檜の湯桶-色鉛筆series-
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/12/25 21:45:53
カポーン......
あぁ、温かくて気持ちいい。
こうやって露天風呂とか入ってると
日本人に生まれて良かった、て思えてくる。
あっちはどうしてるかな。
でも、無理して一人でここまで来て良かった。
もう知らないから、私の手は離れたんだから、
今夜はゆっくり温泉を楽しもう。
あ、
檜の香り。
こう...
カポーン......
あぁ、温かくて気持ちいい。
こうやって露天風呂とか入ってると
日本人に生まれて良かった、て思えてくる。
あっちはどうしてるかな。
でも、無理して一人でここまで来て良かった。
もう知らないから、私の手は離れたんだから、
今夜はゆっくり温泉を楽しもう。
あ、
檜の香り。
こう...
クーゼ様達が帰路に着いたそうです。
何事もなく郷里まで着いて下さると信じたいものですが、
何分このご時世ですから
神子様も心配絶えないことでしょう。
ええ、
神子様は未だに神殿にいらっしゃる。
見つからない宝玉の剣のことだけでも
心を痛めておられるのに...。
蒼き祈りは天を駆け
自らを助けると...
これに包まれてると
言いようもなく安心する。
君がくれたこのマントは
空を飛べる訳でもなく
姿を透明にすることが出来る訳でもない。
それでも私にとっては魔法のマントだ。
孤独が支配する暗闇の真夜中に
酷く不安に襲われることがあるけれど
そっとこのマントに身を包むと
何を不安に思っていたのか分から...
おじいさまはそこから見えるかしら?
向こうにチラチラと光が見えるでしょう。
あれはお母様が僕の為にランプを灯して下さっているんだ。
ぼくはあの光を見るととても安心するんだ。
こんな大きなお家でおじいさまと二人きりなんだもの。
とても小さい子供になった気がするんだもの。
でも、あの光を見るとお母様に...
こんな寒い日は
ストーヴの上でゆっくり焼いた焼き林檎と
手のかからない温かいオートミールがあれば
充分ご馳走だ。
銀紙に包んだ林檎は火が通ったら
予めくりぬいておいた穴に糖蜜とバターを入れて
一たび待つんだ。
その間に燕麦にクコの実を混ぜたものを
ミルクでふつふつと煮、塩と胡椒で味を調える。
...