『蘇える金狼』
- カテゴリ:日記
- 2015/06/16 14:07:27
ストーリー[編集]
共立銀行の現金輸送車が襲われ、1億円を奪われた。犯人は夜間の大学を卒業し、資本金15億円を擁する東和油脂に補欠入社していた朝倉哲也。経理部に所属している朝倉は、表向き風采のあがらない社員を装っているが、夜はボクシングジムで鍛練を重ねる裏の顔があった。その実力は、トレーナーの沢野がチャンピオンになれると断言するほど。しかし朝倉の企みは東和油脂を乗っ取り、清水社長の末娘・絵里子をモノにすることにあった。朝倉は奪った1億円の紙幣ナンバーが控えられていることを知り、ヘロインに変えようと海神組に接触する。海神組は朝倉をいぶかしみ殺そうとするが逆襲され、脅された海神組・坂本は、市会議員・磯川から入手していることを話してしまうが、聞き出した朝倉はこのことが洩れぬよう、容赦なく坂本を他の海神組組員と同じように射殺した。
東和油脂の内部事情を入手するため朝倉は、経理部・小泉部長の愛人である永井京子に、堀田という株屋を装い接近。海神組組員の死体から麻薬を手にいれていた朝倉は京子を麻薬とセックスで籠絡する。その後朝倉は新聞記者を名乗り、磯川との取引を図る。磯川は取引場所に配下を待ち伏せさせるが、朝倉は難なく全員始末した。ボディガードを連れて取引場所に現れた磯川は、取引をした直後に配下を使って朝倉を殺そうとするが、配下たちは既に始末されていることを朝倉に知らされ、朝倉はヘロインを手にして悠々とその場を去った。
翌朝東和油脂に出勤した朝倉は、経理次長の金子を秘かに尾行した。金子は桜井光彦という男から、銀座のバーの雇われマダムである牧雪子との情事と、経理部長・小泉たちとの横領行為をネタに強請をかけられていた。金子は興信所所長の石井に、証拠の収められたネガとテープを奪うよう指示。一方、朝倉は緊急に役員会議が行われていることを知り、急遽帰社してその中身を探る。役員たちは要求の半額である2,500万円でネガとテープを取り返すよう石井に指示。朝倉は東亜経済研究所の受付嬢から桜井と政財界のフィクサー・鈴本光明との関係や雪子の居場所を聞き出す。桜井は雪子を人質にした石井一味から2,500万円でネガとテープを渡すようせまられるが、雪子を奪還し一味を追い返す。その一部始終を見ていた朝倉は、その後も桜井を見張り、東和油脂が桜井へ渡した内金2,500万円を強奪した。朝倉は京子を呼び出し、その後の重役陣の動きをパトロンである小泉から聞き出させる。一方、東和油脂から奪い返されたと激怒した桜井は、清水社長以下重役陣と直接会い、ネガとテープを2億円に値上げすると一方的に通達。だが桜井が鈴本の事業と直接関係ないことを調べあげた清水らは、石井に桜井と雪子を始末するよう命じ、石井は神戸から呼んだ殺し屋らと共に、桜井と雪子を豊洲の石炭埠頭におびき寄せ、抹殺した。
石井に命じられた国友は清水社長を恐喝し、更なる謝礼・1億円を要求。この話を盗み聞きした朝倉は、ボクシングジムのトレーナーを装って金子に自らの裏の顔をそれとなく伝える。金子は実際にジムを訪ねて朝倉の実力を確認した後、清水は重役たちと共に朝倉を呼び出す。清水は会社のために、重役昇進を条件に石井一味を始末してほしいと朝倉に依頼。清水ら重役と会っていた殺し屋・国友を尾行した朝倉は石井に拉致されるが、石井と国友が言い争いをしている隙に逆襲し、一味を皆殺しにした。朝倉は金子と共に清水の別荘がある葉山に向かう途中、金子から拳銃を突きつけられるが、簡単に金子をいたぶり、肩の骨を砕いてしまう。朝倉は重役陣に対し、自分を殺そうとした落とし前として東和油脂の株・200万株を要求。役員らは一旦拒否するが、石井殺しを依頼した様子を録音したテープを聞かせ、200万株をせしめ、遂に重役に昇進。朝倉は清水の末娘・絵里子とも交際を始めた。
ランボルギーニ・カウンタックを乗り回し、絵里子とも婚約し、絶頂に達していた朝倉に鈴本光明が接触を図ってきた。鈴本は殺された甥・桜井光彦の弔いのために東和油脂を乗っ取ることを宣言。鈴本は朝倉の200万株を、時価の3倍・24億で買うとオファーしてきた。さらに鈴本はバックに次期総裁を狙う通産大臣・吉村がいることを伝え、鈴本たちを敵に回してあがくか、それともこれを潮時にして金儲けをするか、と朝倉に迫る。朝倉は24億を、ドルの高額紙幣で用意することを条件に鈴本のオファーを受けた。そんな頃、京子も朝倉が絵里子と婚約したことを知り、その朝倉が株屋の堀田と同一人物であることを突き止めた。京子は突然、朝倉の自宅を訪れる。麻薬で操り、情報提供に利用されていたことを京子は責め、絵里子と結婚するのかと問い詰めるが、朝倉は何も答えなかった。朝倉はトルコ産のヘロインを小泉に売りつけた。完全な麻薬中毒に陥った小泉を見た京子は、新たなヘロインを朝倉から購入したことを知り、絶望する。朝倉は京子との海外逃亡を計画して教会の跡地で京子に会うが、京子は朝倉の真意を知らないまま自殺薬を飲んだ後、朝倉と抱き合う刹那、朝倉の腹にナイフを突き刺し倉と抱き合う刹那、朝倉の腹にナイフを突き刺し、息絶えた。京子の航空券をちぎって死を悼みながらも朝倉は空港に向かい、致命的な傷でよろめきつつも旅客機に搭乗した。朝倉の異常な様子に気付いた乗務員が心配して声をかけるが、朝倉は支離滅裂な言葉を口走りながら崩れ落ちていった。