第901特殊武器防護隊
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/07/06 21:24:13
夜半から降り出した雨は
朝になっても止むことはなく
銀糸のように視界を遮っている。
「よう。知っているか、今日納品されてくる代物。」
横で煙草をふかしているヒゲヅラが意味ありげに視線を投げかけてきた。
「いや、まったく。重要機密と聞かされている。詮索する気もない。」
くくくっと紫煙を吐き笑い、...
夜半から降り出した雨は
朝になっても止むことはなく
銀糸のように視界を遮っている。
「よう。知っているか、今日納品されてくる代物。」
横で煙草をふかしているヒゲヅラが意味ありげに視線を投げかけてきた。
「いや、まったく。重要機密と聞かされている。詮索する気もない。」
くくくっと紫煙を吐き笑い、...
ご無沙汰しております、葉月でございます。
お久しゅうございます御前様。
いえ、そのままで結構です
起き上がられてはお身体に障りましょう。
え?
あら、失礼致しました。
大分良くなられたとはお聞きしていましたが、
ふふっ、御前様は変わられませんね。
こちら宜しかったらお召し上がり下さい。
向島で...
「いや勿論いいおんなだとは思うが、
手を出したら紹介状も無しに暇を出されかねない。」
「それもそうだ。一件以前の連中は扱いが違うからな。」
銀器を磨きながら
あいつらはまた下らない話に夢中になっている。
「新しく入ったランドリーメイドはどうだ?
口が利けないことを除けばあれは上玉だぞ。」
「...
「あぁ、もういやんなっちゃう。」
「すみません、遅くなってまだ食べるもの残ってます?」
使用人ホールに慌ただしく入って来た2人に、
殆ど食事を終えていた先輩ハウスメイドが席を譲り
外の様子を尋ねた。
「そうなのよ。酷くなる一方で、これ以上降り続いたら
今に屋敷から一歩も出られなくなるわ。」
...
どうか
君の記憶の私は
いつも幸せそうに笑っていますように。
君とは仮想の街で出会い
仮想の魚を釣り、仮想のゲームを楽しみ
幾巡かの季節を過ごした。君は自分自身のことあまり話さないし
私もあえて聞こうとはしない。
それは二人の暗黙のルールみたいなもので
『そんなことを確認せずとも楽しい時を過ごせる。...