ポケットいっぱいのキャラメル-色鉛筆series
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/02/06 23:09:47
今日は一日よろしくお願い致します。
昨年トップ売上でしたから、今年も期待してますよ。
あ、コレ。
あー、はいはい。
電源は部屋の北東の隅と、南西の隅にありますので
用意してある電工ドラムで引っ張って仲良く使って下さい。
あー、みなさんもコレどうぞ。
えー?聞いてませんよ。
追加の出展はもう屋外で...
今日は一日よろしくお願い致します。
昨年トップ売上でしたから、今年も期待してますよ。
あ、コレ。
あー、はいはい。
電源は部屋の北東の隅と、南西の隅にありますので
用意してある電工ドラムで引っ張って仲良く使って下さい。
あー、みなさんもコレどうぞ。
えー?聞いてませんよ。
追加の出展はもう屋外で...
あれ、もう二人だけ?
あっこ、ノート貸してくれるって言ってたのに。
預かってる、預かってる。
急にバイト入ったんだって、謝っておいてって言ってた。
夕暮れ時の教室。
インフルエンザで遅れた課題をこなすのが目的なのに、
結局は中々進まなくて、時間だけがいたずらに過ぎてゆく。
午後ティーに
ポッキ...
玄関の古時計はまだ6時を廻ったばかりで
外は白々と夜が明け始めてる。
息は白く
手はかじかみ
それでも横で君は嬉しそうに
僕の脇を少し遅れて歩く。
坂道からさえ見える、あちこちの湯けむりは
静まり返った朝を少しだけにぎやかに演出している。
坂道を登り切った先に
目的地の六番外湯が見えてきた。
ブランコを立ちこぎしながら見た
あの頃の夕焼け空は
今よりもっと澄んでいて、
浮かんでいた雲もただただ綺麗だった気がする。
いつからだろう
赤く染まった夕焼け空、浮かぶ雲を見て
無性に泣きたくなるような何とも言えない感情が
湧いてくるようになったのは。
2月は誰でしたっけ?
カードを切りつつ
深紅のガーネットが尋ねた。
良い手だ。あれでは誰も手が出せまい。
来月はアメジストの筈ですよ、僕の記憶が確かならば。
飄々と笑みをこぼしつつ
グラスを空けるラピスラズリは油断ならない奴だ。
さっきから何を企んでいるのかまともなカードを切らない。
遅くな...