聖都を護りし約束の娘
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/04/17 22:23:44
キトがいない?
いつもと変わらなかったよ。
幸せそうな微笑みをたたえて
俯いてキマイラを撫でていたもの。
哀しそうには見えなかったよ。
そうだよ。
名誉なことにつかりまして
と竜宮妃様と話していたもの。
コ・イヌールを嬉しげに輝かせて。
本当?
本当にそうなの?
現実から目を逸らして
キトを犠...
キトがいない?
いつもと変わらなかったよ。
幸せそうな微笑みをたたえて
俯いてキマイラを撫でていたもの。
哀しそうには見えなかったよ。
そうだよ。
名誉なことにつかりまして
と竜宮妃様と話していたもの。
コ・イヌールを嬉しげに輝かせて。
本当?
本当にそうなの?
現実から目を逸らして
キトを犠...
ありがとう。
新しい世界をありがとう。
ほんの数日だったけど、楽しかった。
神様が呼んでいるから、
もう行くね。
寂しくないよ。
いつも傍に居る。
雨が降ったら思いだして天を仰いで。
また会えたね。
あんなに小さかったのに
君は大人になったね。
私が散る頃には
君は旅立つんだってね。
いっておいで。
そして、いつかまた帰っておいで。
今より咲き誇って待っているから。
確かに、軍本部に、それも重要なポストに
兄は在籍している。
だけど、兄に助けを乞おうとはハナから考えていない。
兄は忠誠を誓った誇りある軍人だ、
謀反の疑いがある人間を私情で庇ったりはしないさ。
”アーサー、聞こえるか?...久しぶりだな。”
兄さんっっ...!?