Nicotto Town



漂う提督

ちょっと古い本ですが、面白い試みなので紹介します。
タイトルは「漂う提督」

英国の探偵クラブが試みたリレー推理小説です。1932年(日本1980年)
13人の名立たる作家が各章を書き継いでいます。
  G・K・チェスタートン
  C・V・L・ホワイトチャーチ
  G・D・H&M・コール
  ヘンリィ・ウェイド
  アガサ・クリスティー
  ジョン・ロード
  ミルワード・ケネディ
  ドロシー・L・セイヤーズ
  ロナルド・A・ノックス
  F・W・クロフツ
  エドガー・ジェプスン
  クレメンス・デーン
  アントニー・バークリー
と、錚々たるメンバーです。少なくとも聞いたことがある名前が2,3人入っているのではないでしょうか。

このリレー小説にはルールーがあります。
1つ目は、各作家は、自分なりに解決法を考えた上で、自分の担当の章を、その線に沿って執筆する
2つ目は、各作家は、前の章で取り扱われた問題点を、忠実に取り扱う

これって、結構厄介、というかとても難しい課題ですよね。
さすが…としか言いようがありません。

この本の末尾には、各作家が考えた解決法が紹介されていますので、それだけでも面白いのです。

これから読むかもしれない方々もおられるでしょうから、内容にには触れませんが、

各作家の特徴であるとか、後の章の担当が、この問題をどう取り扱うのだろうか?とか、
純粋に、長編推理小説として楽しむだけでなく、
推理小説に詳しい人も、詳しくない人もいろんな楽しみ方ができる本です。

機会があれば、是非手に取ってみてみてください。


ところで、実は、日本でも同じようなリレー小説(合作探偵小説)が何冊かあります。
こちらも、錚々たるメンバーです。
既に廃版になっており、なかなか手に入りませんが…。

面白い試み、他にもあったら、教えてください。
是非読んでみたい!




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