Nicotto Town


nekomeのつぶやき☆


恋は、舞い降りる天使の羽のようにー初夏ー(11)

5分だけ時間をあげよう。そういうと、藤と野上が部屋をでていった。
里緒が、杏樹を見つめてこういった。

  「あの男とグルなの?杏樹!」

  「違う!違うわ!」

 里緒は、杏樹に詰め寄った。

  「じゃあ、何で知ってるのよ!」

春菜が間に入って答えた。

  「杏樹は、あの男に痴漢されたのよ!今朝電車の中で。」

  「そんな話。私は聞いてないわ。」

里緒は意地悪そうな目つきで杏樹を見た。

  「目をつけられてたのね。そう!杏樹が目的なら、
    杏樹だけコレを着て写真撮って貰えば良いのよ!」

 そういうと、里緒は杏樹にタンクトップとショートパンツを差し出した。

    「里緒!それはひどいわよ!」

春菜がいうと、

  「なら、春菜が代わりになるの?」

  「そ・・。それは・・・。」

  「杏樹!あなたが責任取ってよね!」

 杏樹は、唇をかみ締めて、うつむいた。


 その頃・・・。


 渋谷の駅に着いた兄の亨は、GPSで杏樹の居場所を探すために、再び携帯を開いた。

  (いったい。何処にいるんだ?)

しばらくして杏樹の位置情報が入ってきた。
携帯に記された地点を見て亨は愕然とした。

  (!!なんで円山町にいるんだ!しかも❤ホテル街じゃないか!) Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ・・・。

 亨の携帯を持つ手が震えた。



 杏樹は、タンクトップとショートパンツを手に取ると、つい立の陰へ入った。
着替えていると、涙が後から後から溢れてきた。

 (どうして、こんなことになっちゃったんだろう・・・。)

自分を責めても仕方が無かった。
里緒の言うように、責任を取らなければと思いつめていた。

 杏樹が着替え終わると、同時に藤が部屋に入ってきた。  

「さあ。どうするのかな?」

 里緒と春菜が、つい立の方を見た。
タンクトップに着替えた胸元を隠すように、ボレロを抱きしめた杏樹がつい立の陰から姿を現した。

  「さあ!こっちに来て!悪いようにはしないから・・・。」

 藤は、改めて品定めをするように杏樹を見た。
 
 思ったとおりだった。
3人でいるところを見たときから、藤は杏樹を撮れると確信していた。

 もちろん、ノーム・アロードのタケシとの対談なんて話は、ウソッパチだった。
スペイン坂でもう一度見かけたとき、絶対にものにしようと決めたのだった。

  「杏樹!」

春菜は、部屋から出てゆく杏樹に声を掛けた。

  「・・・。」
 
振り返った杏樹の後ろでドアが閉まった。

残された春菜は少し青ざめた顔で、里緒を見た。

  「仕方ないでしょ?このままじゃ帰れないし・・・。」

  「杏樹どうなっちゃうんだろう・・。」

 春菜が、そういった時、杏樹の携帯の着信音が短く鳴った。

  「誰からかしら?」

慌てて、杏樹のバッグから携帯を取り出してメールを開くと、杏樹の兄の亨からのメールだった。

  『どこにいるんだ?今、渋谷の駅前にいる。連絡をしてくれ。』
  
  「誰から?なの?」
  
  「杏樹のお兄さま。渋谷にいるって!」

里緒が聞くと、春菜は、メールを打ちながら答えた。
 
  『杏樹が危険な目にあってます。助けて!
    ライムグリーンの❤ホテルの横のビルの4階です。
     黒いフィルムを貼った白いワンボックスカーが止まっています。春菜』
 

 
 亨の携帯に、春菜が書いたメールが届いた。
文面を読んだ亨の顔から血の気が引いた。

  (なんてことだ!)

 亨は、すぐにタクシーを止めると、『円山町』と告げてタクシーに乗り込んだ。
GPSと検索サイトで❤ホテルの場所を割り出して運転手に早く行くように急かした。
 目的地のビルはすぐに分かった。
なかなか、進まないタクシーにいらいらしながら、亨は杏樹の無事を祈った。

 
 
  「さぁ。そこに座って。ボレロはこっちに置いて。」

 藤は、杏樹の手からボレロを取ってカメラの前に座らせた。
タンクトップに着替えた杏樹の胸元に、目が吸い寄せられる。

 水泳の授業を受けていないから、日に焼けてない白い素肌がまぶしかった。
今朝の杏樹の胸の感触が、まざまざと思い出された。
  
  「そんなに泣いちゃ駄目だよ。さあこっちを向いて。」

 藤が、杏樹に注文をつけた。
照明が当たって、スタンバイが整った。
ホワイトバランスを取って、軽いカメラテストの後、撮影が始まった。

  「いいねえ!今度は寝そべって!そうそう。」
 
 久々の良い被写体に、藤は有頂天になっていた。
現役の有名女子高の生徒なのだ。正真正銘のお嬢様を撮っている。

 次は、どんなきわどい写真を撮ろうかと、あれこれ考えていた。
だから、エレベーターが動いているのに気がつかなかったし、
そこからだれかが降りてきたのにも気がつかなかった。

いきなり、半分開いていたドアがバンッと大きく開いた。

  「おまえらぁ!!!杏樹に何をしたぁ!!」

杏樹のあられもない姿を見て、亨は逆上した。

                     -つづくー

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2009/10/21 09:31
ま・・・まにあったのか・・・(>_<) ・・・・

気になるこんご!!!!
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2009/10/21 03:08
 お兄ちゃんもやられちゃウンじゃ~ないんですかね!
亨君って、強いのですか、、?
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2009/10/16 01:01
一気に読んじゃった!う~こんな事に(>_<)くそ~!藤めっ許せんっ!!!
兄ちゃんナイス!!!!間に合ってよかった~
写真撮られてる…兄ちゃ写真も取りかえすのじゃー!!
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2009/10/14 01:57
よ、よかった~(>_<)

ぎりぎりセーフ!!亨ちゃん間に合ったよ~^^
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2009/10/13 23:04
兄貴!やるときゃやるじゃないか!!!
いけいけ!!!ぶっとばすのだーーーー!
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2009/10/13 20:05
続編待ってましたあああああああああああああああああああ
やっと兄貴キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!



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