Nicotto Town


タッチャン■


すぎたるもの


災害で大きな被害を受けた発展途上の惑星

救援隊は、災害復旧後大きな被害を受けた農業の支援を申し出た。

この星の住民達は、自分達が持っている鍬や鋤などの農具を所望した。

「もっと便利な農業用機械―トラクターやコンバインーでも良いのですよ」

しかし、住民達は言った。

「いえいえ、これで十分です。」

そこで、救援隊は昔ながらの鍬や鋤などの真新しい農具を与えた。

この事を聞きつけた、隣の惑星の住民は、最新式の農業用機械を所望した。

彼らは、さほど被害を受けていなかったのだが

救援隊はしぶしぶ彼らの望む機械を与えた。

 

それから、十数年の年月が経過した。

最新式の農業機械を得た惑星では、最初の数年は大変豊かになり

農地は大幅に増加し、住民達は楽をしていた。

だが、ある日その機械は動かなくなった。

機械が故障したのだ

しかし、彼らは機械を直すすべを知らなかった。

一台、また一台と機械は故障し

やがて、全ての機械が2度と動かなくなった。

機械を使って農地を耕すことに慣れてしまった彼らは

もはや、以前のようには農地を手で耕すことが出来なくなっていた。

農地は荒れ果て、惑星は寂れていった。

 

一方、鍬や鋤を得た住民達は、毎日精を出し

農場を少し大きくして、少しだけ豊かになっていた。

時には、鍬や鋤が壊れることもあったが

彼らには、それを自分達で修理する技術があった。

そのため今でも彼らは、自分達で農地を耕し

少しだけ豊かになった事を、喜んでいた。

彼らは、それで満足だったのである。

 

#日記広場:自作小説

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2022/01/01 15:05
明けましておめでとうございます(^^ゞ
お元気ですか?
あなたにとって良い年になりますように✿
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2021/01/27 13:05
ぜんぜん比較対象が違ってるのですが。
キーボードに頼りすぎて漢字が書けなくなった自分のようだ。
なんて思ってしまいました^^;



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