Nicotto Town


エミルの風姿花伝


天の窓 と 空の虹

天の窓が開いて 水が落ちてくる
天の向こう側には 知るよしもない大水があって
神さまの機嫌で
その天の窓が開いて 水が落ちてくる

まぁ そんな水が落ちてきても
おいらの羽根には
水をはじき飛ばせるる羽毛があるのさ
空を飛びながら
人間を観察するのが
いわゆる ヒューマンウォッチングだ

アダムがおいらの始祖を
「ハト」と名付けた頃は
エデンも快適なところだったらしい

最近は
アダムの子孫が無茶をしているということで
ノアが 息子の セム ハム ヤペテ  を 伴って
でっかい船を 造っている様子を 鳥瞰している


ノアに言わせると
神さまの機嫌が この頃 すこぶる悪く
天の窓が すべて開いて
一度 天と地に分けた混沌という水を
混ぜ返すとかいう計画があるというのだ


(中略)


船から飛び立ったおいらは
乾いた大地に オリーブの木が生えているのを見た
おいらの連れ合いをここに呼んで いっしょに暮らそうと
巣作りのためのオリーブの葉っぱをくわえて
船に戻った

ノアのおっさんは
なんか はしゃいでいたけれど


おいらは 連れ合いとともに
再び 飛び立った

太陽を背に あの乾いた地に向かって飛んでいると



ノアのおっさんは
この 虹は 再び
このような大水はないとかいう印なのだ
とか
勝手に 神さまに約束を
取り付けたみたいに
言ってるらしいが・・・

ノアのおっさんと その妻
三人の息子と それぞれの妻
併せて8人が

再び人の始まりなったのかな?


おいらは
天の窓が開いて
水が落ちてきても
まぁまぁ 今日を 生きている

#日記広場:自作小説

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2017/08/03 14:57
雨をものともしないハトさんが気まぐれに思いを馳せ
気の向くまま日々平和に過ごしている様子でしょうか(´∀`)



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