春を告げるうぐいす-色鉛筆series-
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/03/09 22:49:00
いつもの巡回中
よく見掛ける茶色い奴でなく
見慣れない黄緑の奴を見掛けた。
見慣れない奴だな。
じいさんの梅の木に我物顔でとまってやがる。
目障りだ、ちょっとからかってやろう。
にゃーっっ
ケキョケキョ!!
いつもの巡回中
よく見掛ける茶色い奴でなく
見慣れない黄緑の奴を見掛けた。
見慣れない奴だな。
じいさんの梅の木に我物顔でとまってやがる。
目障りだ、ちょっとからかってやろう。
にゃーっっ
ケキョケキョ!!
君が望むまま
引かれて歩いて来たら
見知らぬ道に迷いこみ
晩秋の花の香りに惑わされた。
雨に濡れながらも
未だ飽きることなく歩く君を目に
私は香りの源を探したくて
君の望む道とは違う方向へ足を進めた。
やっとみつけた。
今度は晴れた日に来よう
君もまた一緒に、ね。
眼前の景色が信じられなかった。
確かうとうとし始めた時には
バイパスを走っていた筈なのに。
「ここ、どこ!?」
いつか連れてくるって言ったべ
ここは朝が一番綺麗だ
それも寒いけど冬の朝が特に...
いやいやいや。
そんなことを聞いてるんじゃ、なく、て...?
うーわー、本当に綺麗!!
朝陽が...
先生の家は
どこか浮世絵離れしていて
時間の進み具合が下界と違う気さえしてしまう。
戸棚に並んでいる先生お気に入りの洋書も
ノスタルジックな音をたてている柱時計も
そう、家中ほのかに香るこの甘い香りも
何もかも異世界を思わせる。
先生、起きて下さい。
もう昼ちかい刻ですよ。
台所にオーツ麦のポリ...