とはずがたり~香~その10
- カテゴリ:日記
- 2025/05/06 09:59:26
ジャスミン系の香水はたくさんある。好きな人はそれだけを集めているらしい。セルジュ・ルタンスにも良いのがあるらしいし、昨年ゲランから出たシャリマーミレジムはジャスミンがテーマだった。私は、ゲランはほとんど苦手、一部好きかつシャリマーの元を知らなかったけど、思い切って購入したらとても良かった。感覚的には密教の寺院で使用される塗香の香り。そこにジャスミンの華やかさが加わって、個人的には寺系香水。寺系香水と言うと、ウッディ系の香水が良くあげられているが、私にはこれが寺。非日常な感覚があるのでいつも使うのは無理だけど、時々あると良い感じ。これ以上渋い感じになると無理かな、私の中のぎりぎりを攻めた香りだった。非常に好きだ。また、ジャスミンがそこまで好きじゃない方たちが引き合いに出すインドール臭(糞便臭)は、この塗香のような独特の香りの中に紛れるというか、プラスに作用しており気にならない。
ドルセーのW.T.は一時期話題になった。日本限定数量限定で発売し、あまりにも人気だったので定番化したそうだ。最初から定番化するつもりだったかは分からない。人気の理由はジャスミンと砂糖のような香り、日本で使用しやすい淡い香り、「唯美な破壊」と言うオタクの心を刺激するような副題だと思う。濃度が濃くて価格はやや高めだが、小容量を作り、手を出しやすくしたのも良かったのだろう。
香りは最初にミントのすっきり感があるらしいが、私にはよくわからなかった。新作が出ると真っ先に店舗で確認してSNSで発信する人たちの感想を読むと、クルジャンのバカラルージュに似ているらしい。実際に私が試した時も砂糖の甘さがバカラルージュエキストレにそっくりだった。そもそもバカラルージュエキストレにもジャスミン入っているし。ただ、W.T.の方がインドール臭は感じないジャスミンがはっきり香る。バカラルージュエキストレはほぼほぼ砂糖な感じで、甘さが肌に沈降していく感じがあり、拡散している雰囲気はない。(拡散しているかもしれないけど)W.T.は肌に沈降する甘さをジャスミンが押し上げる雰囲気がある。アマリアグルマンはややミルキー感を感じる甘さだけど、非常に砂糖の感覚があり、甘いがさっぱりしている。私が想像していたよりは甘い印象だが、良かったのは覚えている。つまりはここまで言って買わなかったのだけど。
手持ちの香水で再現できてしまうなと。アマリア+バカラルージュエキストレでなんとなく再現できてしまった。ミントを感じ取れれば違ったかもしれないけど、分からなかったんだよな。厳密には違うのだけど、なんとなく同じ雰囲気になってしまった。でも、W.T.は本当に良い香りだった。私にはやや濃い目に感じるが、ジャスミンのくせがなく、甘いフローラルで、初めての香水がこれならとても良い思い出になると思う。
ドルセーの香りを薄いという人がいた。外国暮らしをしている人だったし、その国は濃い香りが好まれるので、それと比べると薄く感じるだろうね。ドルセーの良さはさりげなさだと思う。金銭面からしてこの薄い香りにこんなに払うのかと言われれば、ままそうなるよなとも思う。
ほかにもジャスミンはたくさんあるけど、つい最近体験したのはヘレッティックパルファムのフローガズム。随分前からあるそうだが、縁が無かった。構成から見るとジャスミンは添えるだけと思ったのだが、インドール込みのジャスミンがしっかり香ってびっくりした。サクラマグナのジャスミンと同レベルのジャイアン感だった。私は好きなんだけど、あの構成でこうなるとは想像しなかった。他の香りは分からないけど、アメリカ発のブランドなのに比較的抑え目な香り。いや、アメリカと言えばTFのがつがつ系が真っ先に浮かんでいるだけだが。ただ、驚くほど高かったなぁ。サスティナビリティにこだわり、原材料の生産から容器の素材までこだわりぬいているらしい。故に50mLで・・・。香水は道楽だと思うし、こだわりの世界だからこういうのもありとは思うが、たけーよ。フラワーポーンがアロマティックで欲しいなと思ったけど、香りの個人的評価と価格と内容量見て、一時記憶から抹殺した。