置き去りにしてしまった君へ
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/11/04 22:55:40
お元気ですか。
心は病んでいませんか。
現実を疎かにはしていませんか。
幸せでいますか。
明日は待ち遠しいですか。
来年の今頃を思って鬱になりませんか。
心配しています。
約束も何も無い外の世界だけを生きていくのに
恐怖を感じたりはしませんか。
手を差し伸べることも、
その背をそっと押すこと...
お元気ですか。
心は病んでいませんか。
現実を疎かにはしていませんか。
幸せでいますか。
明日は待ち遠しいですか。
来年の今頃を思って鬱になりませんか。
心配しています。
約束も何も無い外の世界だけを生きていくのに
恐怖を感じたりはしませんか。
手を差し伸べることも、
その背をそっと押すこと...
大丈夫ですよ。
何も怖くありません。
ええ、もし何も無かったとしても。
静かに微笑んで
いつもと何ら変わらない
午後のお茶を用意して
僕の横に座った。
どうして、そんなにご自分を責められるのです?
私はマスターが居て下って良かったと感謝していますのに。
どうか、もう少し外に興味を持って下さい。
風にゆれる秋桜は
遠きに想う君に重なる。
いつか
この景色
君にも同じように与えたい。
秋風も
赤く染まる夕焼けも
愛しく想うこの気持ちさへも。
いいえ。
怖くありませんわ。
奥様から事情を少しお聞きしています。
眠れないのでしょう?
今ミルクカモミールティをお持ちしますね。
...ホットチョコレートの方がお気に召されますか?
それは失礼致しました。
すぐにお持ちいたします。
そうだ
珈琲を沸かそう。
カーテンの向こうはゆっくり夜が明け
白々といつもの風景が明るくなっていく様がみえる。
もう、冬の気配を感じる。
湯が沸いて
珈琲の香りが部屋中に漂う。
そろそろ起こさなきゃね。
あれだけ...、いや。目が覚めたらせめて傍に居よう。