自作1月/追憶 「走馬灯」 後編
- カテゴリ: 自作小説
- 2018/01/31 23:08:44
「おまえのせいだ!」
家の敷地に入るなり。おれはおじさんにぶんなぐられた。
「ロミナはおまえとの結婚のために銀狐の毛皮をとりにいった! そんでグライクライにやられちまった!」
銀狐はめずらしい生き物だ。その毛皮はおそろしい価値がある。ロミナはおれにそいつのえりまきを贈ると言...
「おまえのせいだ!」
家の敷地に入るなり。おれはおじさんにぶんなぐられた。
「ロミナはおまえとの結婚のために銀狐の毛皮をとりにいった! そんでグライクライにやられちまった!」
銀狐はめずらしい生き物だ。その毛皮はおそろしい価値がある。ロミナはおれにそいつのえりまきを贈ると言...
人は死ぬ瞬間に変なまぼろしを見るという。 生まれた時から今までのことを一瞬で、すべて思い出すのだそうだ。
それは一秒にも足らず、一度だけまばたきする間のこと。
そうしてああすればよかったこうすればよかったと後悔しているうちに、魂がすぽんと抜けて、天へ昇ってしまうらしい。
「見えましたか?」...
ロイヤル・レールウェイ 略してRR 沿線、花散里駅のチハル・コトリ・ロワゾー駅長にお名前をいただきました。春姉妹✿ちゃんです。
チヒロ・コオリキユ・ミウミ
千尋 氷消 深海
お仕事はチヒロ・ブルーという藍染め作り。
その人の気分にあわせ、青が微妙にうつりかわる不思議な染め物です。藍染めの液...
翁の神官は吠え猛った。目をギラつかせ、年輪刻んだ顔に筋をたてながら。
「わしはまず、いにしえのユインの王にならい、このトゥーに足りぬものを捧げて崇めた。若君の腕。メイメイの足。そしてフオヤンの首! そう、あなた様の御子らが体の一部を失うたのは、ハオ婆の呪いのせいではない。このわしがトゥーを崇め奉る...
「キッテ」
恐ろしい言葉と裏腹に、その声は実にあどけなく。白子の顔はにこにこしていた。 弟子を押さえ込むソムニウスも、抱きしめられる弟子も、そして刀で管を切り離そうとした士長も、みな息を呑んで身を固くした。 「ゴメンナサイ」
無邪気な笑みを浮かべたまま、白子はさらに、思いもかけぬことを口にした...