1月自作 (雪) 「黒のトンネル」
- カテゴリ: 自作小説
- 2021/01/31 23:57:03
「まさかそんな。陛下が自らなんて、一体どんな理由で? ありえない。それは絶対ありえない……!」 赤毛の騎士が叫ぶ姿を、老婆アドウィナは無表情にみつめた。 鐘が鳴る。 連日の降雪で冷え切った王宮の回廊で、荘厳なる音色が響き渡る。 勝利の音が、老婆の背...
「まさかそんな。陛下が自らなんて、一体どんな理由で? ありえない。それは絶対ありえない……!」 赤毛の騎士が叫ぶ姿を、老婆アドウィナは無表情にみつめた。 鐘が鳴る。 連日の降雪で冷え切った王宮の回廊で、荘厳なる音色が響き渡る。 勝利の音が、老婆の背...
※ねこさんのこと
こんばんはです。ねこさんをひとり失って、意気消沈のみうみです。
我が家のねこ三兄弟の長男、りーさん。半年前に腎不全であることがわかったのですが、すでに末期のステージでした。家で穏やかにすごす、ということに重きをおいて、自宅で点滴するなど、暖和ケア中心の治療をしていました。そのためこ...
忙しすぎてなかなかSMSにやってこれないみうみです。 交流できず、ごめんなさいです。 というわけで
寒中お見舞い申し上げます。 2020年は色々企画していたことが軒並み中止になるという、 とても残念な年になってしまいました。 が、水面下では色々と創作は続けていました。 岩手の作家たびーさんと7月...
かくて赤毛の騎士はエティア王室の名のもとに、見者アドウィナを招聘したのであった。 「不死を極めたのなら、蘇生の技などもご存じなのでは」 騎士は始めに望みをかけて、黒衣の老婆にそう聞いたのだが。それはできぬと、アドウィナは顔の皺をさらに深めて、同情のまなざしを返してきた...
こんこんと白い雪が降る中、大広場に弔いの鐘が鳴り響く。 正面にそびえる王宮から聞こえるそれは、悲痛な悲鳴のようだ。 嗚咽のごとき、重く低い音色。聞けば聞くほど憂鬱になる―― 西の大国エティア。 王都エルジにて王が急逝したのは、王都で雪まつりが開かれた直後のことであった。...