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タッチャン■


生命の歴史


エディアカラの楽園

カンブリア爆発は、突然起こったのでしょうか?
カンブリア紀以前には、化石の証拠が少なく
カンブリア紀になってから突然化石が増大したように見えます。(*1)
しかし、カンブリア紀より3000万年前の化石が
1947年オーストラリアで大量に見付かりました。
そこはサウスオーストラリア州のエディアカラ丘陵です。(*2)
この生物化石はエディアカラ生物群と呼ばれています。
エディアカラ生物は、全て軟体性のもので固い骨格や殻を
持っていませんでした。
そのため化石として残りにくい物だったのです。(*3)
その後、同様の化石が南極以外の大陸で続々と見付かりました。
これらの生物の特徴は、殻はもちろん、足も歯も持っていないことです。
しかし、移動した痕跡や、ひっかいた痕跡が見付かっており
少なくとも一部は動き回る動物であったと考えられています。
しかし、エディアカラ生物がその後の生物にどう繋がっているのかは
現代でも謎となっています。(*4)
エディアカラ生物群は、どうして軟体性のものだけだったのでしょう?
現代の解釈では、当時の地球には捕食生物が存在しなかったため
ではないかと考えられています。
実際、何千と見付かっているエディアカラ生物群の化石に
生きているときに付いた傷が一つも見付かっていないことからも
捕食生物がいなかったことを裏付けています。
当時の海は、全ての生物が平和に暮らす
”エディアカラの楽園”だったのです。

*1:カンブリア紀になってから化石が急増したため
   カンブリア紀以降を顕生代と呼んでいます。

*2:5億7000万年前から5億4000万年前をエディアカラ紀
   と呼んでいます。

*3:エディアカラ生物の化石は、生物本体ではなく
   生物の痕跡が砂の上に残っただけの印象化石です。

*4:エディアカラ生物群の分類については、現代でも様々な説がある。
   既存の生物に無理に結びつける説、巨大な単細胞生物説
   動物でも植物でもない絶滅した未知の生物説など




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