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フォーチュンクッキー

ほんとうに気まぐれで更新になると思います。
それをご承知で読んでください。

フォーチュンクッキーって知ってますか?
アメリカの田舎町のレストランでよくだされるサービスクッキーで
中におみくじが入っているものです。
今回はフォーチュンクッキーにまつわる物語です。
例によって原文からはかなり脚色した内容になっています。

ジェイクモローはサンフランシスコのダウンタウンにあるオフィスで働いていた。
チャイナタウンの近くで一人で住んでいたので、毎週月曜日と木曜日は
ゴールデンドラゴンで夕食を食べていた。
そこは中国系アメリカ人の家族が経営していた。
しばらくすると家族全員が彼の名前を知るようになった。

一番上の娘はウエイトレスとして働いていた。
美人というわけでもなく、分厚いレンズのメガネをかけていた。
仕事柄かいつも彼に愛想よくしてくれた。

ある日ジェイクは自己紹介をした。
「はじめましてジェイクです」
「はい、知っています。私はメイ・リンです」
「何がおすすめですか」
「スパイシービーフとブロッコリーがおすすめです」

食事が終わると、勘定書とフォーチュンクッキーをもってきた。
ジェイクがクッキーを割っておみくじを取り出して見た。
「あなたの夢は実現するでしょう」と書かれた紙が入っていた。
彼のおみくじはいつも同じで
「長生きするでしょう」とか「勤勉が成功の鍵です」というものだった。
彼はにっこり笑っておみくじを灰皿に捨てた。

ジェイクの生活はほとんど変化がなかった。
仕事は退屈で恋人もいなかった。さみしいと思うこともあった。
オフィスには何人か好きな人もいたが内気すぎてデートに誘うこともできなかった。
いつものようにゴールデン・ドラゴンに夕食に出かけた。
もう1年になろうとしており、メニューにある料理はすべて知っていた。
食事のあと、いつものようにメイリンは勘定書きとフォーチュンクッキーを持ってきた。
ジェイクはクッキーを割っておみくじに目を通した。
今回はいつものとは違う紙で、違う言葉が書いてあった。
「あなたの真実の愛はすぐ近くにある」
ジェイクはこの言葉が気に入った。
本当の恋をしたいと思っていたので、これは当たって欲しいと思った。
だが少し変であった。
nearのスペルが違っていた。neerと書いてあった。
「メイリン、このおみくじを見てごらん。nearのスペルが違ってるんだよ」
「ほんと変ね」
ジェイクはこのおみくじを捨てずに取っておくことにした。


つづく




管理人
こぐまのくまくま
副管理人
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参加
受付中
(管理人の許可が必要)
公開
全公開
カフェの利用
朝10時~夜24時
カテゴリ
仲間
メンバー数
57人/最大100人
設立日
2010年03月29日

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