全パ班日誌 =はじめの頁=
- カテゴリ:自作小説
- 2016/11/13 12:08:30
とある某有名RPGの二次創作小説です。
その世界を舞台にオリジナルのキャラたちが活躍?するお話だよ。
ゲームを知らない人でも分かるように書くとともに、オリジナル設定もアリです。
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◆はじめの頁 =初心者冒険者さんの場合〔前半〕=
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救護要請が班の方に入る。その場所はナジミの塔。
ナジミの塔はアリアハンを出て、すぐ見えるところにある塔なんだ。
海をはさんで西の小島に建っているその塔は、冒険者になるための修行の場になっていた。
この塔の最上階に居るユーリンじーちゃんに合格をもらえないと、冒険者と名乗れない。
そして国王陛下から旅立ちの許可もおりないんだよね。
合格をもらったあとも、初心者冒険者さんたちはここで修行をしたりする。
このパーティーさん、登録してる情報だと冒険者になりたてだったかな。
この塔で全滅するなら、ベテラン冒険者への道のりはまだまだ遠いかもだね。
「人数は何人で登録してたっけ?」
「3人です」
「了解~すぐに出発するよ」
救護はだいたい4人一組で向かうんだ。
要請の出ている場所まではルーラで移動。
ルーラっていうのは瞬間移動をする魔法で、唱えるとたちどころに行きたい場所へ移動できる。
外へ出て、おれがその魔法を唱える。
ナジミの塔は何度も行ったことがあるし、内部の地図も頭に入っていた。
「反応は2階から出ています。急ぎましょう」
アメフが水晶がはめ込まれたレーダーを見ながら言う。
「2階だね、大丈夫だと思うけど魔物には気をつけて。行くよ!」
「おっけー副長ちゃん♪」
ヨナスはのんびり歩き出す。
ううう、急がないといけないのに……ヨナスはいつもこんな感じなんだよね(汗)
とりあえず……
魔物にあうこともなく道に迷うことなく、おれたちは全滅したパーティーのもとへたどり着けた。
「副長さん、あそこ! あの人たちですよ」
2階への階段を上ってすぐ、通路の向こうに倒れている人を発見した。
おれたちは急いでその人たちに駆け寄る。
「大丈夫ですか~、すぐに助けますね~」
フワンが倒れている3人に声をかけて、怪我の具合を見はじめた。
それにしても……この人たちホントに初心者パーティーだねぇ。
怪我の具合を見ているフワンのうしろから彼らの様子をチェック。
『武器・防具はちゃんと装備しなさいね。持っているだけではダメですよ』
武器・防具屋さんで必ず言われることなんだ。
けれど、初心者パーティーの何組かはそれを忘れて冒険に出てしまう。
……今回のパーティーの人たちのようにね。
服装は普段着で、いわゆる布の服。
そして魔物を撃退する武器は道具袋の中だった(汗)
「どう、怪我の具合は?」
3人の具合を見て応急処置を終えたフワンに聞いてみる。
「ケガはひどくないですよ~。オオアリクイの引っ掻きキズが一番大きいくらいですね~」
「そっか、よかった。それじゃ、お城へ運ぼうね」
ちゃんとした治療をするため、城へ帰る準備をしようとしたところへ、
「副長ちゃん、魔物いるよ~」
ヨナスが緊張感なく言う。
こんな時にはもう少し緊張感持ってほしいんだけどな……。