかと迷いの無い歩調で相手の元に歩いていくと、その少年の服…基襟首を掴んだ。
そのまま博士と呼ぶ少年を入口から奥までズルズルと引きずりながら、足で扉を閉める。

アバター
2017/03/31 16:17

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の振り返った先には誰もいなかった。
他に誰かがいるとするなら、倉庫の入り口に逆光を浴びて小さくなっている人影が一つ。
単に背を丸めているからということではなく、元から背の低い人物なようだった。
廃倉庫に似つかわしくない子供が、これまた大きいサイズの白衣を着て立ち尽くしている。
投げかけられた言葉に微かに頷いたように見える彼は、沈黙の後、不意に小さな唇を歪ませた。

『僕はもう帰る』

少年は、よくよく見れば西洋人らしい顔立ちなのだが、それにしては綺麗な中国語が口を突いて出た。
冷静に考えれば一般市民、ましてや少年少女が出歩く時間帯ではないし、当然のことなのだが。
目の前の彼女にとっては当惑以外の何物でもなかろう。
何しろ、ここまで荷物を運ばせた当の本人がその役割を果たさずに帰ると言うのだから。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/31 16:15

[ 港町 廃倉庫 - 博士 ]

女の振り返った先には誰もいなかった。
他に誰かがいるとするなら、倉庫の入り口に逆光を浴びて小さくなっている人影が一つ。
単に背を丸めているからということではなく、元から背の低い人物なようだった。
廃倉庫に似つかわしくない子供が、これまた大きいサイズの白衣を着て立ち尽くしている。
女の言葉に微かに頷いたように見える彼は、不意にその唇を歪ませた。

『僕はもう帰る』

少年は、よくよく見れば西洋人の顔つきをしているのだが、それにしては綺麗な中国語が口を突いて出た。
冷静に考えれば一般市民、ましてや少年少女が出歩く時間帯ではないし、当然のことなのだが。
目の前の女にとっては当惑以外の何物でもなかろう。
何しろ、ここまで荷物を運ばせた当の本人がその役割を果たさずに帰ると言うのだから。
アバター
2017/03/31 10:17

[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

硬質なヒールがコンクリートの床を叩く。チャイナのスリットから覗く足は真っ直ぐ奥へ向かった。
東洋系の顔立ちをした白衣の女性は、荷物をその場に降ろすと後ろを振り返る。

『 ...博士、こちらの準備は整いました 』

滑らかな、公用語でない言語。それは西の方に訛りのある中国語だった。
チャイナドレスの上から白衣を羽織り、額にはゴーグルと纏まりのない服装をした女は続ける。

『 他の者はまだ到着しておりませんが...急ぐ様に連絡致しましょうか 』
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/31 00:45

[ 港町 廃倉庫 - ?? ]

硬質なヒールが、コンクリートの床を叩いた。チャイナドレスのスリットから覗く白い足は真っ直ぐ奥へ向かう。
東洋系の顔立ちをした白衣の女性は、荷物をその場に降ろすと後ろを振り返った。

『 ...博士、こちらの準備は整いました 』

滑らかな、公用語でない言語。それは西の方に訛りのある中国語だった。この街で、その言語は珍しくもないが。
チャイナドレスの上から白衣を羽織り、額にはゴーグルと何とも纏まりのない服装をした女は続ける。

『 他の者はまだ到着しておりませんが...急ぐ様に連絡致しましょうか 』
アバター
2017/03/31 00:39

夜 月が真上に昇っている 黒ずんだ雨がコンクリートを叩いている。

アバター
2017/03/25 13:00

【 幽霊駅 - クイーン 】

曇天の空から黒い雨が降り出した。
地に塗れた血を洗い流すかのように、とは到底言えない油の雫。
それを避けるように歩く女王は独りごちる。

「あァ、つまらない」

追いかけっこの報酬が紙切れ一枚とは随分と下に見られたものだ。
傘を忘れた女は建物に連なった軒下を歩いていたが、ふと時間がかかりすぎることに気づく。
いそいそと着ていたジャケットを雨合羽の代わりにして駆け出した。
冷たい外気に身を晒している趣味はないし、日の出の前には眠りたかったからだ。

【 ??? - ??? 】

ほぼ同時刻、某所にて。
しかめっ面の女が一人。
口をへの字に曲げてモニターを睨みつけていた。
だが、しばらくしてその行為を無為に感じたのか席を立つ。
人間にしてはやけに細長いシルエットが部屋を横切り、廊下へと。

「さてさて、坊ちゃんのお出迎えをしなくちゃ」

ゆったりとしたトーンで紡がれる言葉に込められた怒りを感じ取れる者はごく僅かだが。
数刻前に八つ当たりで蹴飛ばしたチェス盤は女が出てきた無機質な室内に散乱している。
それを見れば第三者でも十二分に怒りが理解できるだろう。
ごろりと転がったチェスの駒が彼女の足に当たってこつん、と小さな音をたてた。
アバター
2017/03/21 22:48

【 幽霊駅 - ??? 】

『 あ、こら待…………ッ―――― 』

ブツ、と小さな音がする。壊された通信機の周りを紫の眼がぐるり、と回った。
むき出しになった基盤の破損状態を見ると、その目は瞼を閉じる様に消える。

「 じゃあね、また会おうよ。〝女王サマ〟 」

その呼び方は、彼女には聞き覚えのある物だっただろうか。
ひらりとマントが翻り、その姿は完全に何処か闇へと溶け込んで行ってしまう。

そして、それを追いかけるひとりの男は静かに動きを止めた。
音もなく倒れこむ心臓には、深々と刺さったナイフ。
もうひとりは、猟銃の長いリーチが祟ったのだろう。
懐に入り込まれれば、すぐに彼は傀儡となった。掻き切られたばかりの動脈が激しく波打っている。

― 君には、随分と退屈な相手だったね。音のしない通信器。モニターの前の王は小さくそう呟いた。

***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/21 22:46
【 幽霊駅 - ??? 】

『 あ、こら待…………ッ―――― 』

ブツ、と小さな音がする。壊された通信機の周りを紫の眼がぐるり、と回った。
むき出しになった基盤の破損状態を見ると、その目は瞼を閉じる様に消える。

「 じゃあね、また会おうよ。〝女王サマ〟 」

その呼び方は、彼女には聞き覚えのある物だっただろうか。
ひらりとマントが翻り、その姿は完全に何処か闇へと溶け込んで行ってしまう。

そして、それを追いかけるひとりの男は静かに動きを止めた。
音もなく倒れこむ心臓には、深々と刺さったナイフ。
もうひとりは、猟銃の長いリーチが祟ったのだろう。懐に入り込まれれば、すぐに彼は傀儡となった。

アバター
2017/03/21 18:10

【 幽霊駅 - クイーン 】

女王が舞えば翻る白刃が彼らを追い詰めた。
だが、そのリーチは限りなく短い。
凶刃から逃れようとするなら身を引くだけでも十分なほど。
思わず舌打ちをしてしまうが、今回ばかりは仕方のないこと。
トラバサミから抜け出そうと足掻く餌を仕留めんと、線路に躍り出る。

「はいよ。王さまの仰せのままに」

そうは言ったものの、彼女に忠義などあるのだろうか。
同じ組織を率いる者として必要なことが欠けているとすれば、一つ。
自らの視点から邪魔だと判断すれば、リーダーであろうとも容赦のない部分か。

「それにしてもうるさいね。羽虫だってもう少しは静かさ」

徐に通信機を外すと地面に叩き付けた。
更にヒールの高い踵でぐりぐりと踏みつける。二度も。
そうして得られた静寂に満足した様子で、獲物を追いかける。
狩るは木偶の棒のような取り巻き二人だ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/21 18:09

【 幽霊駅 - クイーン 】

女王が舞えば翻る白刃が彼らを追い詰めた。
だが、そのリーチは限りなく短い。
凶刃から逃れようとするなら身を引くだけでも十分なほど。
思わず舌打ちをしてしまうが、今回ばかりは仕方のないこと。
トラバサミから抜け出そうと足掻く餌を仕留めんと、線路に躍り出る。

「はいよ。王さまの仰せのままに」

そうは言ったものの、彼女に忠義などあるのだろうか。
同じ組織を率いる者として必要なことが欠けているとすれば、一つ。
自らの視点から邪魔だと判断すれば、リーダーであろうとも容赦のない部分か。

「…まったくうるさいねェ。羽虫だってもう少しは静かさ」

徐に通信機を外すと地面に叩き付けた。
更にヒールの高い踵でぐりぐりと踏みつける。二度も。
そうして得られた静寂に満足した様子で、獲物を追いかける。
狩るは木偶の棒のような取り巻き二人だ。
アバター
2017/03/18 22:32
【 幽霊駅 - ??? 】

『 そうだ。〝心臓部は、逃がして置きたまえ〟 』
-ああ、おかしい。と通信機を通したノイズ混じりの声は続けた。何か思惑があるようだ。

対して此方、フードの三人。真ん中の人物だけがほんの少し冷静に、身を引いている。
背筋の凍るような笑みだった。此方もまた笑みを絶やさないがしかし動揺しているらしい。
「 御免だね 」

嘲るような声でそう呟くと、彼はマントを翻した。もう電車の走らない線路へ、軽やかに。
どうやら逃げるつもりらしい。遅れて二人も、その背中を追いかける。

相変わらず呑気な通信機の笑い声は続いていた。
『 ア、はは!! …猟銃に、…銀の弾丸、…ッはは、 』
その声を聞くに、子供のように笑い転げている相手の姿は容易に想像がつくだろう。

アバター
2017/03/18 21:49

【 幽霊駅 - クイーン 】

壁に、地面を穿つ銀の弾丸を眺めて喉奥でくつりと笑う。
そんなもので討つつもりだったのかと、冗談にすら思える。
彼らはあまりにも我々について無知だった。
それが罪であるならば、償わなければいけない。

「王の御前に、並べてやろうか」

目先に向けられた銃口に向かって鮫のような笑みを返す。
ふと男のマントから落ちた白いものが視界の隅に見えた。
紙片のようなものは頭上で交わされる言葉になど気にも留めず、ひらひらと。
耳元から聞こえる笑い声を忘れるほど、重要なヒントになり得るだろう事実を前に息を呑む。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/18 21:48

【 幽霊駅 - クイーン 】

壁に、地面を穿つ銀の弾丸を眺めて喉奥でくつりと笑う。
そんなもので討つつもりだったのかと、冗談にすら思える。
彼らはあまりにも我々について無知だった。
それが罪であるならば、償わなければいけない。

「王の御前に、並べてやろうか」

目先に向けられた銃口に向かって鮫のような笑みを返した。
ふと男のマントから落ちた白いものが視界の隅に。
紙片のように見えるものは頭上で交わされる言葉になど気にも留めず、ひらひらと。
耳元から聞こえる笑い声を忘れるほど、重要なヒントになり得るだろうものに息を呑む。
アバター
2017/03/18 13:49

【 幽霊駅 - ??? 】

ああ、面倒なことになったとフードの男は唇を静かに噛み締める。
両脇から滅茶苦茶に発泡される銀製の鉛玉。バカを連れているとこれだから大変だ、と
独り言を零しながら真ん中の男だけは獲物を抜かず、ひらりひらりと刃を交わすだけだ。

「 ……ここで片付けたかったんだけど。…引いておくべきかな 」

彼女から少しの距離を取る。男のマントから小さな四角い紙が舞い落ちたが、
彼はそれに気づく様子もなくただ彼女を観察するように睨めつけているだけ。
両脇の二人は撃鉄を起こすと、脅すように彼女の一寸先にそれを突きつけた。

相変わらず通信機からはケラケラとした笑い声が続いている。
『 どうするクイーン?殺すかい 』

***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/18 12:03
【 幽霊駅 - ??? 】

ああ、面倒なことになったとフードの男は唇を静かに噛み締める。
両脇から滅茶苦茶に発泡される銀製の鉛玉。バカを連れているとこれだから大変だ、と
独り言を零しながら真ん中の男だけは獲物を抜かず、ひらりひらりと刃を交わすだけだ。

「 ……ここで片付けたかったんだけど。…引いておくべきかな 」

彼女から少しの距離を取る。男のマントから小さな四角い紙が舞い落ちたが、
彼はそれに気づく様子もなくただ彼女を観察するように睨めつけているだけ。
両脇の二人は撃鉄を起こすと、脅すように彼女の一寸先にそれを突きつけた。

相変わらず通信機からはケラケラとした笑い声が続いている。
『 どうするクイーン?殺すかい 』

アバター
2017/03/17 19:05

【 幽霊駅 - クイーン 】

真っすぐに伸びた刃を宣戦布告とばかりに集団に突きつける。
その瞳、アンダルサイトの色が殺意を燃え上がらせ煌めく。
立場を逆転させた今が心底から楽しくて仕方がないと語る様。
目は口程に物を言う、とは諺も馬鹿に出来ないもので。

「さァ、少しは立場を判らせてやらないとね」

耳を劈くような笑い声を無視して、女は一歩踏み込んだ。
まるでステップを踏むかのように軽々しい歩調。
それでも振りかざされた変幻自在の刃が加われば、ただでは済まないことは明白。
アバター
2017/03/17 18:40

【 幽霊駅 - ??? 】

何、と見開かれた目はフードの下に見えず、端にいた二人の男が仰け反った。
そしてひとりの男は身を翻し、それを避ける。-その必要は、無かったが。
殊勝に刃を光らせる彼女を見ると、真ん中の男は感嘆とも取れる声を上げる。

「 ……そうか。僕らは君の縄張りに誘い込まれたってワケ 」

忌々しげな声がする。マントの下にある獲物に手をかけた。
端の二人は既にそれぞれの猟銃を構えている。まるで、得体の知れない獣でも狩るかの様で。

“それを見ていたキングにとっては、それが心から滑稽に見えた”
彼女の着けていた通信機から、ケタケタと愉快げな高笑いが聞こえる。

アバター
2017/03/17 18:13

【 幽霊駅 - クイーン 】

背後から迫る足音、目の前には煉瓦の壁。
追い打ちとばかりに嘲るような青年の声が聞こえた。
万事休すか、と誰もが思うシチュエーション。
だが、観念したように振り返る女の、そこにあるのは罠に落ちた獲物の顔ではない。

「チェックメイトだ」

勢いよく振り下ろされたブーツの踵を合図に。
足元で大人しく渦を巻いていた影が一斉に黒いフードの集団に襲いかかった。
しかし、彼岸の者ではない彼らをすり抜けるだけに終わる。
一時的な目くらましの役割を終えた影は次々と彼女の腕に巻きつき、その肌を変えていく。
闇が宙に溶けるようにして消えた後には、細腕を刃に変えた女王だけを残すのみ。
***このコメントは削除されています***
アバター
2017/03/17 18:12

【 幽霊駅 - クイーン 】

背後から迫る足音、目の前には煉瓦の壁。
追い打ちとばかりに嘲るような青年の声が聞こえた。
万事休すか、と誰もが思うシチュエーション。
だが、観念したように振り返る女の、そこにあるのは罠に落ちた獲物の顔ではない。

「チェックメイトだ」

勢いよく振り下ろされたブーツの踵を合図に。
足元で大人しく渦を巻いていた影が一斉に黒いフードの集団に襲いかかった。
しかし、それは彼岸の者ではない彼らをすり抜けるだけ。
一時的な目くらましの役割を終えた影が次々と彼女の腕に巻きつき、その肌を変えていく。
闇が宙に溶けるようにして消えた後には、細腕を刃に変えた女王だけを残すのみ。
アバター
2017/03/17 18:01

【 幽霊駅 - ??? 】

- 黴臭い場所。そして、湿気った地面。追い詰める足音。切れる息の短い音。
もう使われなくなった廃駅の、奥の奥。そこは袋小路だった。
ついに、彼らの女王を追い詰めた。後は、鼠捕りに掛かったそれを殺すだけ。

??? 「 …さあ、もう逃げられないけど。…どうする?」

にたァ、とフードの中から赤い唇が裂ける。青年の声は小さく木霊した。
黒いフードを被った人物が三人。中央の、要と思しき人物は饒舌に口を開く。





管理人
731
副管理人
華堂
参加
停止中
公開
メンバー公開
カフェの利用
24時間
カテゴリ
自作小説
メンバー数
10人/最大100人
設立日
2017年03月06日

Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.