温かいオートミール-色鉛筆series-
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/12/19 22:37:12
こんな寒い日は
ストーヴの上でゆっくり焼いた焼き林檎と
手のかからない温かいオートミールがあれば
充分ご馳走だ。
銀紙に包んだ林檎は火が通ったら
予めくりぬいておいた穴に糖蜜とバターを入れて
一たび待つんだ。
その間に燕麦にクコの実を混ぜたものを
ミルクでふつふつと煮、塩と胡椒で味を調える。
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こんな寒い日は
ストーヴの上でゆっくり焼いた焼き林檎と
手のかからない温かいオートミールがあれば
充分ご馳走だ。
銀紙に包んだ林檎は火が通ったら
予めくりぬいておいた穴に糖蜜とバターを入れて
一たび待つんだ。
その間に燕麦にクコの実を混ぜたものを
ミルクでふつふつと煮、塩と胡椒で味を調える。
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どうしてお姫様は
小人達の言いつけを守らず
魔女から貰ったリンゴを食べてしまったの?
いくらキレーゴトを並べても
気をつけなさいと小人達からチューコクを受けていたことに
変わりはないでしょう?
私、お姫様はきっと食意地がはっていたんだと思うの。
きっと、もしママが小人だったら
『そういうイヂギタ...
息が白い。
今年一番の寒さと
TVで言っていたのは本当みたい。
一昨日の雨でできた水溜り
白く薄氷がはっているのが
寒々とした景色を一層味気ないものにしている。
ピシッ
踏むと小気味良い音を立てて割れる。
簡単に割れる。
薄氷の上に立つ城なんて儚いものだわ。
いつまでもすがって生きていく訳には...
ええ、あなたがそう言うのなら
私はどこへも行かないわ。
そう、本当よ。
ええ、大丈夫。ここにいるわ。
傍に居るわ、安心して。
彼が目を覚ました時
どれだけのことを覚えているか...
もしかしたら何も覚えていないかもしれないけど
いや、覚えていない方がいいのかもしれないけど
その言葉に嘘偽りはないわ...
明日は晴れるかしら?
こう吹雪いてばかりでは、
この場所に夏が来ていたことを忘れてしまいそうだわ。
夏の日の日差しを受けた
贅沢な向日葵のリースを見て
カレンは溜息混じりに笑った。
もし、明日晴れたなら
教会まで行ってミセスハウゼンに
借りていた型紙を返さなきゃ。