Nicotto Town



雨に香る銀木犀-色鉛筆series-

君が望むまま
引かれて歩いて来たら
見知らぬ道に迷いこみ
晩秋の花の香りに惑わされた。

雨に濡れながらも
未だ飽きることなく歩く君を目に
私は香りの源を探したくて
君の望む道とは違う方向へ足を進めた。

やっとみつけた。
今度は晴れた日に来よう
君もまた一緒に、ね。

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霜の降りたキャベツ畑-色鉛筆series-

眼前の景色が信じられなかった。
確かうとうとし始めた時には
バイパスを走っていた筈なのに。

「ここ、どこ!?」

いつか連れてくるって言ったべ
ここは朝が一番綺麗だ
それも寒いけど冬の朝が特に...

いやいやいや。
そんなことを聞いてるんじゃ、なく、て...?

うーわー、本当に綺麗!!
朝陽が...

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メープルシロップ-色鉛筆series-

先生の家は
どこか浮世絵離れしていて
時間の進み具合が下界と違う気さえしてしまう。

戸棚に並んでいる先生お気に入りの洋書も
ノスタルジックな音をたてている柱時計も
そう、家中ほのかに香るこの甘い香りも
何もかも異世界を思わせる。

先生、起きて下さい。
もう昼ちかい刻ですよ。
台所にオーツ麦のポリ...

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ほろ酔いのピーチフィズ-色鉛筆series-

あれ?
めずらしいね、今日は烏龍茶じゃないんだ。
呑めない訳じゃなかったんだ。

いつも酔っ払い相手に聞き役に徹してる
呑めないと思っていた彼女が
今夜は綺麗な色のグラスを傾け頬を染めていた。

たまには、ね。
こんな時くらいは、ね。
いわくつきのピーチフィズでね。

少し酔っぱらっているらしい、
...

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ナイチンゲールの歌声-色鉛筆series-

歌声が聴こえる。
ひどく懐かしい曲だ。
遠い故郷や、故郷に残してきた大切な人達を思いだす。

やわらかな優しい歌声
これは誰が歌っているのだろう?
この怪我さえなければ、すこし顔をあげて確かめられるのに。

明日の朝、
誰かに訊ねてみよう。

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