アスパシオンの弟子54 暴走(後編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/07/19 11:32:24
フィリアの家で着たことのある灰色の衣。 なぜそれを身にまとう夢を見たのかというと――。 翌朝、僕らメキドの一団は、ロルとコルを迎賓館の部屋に置いたまま、交渉場所へ赴きました。 そこは都の外れの山腹にせり出している平地にあり、ふしゅふしゅと屋根のあちこちから蒸気が噴出している建物で、「...
フィリアの家で着たことのある灰色の衣。 なぜそれを身にまとう夢を見たのかというと――。 翌朝、僕らメキドの一団は、ロルとコルを迎賓館の部屋に置いたまま、交渉場所へ赴きました。 そこは都の外れの山腹にせり出している平地にあり、ふしゅふしゅと屋根のあちこちから蒸気が噴出している建物で、「...
ふしゅううう ものすごい音をたてて雨空に立ちのぼる、巨大な間欠泉。 湯けむりの中で、おお、と感嘆の声をあげる裸の僕。 と、裸の巨人のおじさんたち。 ふしゅううう 数分に一回、温泉のそばの泉から熱い水柱がたちのぼります。あっちもこっちも、そんな泉だらけ。 しかし温泉て、本当...
翌日の閣議の時にも、「それ」は起きました。 ハッと気づけば――閣議が終わっていたのです。 あわててまた議事録を確認すると。 自分の記憶が飛んでいるだけで、議事進行は全く問題なし。 主な議題は、大貴族との会見の日取り調整とエティアへの対応について。 それから、黒の導師お二人の公務に...
「お手伝いさせてくださいませんか?」 白の導師様の澄みきった穏やかな声。 僕は、何も感じませんでした。 嫌な予感も。悪寒も。恐怖も。不安になるような感覚はまったく何も。 白い衣の導師様は、とても清らかな気に満ちていました。 その衣の色と同じ。しみひとつ無い、きれいな気。「あ&hellip...
陛下は首を傾げました。 「推定成長分を入れて骨格の計測をしてみたけど、微妙に合ってるような合ってないような」 骨格計測。陛下は義眼をうまく使いこなしているようです。 「もふもーふ♪ へへへ」 うう、もふってばかりいないで一緒に考えて下さいよ、お師匠様。 「陛下の目って、熱くなったりしま...