オリチャ:八咫×
- 2016/01/09 12:27:42
投稿者:紅蓮狐 糾蝶
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☑管理人と誘さん専用トピックスです。
他の方のコメントはご遠慮させていただきます。
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まったく覚えていなかった。
とりあえず、口にしてみよう
「な、なんでもいいです」
そういえば、私が浴槽にいることでお風呂がつかえない...
彼はどうしているのか
「あ、あの!....お風呂にはいれませんよね?」
おどおど口調で聞いた
彼女に、もう何度この台詞を吐いただろう。
安堵と不安を綯交ぜにした表情で、八咫はそっと目をそらす。
「朝食は、何がよろしいですか?」
切り替えようと笑みを浮かべた。
彼女の瞳の奥を、決して見ないようにして。
伏し目がちに彼に言った
そして、ここにいさせてほしいという強い意志を込めた瞳で彼を見た
私にも人間みたいな足があれば...彼の役に立てるのだろうか...。
しかし、今は昨晩とは状況が違う。
男は慎重に言葉を選ぶと、視線を逸らしながら長ったらしい前髪をかきあげた。
「……貴女は、ここに居たいのですか」
背中にあたる朝日がポカポカと自分の体温を上げている
あのっ...と言う言葉を発してから数秒後に
「.....わ、私は...ここに居ていいのでしょうか...」
と俯きながら言った
でもそれが許されなくなる。
ここから出ることの出来ない彼女は、自分が居なくなれば死ぬのだろうか。
ふと沸いた邪な思いに縛りつけられる。
しかし、それを振り払うように薄く笑みを貼り付けると、
「驚かせてしまってすみません」
換気扇のスイッチを入れ改めて彼女に挨拶を返す。
おそるおそる振り向くと昨日の彼が立ってた
まだ目が覚めきっていない瞳をこちらに向けていた
すこしためらいがちに「おはよう...ございます」と言った
……今は何時だろう。
時計を確認することすら面倒で、重い瞼を閉じてしまいそうになる。
寝る前の記憶が酷く曖昧で、ついぞ着替えないまま眠ってしまった。眉間にシワを寄せ、やっとのことで身体を起こすと、背骨がボキボキと不健康な音を立てた。
朝風呂でも入ろう。
そう思い、一階に降りた先で――無造作に風呂場の戸を開けた。
……今は何時だろう。
時計を確認することすら面倒で、重い瞼を閉じてしまいそうになる。
寝る前の記憶が酷く曖昧で、ついぞ着替えないまま眠ってしまった。眉間にシワを寄せ、やっとのことで身体を起こすと、背骨がボキボキと不健康な音を立てた。
朝風呂でも入ろう。
そう思い、一階に降りた先で――無造作に風呂場の開けた。
輝く星たちの輝きは薄くなり朝日が窓から降りそそいでいた。
小さな声とともに大きくけ伸びをした。
ふぅと息を吐くと朝の空気が全身を起こすように体中に廻った。
遠い昔、人魚は船乗りたちを惑わせる魔物と伝えられてきたらしい。
……あながち、間違いでもないのかもしれない。
軋む脚に鞭打って立ち上がると、フラフラ覚束無い足取りで二階へと続く階段を登る。
今日はこのまま寝てしまおう。
自然と出てきた歌詞はどこか懐かしく思えた。
しばらくの間夜空を眺め再び水に勢いよく潜った。
(私も人間になれたら...)
水以外の外に行ける。
水の中しか知らない世界。
もっと広い世界を見てみたい。
右手を伸ばし夜空にきらめく宝石を握ろうとした。
決して届かない空に
目を閉じたまま、深い水底へと落ちていくように。
顔を上げる。
一瞬、携帯電話の呼び出しがかかっているのかと思った。
立ち上がろうとした姿勢で固まり、しれず耳を澄ます。
それは歌だった。
長らく聞いていなかった音楽というもの。
それは自然と胸に染み込み、失った何かを呼び戻してくれるようで。
彼の背中を見送るとくるりと向きを変え小さな窓に手をかけ身を乗り出した
なんて綺麗な空なの...まるで小さな宝石の粒をあたり一面にちりばめたみたい
宝石の輝きを邪魔する光はなく
漆黒の闇にいくつもの宝石の粒がキラキラと輝き彼女の心を弾ませた
自然と喉から歌が出てきた
か細く透き通るような声で時にやさしく悲しく
月明かりに照らされる彼女の姿は舞い降りてきた天使の様だった
彼女が答えた瞬間、パチンと音を立てたスイッチは浴室から光を奪った。
白い月光は水面を照らし、ゆらゆらと揺れる。
男はそっと戸を閉めた。
おやすみなさい、と告げる。
そして静かに、戸に背中を預けて寄りかかる。崩れ落ちて膝を抱えれば、深く長いため息と共に、子供みたいに顔を伏せるのだった。
あまりこの世界の言葉は分からないが彼の目線でなんとなく察した
そして、消してくださいと言った
暗いのはあまり好きではないがお風呂場の小さな窓から見える夜空は綺麗だ
少し眺めていたいと思い言った
茶器を片してトレイの上に重ねると、立ち去り際に男は尋ねた。
もし目を閉じるなら、明るいと眠れないだろう。
かと言って寝もしないのに暗いのは良くないだろう。……人魚のことはよく知らないが。
シュンっとあからさまに眉を下げる
仕方がない彼にも彼の事情がるのだろう
「わかりました...」
小さく返事をして水の中に潜った
……どうしたものか。
服を着たまま風呂椅子に座って脚を組むという、実に滑稽な姿勢のままで心なしか男は肩を竦めた。
くるり、とカップの中を回す。
そして紅茶を一息に飲み干してしまうと、立ち上がって彼女を見下ろした。
「すみません、まだ仕事がありますので……何かあれば呼んでください」
そう言えば何も食べていない気がする...が自分が何を食べていたのか思い出せない
むしろ食べなくてもいいのかもしれない
「ん?お腹ですか...そうですね...わかりません」
首をかしげながら答えた
「……いえ、わたしはまだ平気です」
ソーサーにカチャリと音を立ててカップを置いた。
まだ半分ほど残っている赤茶色の水面には、一点の曇りもない。
「お腹は空いておりませんか?」
そう答えた
寝てしまえば彼がいなくなってしまうのではないかとおもった
私にやさしくしてくれた人
傍にいてほしいとい感情が芽生えた
初めての感情で自分でも説明ができない
「あ、あの...眠いですか?」
自分の発言でヶれが困っていないか心配になった
なんだか変な感じだ。
いや、最初から全て可笑しいことだらけなのだけれど。
変わらぬトーンで返した声と同時に、カップの中身を飲み干した。
「そろそろ、お休みになりますか?」
男は少女に尋ねた。
ここに時計は無いが、宅配便が来た頃、既に11時を回っていた。
こんな夜遅くに、普通宅配など来ないはずだが……やはりこれは夢なのだろう。
やっと人の目が見て話せる!!!
これほど嬉しいことはなかった。人の目を見れないせいで不快にさせてきたことは数々あった
嬉しくてうれしくて笑みがこぼれた
濃い紺色っぽい紫っぽい髪が少し明るくなった
まるで夕焼けの終りみたいに
勘違いとしらずに
少し喜びに浸っていると彼が質問してきた
休むところ...
「....そうですね...ここで大丈夫です。...私にも足があればいいのですが...」
と、少し悲しそうに言った
仕方がない私は水で生きることのしできない生き物だもの
しかし、八咫は彼女の顔を見てはいなかった。
「…………そう言えば、どこでお休みになりますか?」
ふと気になったので尋ねてみた。
水に入らねば鱗が乾いてしまうのだろう、ならば布団で寝るというわけにはいかない。
やはり人魚は水の中で眠るのだろうか……?
頭の中でその言葉が何度も繰り返された
手厚く歓迎?されたのがよほどうれしかったのだろう
満面の笑みで「ありがとう」と言った
藍色の髪がかすかに揺れた
思わず彼の瞳を見てしまった...大丈夫だろうか?
男は驚いたように微かに目を見開き、すぐにいつもの無表情になって答えた。
落ち着いた声音は広い浴室に淡く反響する。
どこも見ていない視線は、ただ虚空を見つめていた。
ぼそぼそと俯き加減で彼に聞いた
上手く彼の顔を見ることができなかった
暖かいマグカップを両手で持ち暖かさを再び感じた
未だに夢見心地で、ふわふわした感情が宛もなくどこかをさまよっている。
「…………どうかしましたか?」
椅子に腰を降ろし、ふと、自分の紅茶に口を付けようとして視線を感じ、顔を上げる。
と今までに見せたことない笑顔を彼に向けた
....えーと
私ここに居させてもらえるのかしら
と、笑顔を向けつつ冷や汗ダラダラな私...。
俯いたりこちらを見たり、挙動不審に振舞う彼女に知れず、苦笑らしきものが漏れた。
「……そうですか」
良かったです
意識して柔らかい笑みを浮かべる。重ねられた手に驚きつつ、特別跳ね除けたりするわけでもなく、今日、何度目かになる言葉を返した。
そのせいか声が裏返り変な声で「大丈夫です」といってしまった
顔から火が吹き出しそうなくらいに真っ赤になった
(ち、近いいい...)
彼の方を軽く見て再び俯いた
なにか違う話をしなければ...でも何をはなそう
お風呂がすごく広いですね?とか?
ああああ違うじゃない...この紅茶おいしいです。ありがとうでしょ...。
お礼言わないでどうするのよ
自分のもっているカップをふちに置き彼の手をいきなり握って
「あ、ああ有難う御座いましたっ。と、とてもおいしいです。」
と慌てたように早口で言った。
彼女の手は冷たい氷の手から少し暖かみを取り戻したか用にほんのりと暖かかった
自分も風呂場の椅子を引っ張り出して腰を下ろしたところに、彼女の声が浴室にこだました。
普通の家よりも遥かに広い風呂場は、ここでダンスパーティーとまではいかないがバーベキューくらいは出来てしまいそうだから恐ろしい。
「すみません……火傷、していませんか……?」
再び腰を浮かせ、ティーセットを浴槽の淵に置いて彼女の傍に寄る。
と発してから彼が持ているコップを受けとった
その時に彼の手と自分の手が重なった
自分の手は人間の手ではない
少しお風呂場の温度が下がった気がした
コップに口を付けて飲もうとしたが...思った以上に厚く「アツ」と大きな声で
発してしまった
当たり前だ、けれど飛び跳ねるほど驚いて、危うくポットをひっくり返してしまうところだった。
激しく鳴る鼓動を抑えつけるように深呼吸して慎重に熱湯を茶葉の上に注ぎ込んだ。
あいにく、紅茶愛好家ではないため正しい淹れ方が分からない。カップを予め温めておくのだっただろうか……記憶が定かでない。
そんなこんなで出来上がった紅茶セットを銀のトレイに載せて浴室に戻った。タイルに触れる足裏が冷たい。
「お待たせしました」
お茶いい香りがだよってきた
私の好みのお茶の匂いかもしれない
と、胸を踊らせながらまった
私がここに来た意味はなんなのだろう
きっと何かの運命なのか‥‥
ほんの少し居心地が悪くなって、浴室を後にした。
瞬間湯沸かし器に水を注ぎ、ティーカップセットの収められた棚の前に立つ。
努めて彼女の正体について考えないようにしながら、お気に入りの陶磁器を慎重に取り出した。
アッサムティーの缶を開け、慣れた動作でティーポットにサラサラと茶葉を入れる。
寝床はどうしたら良いだろう。
そもそも、いつになったらこのタチの悪い夢は覚めるのか。
少し、不安だった。
それに気付き自分までも頬があつくなった
「‥‥あ、はい」
と、また小さく呟き水の中にぶくぶくとはいった
綺麗な水だ
少しの間潜っておこう、かれがもどってくるまで
……笑わないのだと思っていた。
年相応の笑みは、彼女によく似合っている。
けれどその直後に、しょぼくれた顔をしたのが面白くて、ついこちらも頬を緩めた。
「……何か、温かいものでも飲みますか?」
ともすれば、鼻の先が触れ合ってしまいそうな距離で、触れられた頬が熱を持つのが分かる。
内心、動揺しながら柔らかく尋ねた。
それを隠すように身体を離し、またジャケットを脱いで彼女の肩にかけてやりながら立ち上がった。
思いっきり笑ってしまった
そしてまた心配そうに「...ごめんなさい」と呟いた
尖ってる耳はシュンと垂れ下がり瞳は彼を見ていた
そしてお風呂場のふちに手をかけ彼の顔の目の前に顔を近づけた
彼女の瞳と彼の瞳が重ならない程度に
そしてまたぼそっと「寒いです」と恥かしそうに言った
自分の手で彼の水滴をふき取った
もちろんその防御は紙同然で、髪の毛や顎、ジャケットとベストまで満遍なく水を浴び、雫を滴らせていた。
しばし何事かと硬直していたが、目に入った水を袖で擦って拭い取る仕草は妙に子供じみていてチグハグだった。
それから、髪についた水を頭を軽く振って払う。
申し訳なさそうな顔をする彼女に特に何も言わなかったが、眉を下げて困ったような視線を向けた。
暗い表情が一気に明るくなった
水を肌から吸い上げ綺麗な透明感がある肌へ変わっていった
そして勢いよく尻尾を跳ね上げて上半身へ水をかけた
その勢いが強すぎたのだろう
彼に思いっきり水をかけてしまった
「あ。」
しまったという顔をした
はしゃぎすぎたと後悔した
頭が考えることを放棄しているのが分かる。
……どうしろと言うのだろう。まったく、酷い夢だ。
「おっと……」
腕の中で少女が身じろいだ。危うく取り落としてしまいそうになって、慌てて抱えなおす。
そして、毛布が濡れてしまわないように外しながら、そっと少女を浴槽へと浸してやった。
「‥‥はい。大丈夫です。」
と、小さく答えた。
とは言ったものの冷たすぎるのはと少し考えてもみた。
そんなことを考えてるうちにお風呂場についたようだ。
ドア越しから冷たい水の冷気がサァーと身体を覆う。
そして、早く入りたいのだろう、自らの手でドアをガラッと開けた。
落ちそうになるもなんとかバランスをとりもどした。
「‥‥お水!!!」
少しはしゃぐかのような声を出した。
何か聞き返す前に逸らされてしまったから、きっと深追いしないほうが良いのだろうと思った。
「……水、冷たいままで大丈夫ですか」
少女の発言と相まって、人魚は水に浸かるものだと思い込んでいたが、冬場に冷水に浸かるなど人間だったらショックで死んでしまうかもしれない。
浴室の扉を肘で開けながら、思い出したように尋ねた。
幸いにも直接肌を触れないでくれていることに少し安心した。
触れられるのはあまり好まない。と言うか少し苦手だ。
はじめてこの人に会ったのだけれどこの人には感情があまりないのね‥‥。
したから見上げると彼の綺麗な顔が視界にうつった。
少しの時間ぼーっと見つめてしまった。この瞳さえ無くなれば‥‥惑わすだなんてそんなの望んでない。
涙がでるのを抑えるかのように下を向いた。
水音が近づいてきた。
尖った耳先をピクピク動かしながら顔を水の音がする方向へと傾けた。
「‥‥」
先ほどの暗い顔から一気に生気をとりもどしたかよな明るい表情にかわった。
だが、その表情の変化もわかりずらいものだが。
花なんて、もうずっと家に飾っていない。
「…………失礼します」
彼女の無言の訴えを察したのかは自分でもよく分からなかったが、床に放られたジャケットを拾い上げて袖を通すと、毛布で再び裸体を包んで、断りの一言と共に掬うように抱き上げる。
思ったよりも軽かった。
いったい、どのくらいの重さを想像していたのか自分のことながら定かで無かったけれど。
決して目は見ることはない。
起き上がりお水がでるとこはどこ?と聞こうとした。
綺麗な髪がサラサラと彼女が動くたび椿の香りがフワッと漂った。
「‥‥」
無言のまま彼に連れてってと言ってるような図々しい空気ができてしまった。
本人は無自覚だが。
決して目は見ることはない。
起き上がりお水がでるとこはどこ?と聞こうとした。
綺麗な髪がサラサラと彼女が動くたび椿の香りがフワッと漂った。
もし、外に出たいというなら止める気は無かった。
だって、彼女のことなんて一つも身に覚えがないのだから。
恐らく外に出れば、好奇の目に晒されるだろうが――それは、この屋敷から出られない自分には、関係のないことだ。
「……ここに居ましたか」
そうして、ようやく緩慢な足取りで追いついた先に、寝そべる人魚を見つけて独り言のように声をかける。
男は、少女の裸体を見ても無表情を崩さず、何も感じていないようだった。
進むことを諦め肩にかけていたジャケットと毛布をバサリと床に落とした。
そして仰向けになり目をつぶった。
冷たい床が直接肌にジワリと伝わってくる。
(お水の音‥‥懐かしい音)
手を大の字に身体全身で音を感じ取った。
あらわになった二つの膨らみは隠されることはない。
「‥‥ほんと、ここはどこなの?」
ポツリ呟いた。
本人は気づいていないが案外近くにお風呂場があることを…。
少し微笑み薄らと瞳をあけた。
シャンデリアの輝きが辺り一面を照らしまるで太陽の真下にいる気分だった。
もっと、この髪が綺麗だったら私もこんな綺麗な場所に堂々といれるのかな。
……もう何が何だか分からない。
どうにでもなれ、と思った。
「……おや」
廊下に出ると、彼女の姿が無かった。
けれど足元には、キラリと照明に光る鱗が道しるべのように落ちていて、その一つを拾い上げる。薄いが、確かに魚が持っているような鱗だ。
……人魚。人魚の扱い方なんて知らない。
彼らが住んでいる場所も、森の中の泉だったり大海原の片隅だったり、いろいろだ。
ひとしきり眺めれば、煌く欠片をベストのポケットにしまう。
そして、何の気なしに剥がれた鱗の作る道を歩いていった。
彼を再び見送った。
少しすると水の音が聞こえてきた。
落ち着く、水の音が弾けるとと流れる音、私の好きな音。
早く入りたい。
その思いだけが強かった。ズルズルと重たい体をひきずり音のする方向へ向かった。
ズキズキと床と擦れるたびに身体は悲鳴を上げた。
「ここは、どこだろう」
広い家をほふく全身で進む人魚。
何という奇妙な光景だろうか。水の聞こえる方へきたつもりなのに…。
)
了解です(⃔ ・ᴗ・ )⃕
すぐに逸らされた目線について、何か思うことは無かった。
雄武返しにして小さく首をかしげる。パルマの髪が揺れ、長い前髪で片目が隠れた。
けれど、床に落ちた鱗を見て彼女の言葉の意味をやっとのことで理解する。とりあえず、持ってきた毛布をジャケットの上から更にかけてやり、再び廊下の奥へと消えた。
冷たい風呂場の扉を開くと、冷気が脱衣所にまで突き抜けてきて寒気がする。靴のまま、浴室のタイルに踏み入れて蛇口を捻った。
栓をしてしばらくぼんやりと波打つ水面を見ていた。勢いよく注ぎ込まれる水音を聞きながら、未だに夢が覚めないのを不思議に思っていた。
((
そのまま、水に浸かってもらったあとお茶を持ってこようかと思っていたのですが……
それにわ優しい言葉までもかけてくれた。
「い、いえ。」
一瞬交わった視線…
いけない私の目は____。パッと慌ててそらした。
そして、俯きながら「お、お水に入りたいです」と蚊の泣くような声で発した
よく見れば怖いた鱗が少し剥がれ落ちていた。
)
お風呂場でどうしますか??
了解しました!(`ω´)
埃臭くて適わないが、無いよりはマシだろう。
下の方から数枚の毛布を引っ張り出して彼女の元へと戻ってくると、
「…………どうかしましたか?」
こちらをぼんやりと見つめている淡い紫色の瞳と視線が一瞬交わった。
((
ひええ恐れ多いです;;;;;ありがとうございます;;;;
ありがとうございます!
分かりました、とりあえずお風呂場ですかね……
その通りです!
どうしましょうか……でももう少し二人の関係が煮詰まってからでも良いような気はしますよね……
ジャケットに腕を通し奥へ消えて行ってしまった彼をボーっと見つめた。
私にやさしくしてくれた人は初めてな気がする____。
薄暗い廊下に一人残された私は彼の後を追いかけようか迷った。
だがその考えはすぐに消えた。
人間のような足がない。歩けないのだ。
少し乾いた鱗が床と擦れズキッといたんだ。
(お水に入りたい...)
(
素晴らしいロルで勉強になります^^
全然かまいませんw
水に入れるようにしてもらえればと思います
ちなみに、キス(人間の足にするため)は、どういう感じでいきますか?
人魚はキスで足になるって知らない設定ですよね?
告げられた言葉を前に、いまさら顔色を変えることはしなかった。
そうですか。と返した声はやけに無機質で、無感情で。
八咫と名乗った男は、緩慢な動作で立ち上がると、震える少女の肩に自分の着ていたジャケットをかけてやる。
それから、空になった発泡スチロールを階段の横へと無造作に放って廊下の奥へと消えた。
((
いえいえ!私もまだまだ未熟なロルで……
んー、とりあえずゆっくりお茶でもと思っていたのですが、ご希望のシチュがおありでしたらお申し付けくださいませ✿
カタカタ震える肩を必死に両手抑えた。
彼女でさえ、自分はどこから来て何故ここにいるのか分からないのだ。
知らない世界に知らない人。不安の文字が脳内をグルグルまわってた。
名前すら分からないなんて‥‥
)
すみません
下手くそすぎて‥‥(><)
これから、どうしますか?
怯えたように後ずさるのを魂の抜けたような目で見つめながら、
「…………貴女は、何なんです」
彼女の謝罪を無視して、こう尋ねるほか無かった。
彼の手に力を込め握った。
起き上がりたいのに力が入らない、力を振り絞りまた彼の手に力を込めた。
うまく力がはいらないせいかバランスを崩し鈍い音を立て床にゴトンッと倒れ込んだ。
シャンデリアの輝きのせいか…ダイヤモンドのような肌は白く輝き黒でもない紺でもないかみは彼女の胸元をうまく隠している。
それを気にすることもなく彼女は上半身を起こした。
彼の瞳を見ようとせず慌てて彼の手を離した。
「あ…あの。ご、ごめんなさい」
名前をいって謝りたかったのだが言えなかった。なんで私はここにいるの?
大きく肩を震わせ彼から少し距離をとった。殺される?見せ物のように扱われる?
ゆっくりと目を覚ました少女を呆然と見つめる。
まるで喉を奪われてしまったようだ。話すことはおろか、声を出すこともできなかった。
問いかけから、どれほど時間が経っただろう。ほんの一瞬か、それとも数時間も経っていたのか、分からなかった。
「…………八咫、と言います」
絞り出した声は、自分でも驚くほど掠れている。
――見蕩れていたのだ、彼女に。
まるで、人魚のような姿をした少女に。
伸ばされた手に、自分の手を伸ばして触れる。
互いの手は、死人のように冷たかった。
シャンデリアの明るさを求めるかのようにすがるように
ぼやけていた視界もはっきりと見え始めやっと男であることを確認した
「...あ、あぁ。」
上手く呂律が回らなかった
何度か言葉にならない声をはっした
やっとの思いで言えた言葉は「だれ...」何故私はここに居て冷たい氷の中にいたのか
狭い発砲スチロール中は冷たく暗い
闇の世界から救い出してくれたあなたはだれ____________と
少女が目蓋を開けた瞬間、男は大げさに肩を震わせる。
思わず手を離して、尻餅を付いていた。
だんだん雰囲気に飲まれそうになっていた意識がハッキリしてくる。
彼女いったい誰だ?これが宅配便?どうして、誰が……。
どれもこれも身に覚えがない。悪趣味な悪戯にしては手がこみ過ぎている。
しかしその直後、男はもっと驚愕した。
濃い白煙と氷に覆われていた彼女の下半身が顕になる。
魚のような鱗にオレンジ色をしたシャンデリアの照明がキラリと反射した。
――人魚
その二文字が、漠然と頭を過ぎった。
その瞬間分厚い氷が鈍い音を立ててピキピキと割れはじめた。
そして溶けていく氷が彼女の身体へと吸収されていった。
「.....ん...」
重たい瞼を上げると知らない天井に知らない顔が目の前にあった。
視界がはっきりとせず男かも女かも分からない。
私はいったい__________意識が....いや...もう暗い所にもど..り..たくな..い。
冷気を纏った水蒸気が、水に触れたドライアイスのように白煙を吐き出している。
そして目を疑った。
固まって白く煌く暗い色の髪は、作り物のように綺麗だった。
凍った長い睫毛に目を惹かれた。
……氷の柩。
そこに眠る少女は、まるで死んでいるかのように〝美しい〟
息を呑むのも忘れて、引き寄せられるように白い頬へと手を伸ばした。
女みたいに細い指先が、目尻をそっと撫でる。
冷気を纏った水蒸気が、水に触れたドライアイスのように白煙を吐き出している。
そして目を疑った。
固まって白く煌く暗い色の髪は、作り物のように綺麗だった。
凍った長い睫毛に目を惹かれた。
……氷の柩。
そこに眠る少女は、まるで死んでいるかのように〝美しい〟
息を呑むのも忘れて、引き寄せられるように白い頬へと手を伸ばした。
女みたいに細い指先が、目尻をそっと撫でる。
(早く出たい。寒いのはいや。)
何度も何度も叫んだ。助けてほしい。寒い。暗い。怖い。
動かない身体を動かそうとするが動かない。体が言うことを聞いてくれない。
黒でもない紺でもない紫色でグラデーションされた髪の毛は氷を纏い余計美しく見えた。
両手で胸元をクロスしまるで生きたまま氷づけにされたように綺麗な顔で眠っている。
上で見たときから思っていたが、何故だか酷く怯えているようだ。
本当は靴箱の引き出しに入っているのだが、またわざとゆっくり印鑑を探しに行ってやろうかとして、止めた。二人の形相がいよいよ必死で、何やら尋常ではない。
あまり関わりたくないな、などと他人事のように考えるのだがあいにく宅配の荷物は自分宛に届いたものだ。
「………………、」
黙って印鑑を押して大きな発泡スチロールを受け取る。持ってみればなるほど、かなりの重量があって一人で持ってくるのは一苦労だ。箱の中の振動が伝わってきて、流石に何事かと怪訝そうに眉を顰める。
逃げるように去っていった二人組を見送り、ひとまずは家の中へと退散した。
1、2歩進んで発泡スチロールを床に下ろした。重くてとても2階まで持っていけそうにない。
長い前髪を耳にかけ、しゃがみこんで〝生モノ〟と書かれたシールを指でなぞった。それから、ベリベリと音を立てて封をしているガムテープを剥がす。
ひと思いに蓋を開けようとして躊躇う。……中に入っているのは魚だろうか。
それにしてはやけに重かった。
先ほどの若者の一人が、冗談で人間でも……と話しているのを思い出す。
「……まさかね」
使い古された言葉を吐き、我ながら呆れつつ、男の細い指はそっと、蓋を開けた。
「人、いたんすね...」と引きつり笑いで上司とみあっている
御届け物です。印鑑をお願いします。と恐る恐る家の主人に話しかけた
重たそうな荷物を無理やり彼に預け目で早くしろと訴えている
渡したときにごそっと中で何かが動いた
音とともにヒィっとあからさまにビビッている
そして目を合わせることもなく自身が乗ってきたトラックへと逃げ帰った
))
了解しました
宜しくお願いします
夜の8時にもなるというのに来客があったことにまず驚いたが、モニターに映し出される宅配物に全くと言っていいほど身に覚えが無かった。
しかし立ち去る様子も無いし、もう何度聞いたか分からないような会話をしているのは不快を通り越して面白くもあった。
またお得意の怪奇現象で脅かしてやろうかとも思ったが、あいにくそういう気分ではない。
「……いま行きます」
インターホンに勿体ぶってようやく答えれば、ため息混じりに2階の私室を後にした。
歩けば埃の舞う階段をゆったりと降り、ギシギシと軋む廊下を歩いていく。ドアホンは家中に響き渡り、家主を急かし続けている。
そうして、やっとのことで玄関までたどり着くまでに5分はかかったかもしれない。
ドアにかかった鍵を順に外し、重厚な両開き戸をそうっと開いた。
((
1コメありがとうございました!
大丈夫です、とても良かったです。
それではこれからよろしくお願いします。
大きな発泡スチロールに生ものと書かれたシールが張られている。
二人組の男が重たそうにそれを抱えていた。彼らの服装はみたまま宅配会社の服装だった。
帽子には『化け猫ヤマト』の模様が入っている。
「ここ、でるらしいぜ...」「え..何がっすか」「幽霊だよ...!!!」と、誰かかから聞いた噂話でこの家の住人が出るのを
今か今かと待ち構えている。男二人がかりでやっとの大きな荷物はずっしりと重く、宅配会社の一人は冗談交じりに「死体でもはいってるんじゃねーのか?」とケタケタ笑ながら話していた。
中々この家の住人が出てくる気配がないのでもう一度ベルを鳴らした。
時刻はもう夜の八時を迎えるころだった。
______
こんな感じでいいのでしょうか.......