Nicotto Town



朝の喜び







久しぶりに朝早く目が覚めた

夜中に仕事をする習慣になって

偶然、随分損をしているような

そんなことに気付いた

例えば、早朝の空気の中で嗅ぐ

様々な匂いのようなもの

夜明けの薄暗さと

日の明るさが一瞬の休みもなく

刻々と交代していく

特に陽が昇ると太陽の光が

眩しく、これほど暖かいのか

というような体全体で味わう感覚

そんなものがなぜか嬉しく、

そういうことに気付く自分にも嬉しい

枝の茂みで騒ぎ始める小鳥や

おそらくあちこちで動き出す小動物たち

朝の光のご馳走を皆堪能しているのだろうか

枕草子や多くの古典の中に

昔の人は「朝の感覚」を歌っている

おそらく電灯のなかった時代には漆黒の闇は

現代人が考える以上に恐怖の世界だったのだろう

だからこそ闇から開放される朝は

一日の始まりというだけでなく

特別な感覚で迎えたのに違いない

暗闇の恐怖感から解放された現代人は

朝の喜びからも無縁になったみたいだ









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