水面に波紋が広がる。
ふと見上げると銀色の瞳がこちらをみつめている。
無表情のその妖精は僕を見透かすように
じっとこちらを窺っている。
その刹那、西風が舞い
帽子を飛ばされそうになった僕の注意が逸れた瞬間
いつの間にか妖精は姿を消していた。
無機的な銀色の瞳が
酷く印象的で僕は永い事忘れることが...
水面に波紋が広がる。
ふと見上げると銀色の瞳がこちらをみつめている。
無表情のその妖精は僕を見透かすように
じっとこちらを窺っている。
その刹那、西風が舞い
帽子を飛ばされそうになった僕の注意が逸れた瞬間
いつの間にか妖精は姿を消していた。
無機的な銀色の瞳が
酷く印象的で僕は永い事忘れることが...
ミリの能力を勘違いしてる。
殆どの奴があいつの能力を、
「心持たない者と心通わせられる能力」だと想像している。
実際には違う。
「魂を込める能力」と言った方が近いだろう。
あいつが魂を込め、
俺が力を解放させる。
それで初めて動く筈の無い者が動き、
俺等を守護する者と成り得るんだ。
漆黒の羽を持つ
鵺が闇夜を縫い渡って往く。
インプが囁く
あいつの主人は古城に住む
紳士気取りの悪魔だと。
物腰柔らかなあのハヴィシャム子爵が悪魔だと?
まさか、そんな事が本当だとはにわかには信じられぬ話だ。
淡い光を放ちながら
夜空に揺らめく妖精たちを
瓶に詰めて持ち帰れば望みが叶うなどと、
馬鹿げた話を持ち出したのは誰だっただろうか。
ふわりふわりと舞い
ゆらりゆらりと煌き
手に届かないこそ
儚く脆く美しいのに。
覚めない夢をみられるなら
どんなに素敵だろう。
でもきっと
覚めない夢はありはしないのだから
せめて夢見ている間は幸せな夢をみたい。
いばら姫は眠りについたあと
どんな夢をみて王子を待ったのであろう。
幸せな夢をみていたのか、そうでないのか。