ニッカ余市のお中元
- カテゴリ:グルメ
- 2015/07/19 00:08:33
お中元が届いた。
送り主は、とある不動産会社の社長から。
開けてみると、中身はナント『ニッカ余市1980'S』もはや入手は非常に困難となった『余市』それも、本来余市工場でしか買えなかったハズで、今ではオークション5万円スタートになる代物。
サスガ経営者たる者、人の心をつかむのが上手なんだ。
なんでこうなったかは先週の出来事だった。
先週の出来事↓
副業で先週土曜日、感性の合わない車で難儀したものの、秋田に着いた日、食べ物は良いものにありつけたが、さらに2次会での飲み物は久々の大ヒットだった。
2次会の場所に案内されると、既におぜん立ては出来ていて、ワイン、日本酒、ウイスキー、それにグラスが置かれている。
一行10人はテーブル席に案内され、そこのママさんはじめスタッフが、飲み物を勧めるが、目についたのはウイスキー。ニッカのシングルモルト余市1980’Sだ。
もうお目にかかれないかもというものが目の前にあった。
それを指さそうとしたとき「こちらのお嬢さんはワインでしたよね。」と隣にいたママさんがワインを注いでくれたのは良いが、グラスが小さい。
とても高級な飲み物と思えないラベルで分かるそのカリフォルニアワインは瓶を手に取ると値踏みできる大衆ワインだ。
だが、不味くはない。「価格以上の味わいですね。」精一杯の褒め言葉だ。普段呑みなら良い選択かも知れないが、お客様をもてなすには失礼なランクだ(注:出ているウイスキーと日本酒のランクと比べてです。決して気取ってるわけではありません)。
そこで、なんとなくワインの話題になったが、私は、その時は余市を呑んでいた。余市の1980’Sは素晴らしかった。だが、ワインの話にはハマっていた。
それを聞きつけたこの店のオーナーが登場。
馴染みのメンバーとあいさつを交わしていたが、紹介されて分かった。
この人は、秋田ではある時期知らない人はいない名士の御曹司だった。
ここに集まった10人は私以外は中年以降の方々で、私だけが飛びぬけて若いから、店の人たちは誰かの付き添いでついて来たと思っていたらしい。
「ところで、この中で一番ワインに詳しい方はどなたでしょうか?」と私の隣に座っているママさんが皆の方に向かって聞いた時、ここの常連で、オーナーのお友達のT氏が私の方に手を差し伸べ「そりゃ、こちらの方ですよ。お若いのにいろんなことを良く知っていらしゃる」。
さらに
「本日の会食は、私の事業を助けて頂いた御礼もあって、こちらの方をもてなす為の会合でした。」と、突然私を立てる発言をし始めた(本当はそれほどのことでもないのだが)。
と、ここで隣のママさんが動揺したことが分かった。
他のメンバーと比べると私に対してはゾンザイな口のきき方だったので、マジイと思ったのだろう。
その雰囲気を読んだオーナーは、奥のカウンターの方に向かうと、何やらワインを2本持って来た。
後ろからはワイングラスを持ったスタッフが続いている。
ワインを美味しく飲むためには、やはりこれぐらでなくては。と言うにふさわしい大ぶりのグラスが私の前に置かれた。そしてオーナーの手でグラスに少な目に注がれ「どうぞお確かめください。」とキタモンダ。
目の前の取り皿をどけると下にある白いナプキン越しにグラスの中のワインを見る。若いワインの色だ。だがこの時点で既に香りを感じる。
グラスの下に手を添えスワリングすると鼻に近ずけるまでもなく香りが強くなる。
一口含んで味わう。
前のワインとは比べるべくもない高級ワイン。
だが、熟成前の若いワインだ。
「カリフォルニアのですね。素晴らしい出来です。今でも美味しいですが、もう10年以上置いたものを飲んでみたいです。今飲むのは勿体ないです。」と言いつつ、グラスのワインを2口で飲みほした。
「分かるんですか?ソムリエの資格とか?」と隣のママさんが聞いたが、「そんな資格取る気もありません。知識は味の記憶なんです。」我ながらカッコ良く決まったかな?
それからは、「このワインはドウコウ、ワインと言うのは…。」と言ってたママさんからワインの話は聞かれなくなった。
目の良い私は、ワインを注がれるとき、ラベルに「ナパ・バレー」の文字が見えたのと、ボルドータイプの瓶だったが、ボルドーの高級ワインといえども、開栓直後、これだけのブーケが満ちることは経験がない事と、カリフォルニアの若いワインは、ブーケが素晴らしいので、少しの知識があれば分かる事だ。
そのワインが目の前に来て、改めてラベルを見たが、知らないワインだった。
(帰ってからネットで調べたが、日本では手に入らないらしい)
「やっぱり、一万円ぐらいするんでしょうか?」誰かが質問したが、「値段は分かりませんが、1万円で買えるなら、私、ケースで買いますよ。」お店のオーナーが口を開く前に思わず口が出てしまった。よけいなことを言ったかなと思いオーナを見ると満足げな表情で頷いていた。
困ったことに、美味しいワインは飲み続けたい。
だが目の前の『余市』も今となっては貴重な存在で、今度いつ飲める機会があるか分からない。
ワインも『余市』も、尾を引く(余韻が長い)味わいなので交互に飲むわけにもいかない。
結局、この店に長く滞在すること以外に解決法は無い。
カットスイカと大粒のさくらんぼが出てきたので、暫しそれらをつまんで時間を稼ぎ、ワインからウイスキーに変更し、暫し堪能した後、フルーツを食べて、ワインに変更し、を、繰り返しながらかなり呑んだハズだ。
お店を出たのは午前様。
明日が日曜日なので良かった。
皆をここに連れてきたT社長が「今日は楽しかった。何時も知ったかぶりのママにはうんざりだが、おかげで様でおとなしくなったし。」と別れ際私に告げた。
1日おいて月曜日には、T氏の会社と商談成立で、当分付き合う間柄になった。
そんな訳で送られてきた貴重なウイスキー『ニッカ余市1980'S』有難く頂戴だ。
だったら、ボトルだけで銘柄を当てるのは難しいかな ( ̄~ ̄;) ウーン
秋田県酒造協同組合に参加してる蔵で38あるからそのうちのどこかのはずなんだけど
今度調べてみようっと
今回のも貴重ですが、
シングルカスクの方は幻ですね。
日本酒は秋田の地酒で品評会用のものだそうです。
銘柄は失念しましたが、ボトルはブルゴーニュの白かと思う外観でした。
ママさんも相手が悪かったねぇ
れいさんは詳しいもんね
見た目で判断しちゃダメだってことだね うんうん!(^-^)
オイラも気をつけなきゃねぇ
余市1980’sは買えなかったなぁ
確か、少しオレンジがかったラベルの500mlだったような気が
うちにある余市はSMWS116.4くらいかな^^;;
あと、気になるのは日本酒の銘柄かな
余市1980’sと同程度の日本酒ってなんだろう?
そのママさん私の隣に暫くいたので、
リカバリーしようとしているのが見え見えムードで
かえって白けたかもです。
その後どうなったかは?
どうでも良い事なので。
その12年も今では入手困難になってますよ。
国産ウイスキーは殆ど呑む事ありませんでしたが、
出来のいいものは素晴らしいですね。
呑みたい半分、取っておきたい半分で悩んでいます。
接客のプロなら相手を立てるのが当たり前では?
私が買ってきたのはどこでも手に入る確か12年のものでしたが、初めて飲んだとき、そのスモーキーフレーバーに小さい頃見たセピア色の夢の記憶が蘇りました。
そして何種類か飲んだ中でお気に入りの一つになりました。
とはいえ、お酒弱いんであまり飲めないんですけど^^;
お酒に強い人が羨ましいです。
美味しいお酒は人生に深みを添えてくれますね。
貴重な余市、楽しんでください^^
猫に小判と言わず、味わってみる事ですよ。
知ってしまえば新しい世界です。
知らない方がの場合もありますが、
挑まなければ何も始まりませんので。
ビストさん
余市の原酒は使い尽くすわけにいかないので
古いものは暫くお休みのようですね。
1980'Sは元々貴重でしたが、1990’Sや2000'Sなら頑張ればまだ入手できるかもです。
もっと前の原酒を使った特別限定は入手不可でしょうが。
良いもの頂きました。
知ったかぶりをする人の気持ち分からなくもないですが、
客商売でありながら「鼻持ちならないと思われるのは如何なものかと」デスね。
今回は引き立て役になって頂けました。
優さん
久々に良い思いが出来ました。
ジュースでは、味の記憶むなしいですね。
いずれ機会を見てお酒にも挑戦してみては。
世界観が広がりますよ。
おいしいお酒ならぜひ味わってみたいですけど
猫に小判でしょうから適材適所でいいですね
余市工場で購入したことがありますが、独自の風味であった印象があります。
17年でもなかなかと思いますが、羨ましいっす。
いやでも、ちょっとした知識があれば誰にでも披露したいという気持ちはわかります…それにしても、お酒の世界も広いんですね(゜∀゜)ホォォ~☆☆
それもワインも良いのが飲めて良かったです。
ウィスキーも良いのが遅れられて来て良かったではないですか、私にはそう言う出来事は絶対にないですね。
精々私が飲めるものとすれば、ジュースがやっとですね。