裏山で野猿と遊んでいた大鬼がダルマ鬼の張子の所へ戻ってみると、そこに母の姿はなかった。
「あれ、かあちゃん何処にいったのかな?」
大鬼はなにかの用事で母は何処かに行ったのだろうと思い、母が帰ってくるのをここで待つことにした。
最初、大鬼はダルマ鬼の横に座り神社に参拝する人を眺めていた。...
裏山で野猿と遊んでいた大鬼がダルマ鬼の張子の所へ戻ってみると、そこに母の姿はなかった。
「あれ、かあちゃん何処にいったのかな?」
大鬼はなにかの用事で母は何処かに行ったのだろうと思い、母が帰ってくるのをここで待つことにした。
最初、大鬼はダルマ鬼の横に座り神社に参拝する人を眺めていた。...
それはある雪の積もった昼下がりのことだった。
前日の夜に降った雪が昼になっても溶けずにいた。
大鬼(だいき)の母のカナコは雪が溶けないでいるので仕事に行くかどうか迷っていたが、大鬼が雪の積もった山で猿達と遊びたいと強く望んだので散歩がてらに仕事場の神社に行くことにした。
「わぁ、かあちゃん、雪が積...