4月自作/「はじまり 『呪いのはじまり4』」
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/04/16 20:33:45
ここはある工場のリサイクル施設、ドロドロに溶けているのはフィギクラ人形だった。
「一号釜、異常ありません」
見回りをしていたアルバイトのキンタが無線で工場長に連絡を送った。
工場内の温度は真冬でも40℃を超える最悪の労働条件での見回りだった。
キンタは一号釜を点検し終わると二号釜に移動した。
「二...
ここはある工場のリサイクル施設、ドロドロに溶けているのはフィギクラ人形だった。
「一号釜、異常ありません」
見回りをしていたアルバイトのキンタが無線で工場長に連絡を送った。
工場内の温度は真冬でも40℃を超える最悪の労働条件での見回りだった。
キンタは一号釜を点検し終わると二号釜に移動した。
「二...
「そこで何をしてる?」
ミミコがゴミタ人形が入る深さまでやっと穴が掘れた時だった。
「ぎゃ~」
ミミコは突然の人の言葉にびっくりし悲鳴を上げてしまった。
「びっくりしなくていいよ。お化けじゃないから。この神社の管理をしている氏子(うじこ)です」
「うじ?こ?うじ虫の子供ですか?」
...
ミミコが黒い紙にゴミタ人形を包み神社に捨てに行くのには理由があった。
それはフィギクラ人形にまつわる都市伝説だった。
若い男女は肉体関係で結ばれる。
しかしそれは長続きしなかった。
若い男性も女性も社会の格差により正規労働に付けず、労働に安定を求められない時代に突入していたため、生活の...
そこは人形達の墓場だった。
人形といっても3Dスキャナで人をスキャンし3Dプリンターで出力し人に似せて造ったフィギュアの捨て場所なのだ。
一昔前ならプリクラという自分の顔写真のシールが流行ったが、今はフィギュア倶楽部の3Dプリンターが造りだす自分の人形や恋人や友達のそっくり人形をマスコットとしてぶ...