□:空駆ける戦士に、敬礼!:□(2-2)
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/05/05 06:53:20
翌朝。医務室の扉が開かれ、私は真っ先にブレイクの元へと向かった。見舞いではなく、報告の為だ。しかし、彼は、現在敵国とかしたアクーラの宣戦布告を、私が口にする前に知っていた。この戦争で一番最初に敵の攻撃を食らった者として、あの攻撃は間違いなく憎悪に満ち溢れた戦争への意思表示だったと、彼はその身体をベッ...
小説や日記、色々^^;
翌朝。医務室の扉が開かれ、私は真っ先にブレイクの元へと向かった。見舞いではなく、報告の為だ。しかし、彼は、現在敵国とかしたアクーラの宣戦布告を、私が口にする前に知っていた。この戦争で一番最初に敵の攻撃を食らった者として、あの攻撃は間違いなく憎悪に満ち溢れた戦争への意思表示だったと、彼はその身体をベッ...
二章:翼の折れた鳥
――夜。その報告は突然飛び込んでくる。深い眠りについていた私と新米パイロット達は、ハワード大尉の沈んだ声に起こされた。深夜2時の事だ。
「ブレイクの翼が折れた。そして、べリ二アの監視下にあったアクーラが……宣戦布告した。明日からはスクランブル配置だ...
『汝の健闘を祈る』
まだ太陽も昇りきらない明け方の滑走路。とてつもない爆音と共に、エンジン出力を最大まで上げて大空へと飛び立った13機の戦闘機は、横一直線に並んだ形態でアクーラの奥地、セリスバーン雪原へと向かって行った。海の傍である為にめっきり冷え込む自身の部屋でその光景を見ていた私は、何とも言...
※ 部屋を訪ねて来たラプターは、持ってきたカセットレコーダーから激しいロックを流しながら、実に興味深い話しをしてくれた。現在、第77戦術戦闘飛行隊アルバーク島分遣隊隊長を務めているハワード大尉の過去の話しだ。
18年前、ハワード大尉にはアクーラに恋人が居た。しかも妊娠していたという。そして、その...
彼等の話しを聞く度、私が持っている兵士のイメージが少しづつ変化していく。兵士とは、使命感、そして死を恐れぬ強い精神力、人間性、その全てがずば抜けて高く、人間として洗練されていると思っていたからだ。しかし、本当のところは、人間の中でも彼等は特別人間らしい生き方をしていると実感させられた。普通の市民と...