雨が弾むように
窓を叩く
窓辺に陣取り
キャロルの小説に
目を落としている
まるで時が刻むのを
忘れたかのように
静かで落ち着いた雨の午前
君の横でまるくなる
僕のしあわせ
雨が弾むように
窓を叩く
窓辺に陣取り
キャロルの小説に
目を落としている
まるで時が刻むのを
忘れたかのように
静かで落ち着いた雨の午前
君の横でまるくなる
僕のしあわせ
ふわりとゆれた麦藁帽子は
風に舞いそのまま谷底へと消えた。
悲しそうに惜しそうに
谷底を眺める後ろ姿の美しいあの人は
きっと僕が会ったことのない在りし日の姉に似ていると
ただ、なんとなく、想うんだ。
マットが居ない?
居ない訳ないじゃない、
だってMEは機能している。
マット含めて私達誰が抜けても機能しな...。
もしかして
...精神を手放した?
MEの制御パネルにダイレクトにダイブを?
あの馬鹿!!
身体をどこへやったのよ。
いつも無茶ばかりして、私達を置き去りにして。
要求はゲートの開放だと。
第六ゲート...?
まさか、神々を覚醒させる気なのか。
いや、まさか、そんな筈は、トリポカは既に過去の遺物だ。
総帥。
あなたはご自身の無力さを
もっと知るべきだ。
何も見ないふりをして、
何も知らないふりをして、
どれだけの犠牲を払ったか知らぬとは言わせぬぞ。
ゼオグリムの庭には
新月の夜にだけ咲く鈴蘭があるんだって。
うん、でも雨が降ったり、曇っている日は咲かないんだって。
それでね、
その鈴蘭が咲くと
大海の向こうに住むグリフォンが姿を見せるんだって。
え?
それは何故かって?
僕が知る訳ないじゃん。