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タッチャン■


生命の歴史9


真核生物の誕生

地球上の生物は全て細胞から出来ています。
この世の生物を大まかに分類すると二つの生物に分けられます。
細胞内に核を持つ真核生物と核を持たない原核生物です。
真核生物は、私たち動物や植物、キノコなどの菌類などがあります。
原核生物は、一般的にバクテリアとか細菌とか呼んでいる生物です。
真核生物は、原核生物と比べて細胞のサイズが大きく
細胞内に核やミトコンドリアなどの細胞内小器官があり
複雑な構造をしているように見えます。
またほとんど全ての真核生物は酸素を利用しているのに対し
原核生物には、酸素を利用するものの他に
酸素を利用しない、いや酸素を嫌う生物もいます。
生物が誕生した頃の地球には酸素がありませんでした。
そのため、40億年前に誕生した最初の生物は嫌気性の原核生物で
あったと考えられています。
26億年前ほど前に光合成生物のシアノバクテリアが登場すると
光合成の副産物として酸素が排出されました。(*1)
酸素は生物にとって有害な物質です。
しかしやがて、その酸素を利用する生物が登場します。
酸素は有害物ですが、大量のエネルギーを供給します。
一旦酸素を利用する生物が登場すると、酸素以外を利用する生物では
太刀打ち出来なくなりました。
ある時、酸素を利用しない生物(*2)と利用する生物とが合体しました。
酸素を利用しない大型の生物が酸素を利用する小型の生物を
体内に取り込み、共生関係になったのです。(*3)
酸素を利用する生物を体内に取り込んだため
遺伝物質であるDNAは有害な酸素にさらされる事になります。
DNAは酸素に弱いのです。
その生物は自らのDNAを酸素から守るため膜で覆いました。
こうして細胞核が誕生したのです。
核を持ち、酸素を利用する小器官”ミトコンドリア”を持つ生物
つまり真核生物が16億年前に誕生したのです。
その後、真核生物の一部がシアノバクテリアと共生関係になりました。
体内に取り込んだシアノバクテリアは、葉緑体となります。(*4)
こうして植物が誕生しました。


*1:光合成にはたくさんの種類があり、酸素を排出しない光合成も
   あります。

*2:真核生物の主体となった、この酸素を利用しない生物が何であったのかは
   現在でも不明です。

*3:これを細胞共生説といいます。共生ではなく細胞の一部を自ら膜で覆った
   という説もある。

*4:葉緑体との共生は、実際には何系統もあったようです。
   ただ、陸上の植物はほぼ一系統のようです。
   

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2020/10/21 12:31
酸素を排出しない光合成。
初めて知りました。
知らない事を知るのは楽しいです。
少しづつ読みに来ます。



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