気狂いピエロ【11】
- カテゴリ: 自作小説
- 2010/05/15 18:19:43
このままでは、殺されてしまう。他の被害者の様に、血を抜かれ、切り刻まれ、身体の一部を持っていかれる。いや、もっと酷いかもしれない。なんせ、自身はピエロを捜し、邪魔をした、言わば敵。あの手紙の通り
邪魔者と思っているなら、まず殺される事は逃れられない。足掻かなければ。抵抗しなければ。脂汗が額に滲む...
小説や日記、色々^^;
このままでは、殺されてしまう。他の被害者の様に、血を抜かれ、切り刻まれ、身体の一部を持っていかれる。いや、もっと酷いかもしれない。なんせ、自身はピエロを捜し、邪魔をした、言わば敵。あの手紙の通り
邪魔者と思っているなら、まず殺される事は逃れられない。足掻かなければ。抵抗しなければ。脂汗が額に滲む...
築70年のアパートは、冬の夜風に晒されて、到るところから、痛々しい叫びが響いた。赤煉瓦が組まれただけのシンプルで力強い外見とは違い
中は木材でできた、いかにも古めかしい内装だ。階段を上がれば、一段昇るごとに脆い音が鳴り、一部屋一部屋の扉には、無数の傷があった。ベルカの部屋は、アパートの三階、一番...
想像した事があるだろうか。受け取った小包に、第一関節から切断された女性の指。そして、見覚えのある指輪。ジェシーは言葉を失った。デスクに置いた小包の中身を漠然と見据え、投げる事も、動く事もできない。
その指と指輪に見覚えがあった。一週間前――プロポーズした彼女に渡した、婚約指輪。
みるみる内に青ざ...
朝食を済ませ、職場に向かう車内。突然、空気が重くなった。理由は、ジェシーの彼女からのメール。
――私よりその人が大事?
この一言だけの文章に、とんでもない威圧感を感じて、ジェシーは一度彼女に電話を掛けたが……。彼女は出なかった。言い表せない罪悪感を胸に無言の車内...
二章:死体人形
真夜中。時は12時。辺りは街灯も何もなく、道を照らす明かりすらない裏路地で、其処に住み着いたドブネズミだけが、
――幼い少女の悲鳴を聞いた。
辺りに漂う、肉の焼ける臭いと、幼い少女の悲痛な叫び。そして、「ははは……ほら、綺麗に切れたよ。今度は左...