Nicotto Town



七夕の夜に







僕が激しく君を抱きしめると

君のイヤリングの片方がはじけて飛んでしまった

きっとそこいらに落ちているさ、

銀河の奥や天の川の中を探してごらん!

君は不満そうに

見つからなければ新しいのが欲しいと言う

一つのボタンがなくなれば残りのボタンを

すべて変えなければいられないように

そんなふうに真新しい綺麗な

ひと揃いの愛を君は求めるんだね

 

魔法の杖で美しいドレスや

輝く馬車も欲しいのだろう

けれど、僕が持っているのは

どこかが欠け、どこかが損なわれたものばかりだ

片方しかないイヤリングは僕には似つかわしいけれど

君には不満らしい

 

飾りのない君の耳の後ろから広がり続ける

寒い夜空だけを僕は信じる

僕がその寒さの中で迷子になろうとも

約束のように時は不断に流れ続ける

 

明日、君は目覚めたら

片方のイヤリングの代わりに

もっと輝く星を求めて彷徨うのだろう

いいさ、せめて一年に一度だけでも

僕のところに帰ってくれれば

天の川のこちら側でずっと待っているから











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