ツインマーメイドの夢
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/05/30 22:30:48
幸せな夢を見ていたの。
水は温かくて
私達をとても優しく包んでくれる。
失われた筈のネプトゥヌスの城がそびえ
光が注ぐ水底でみんなと戯れるの。
もうどれだけ眠っただろう。
冷たくて光のささないこの場所で。
もう一眠りしたら、次目を覚ます時には
あの夢のように、あの頃が蘇っていたなら、どんなに.....
幸せな夢を見ていたの。
水は温かくて
私達をとても優しく包んでくれる。
失われた筈のネプトゥヌスの城がそびえ
光が注ぐ水底でみんなと戯れるの。
もうどれだけ眠っただろう。
冷たくて光のささないこの場所で。
もう一眠りしたら、次目を覚ます時には
あの夢のように、あの頃が蘇っていたなら、どんなに.....
あの娘は好きだけど、
もし戦力として必要としていないのなら
出来れば巻き込むような事はしたくないの。
夢の中でみたクマは
あの娘をとても大事に守ってた。
それはきっと生まれてからずっと、だね。
私はクローディアに救われたけど、
あの娘は救いを、少なくとも主には求めていなかった。
きっとあのクマが...
淡い光を放ちながら
洞窟の奥でひっそりと咲く
小さな美しい花がある。
その美しさの虜になってはいけない。
悪い妖精の魔法にかかってしまうから。
その花を摘み洞窟から帰れば、
失った人を蘇らせることが出来ると言うけれど
それは花が魅せる妖艶な幻覚にすぎないんだ。
そんな夢に取り憑かれてはいけない...
ごめん、本当に。
何も出来なくて悪いとは思ってる。
だから、そんな憂いを帯びた瞳で私を見ないで。
濃く艶やかな睫を伏せて
深い悲しみを刻んだ瞳がこちらを
じっと見据えてる。
目を逸らさずにはいられないけど、
逸らしても尚その視線に胸が貫かれるようだ。
明日晴れたら
丘の向こうまで行ってみよう。
お弁当を用意してさ
そうポットの中には紅茶を入れて。
君にシロツメ草の花輪を作ってあげる。
だから君は若草色のワンピースを着て来てよ。
きっと明日は晴れるだろう。