今朝、お弁当お忘れになられたでしょう。
届けに参ったんですよ、ほら坊っちゃんの好きな甘い卵焼きが入れてありますよ。
まぁまぁ、
そんな事を言ってネリーを困らせないで下さい。
坊っちゃんにそんな潤んだ目で見つめられては
本当に一緒に帰るのが正しいと勘違いしてしまいそうですわ。
もう、ほんの数時間の...
今朝、お弁当お忘れになられたでしょう。
届けに参ったんですよ、ほら坊っちゃんの好きな甘い卵焼きが入れてありますよ。
まぁまぁ、
そんな事を言ってネリーを困らせないで下さい。
坊っちゃんにそんな潤んだ目で見つめられては
本当に一緒に帰るのが正しいと勘違いしてしまいそうですわ。
もう、ほんの数時間の...
12.
--24体と、1体の未完成のアンドロイド--
最後の1体が何故完成していたのか?
もう、それを聞ける相手は存在しないが、きっと...
24号や22号が仲間と一緒に作り上げたのではないか。
そう、信じたいものだ。
その日、レトラは片腕に少女を抱いて帰った。
みんなは少女を歓迎...
11.
2月24日 曇りのち雨
ついに昨日、残っていた22号が止まってしまった。
最後の1人、私だけになってしまった。
私も、きっと...明日には止まってしまうだろう。
......幸せだった、な。
辛い事も多かったけど。皆居てくれた、それだけで充分幸せだった。
ただ...。
...
10.
今、入って来た扉。
開けてラダは愕然とした。
「...違、如何?」
さっきまでの光景とあまりにも違いすぎていた。
今の今まで、キレイにしてあった廊下に
ホコリが積もり、所々床が抜けていた。
18号の姿もなかったし、他の少女達の気配も全くなかった。
本当に幽霊屋敷らしい、朽...
9.
暖炉に火が燃えていた。
今まで見てきた部屋は、どこも必要なモノしか置いていない
整然とした部屋だった。
が、この部屋は違っていた。
火が燃えていたし、絨毯はピンクの薔薇柄だったし、
色々なオモチャが置いてあった。
その中で、床に寝転がり、ニィナが気持ち良さげに眠っていた。
...