『怪奇大作戦』
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- 2015/06/08 16:36:24
『怪奇大作戦』(かいきだいさくせん)は、円谷プロダクションが制作し、TBS系で1968年(昭和43年)9月15日から1969年(昭和44年)3月9日まで毎週日曜日19:00 - 19:30に全26話が放送された、特撮テレビドラマである。
本項目では原典である連続特撮テレビドラマに付いて記載する
概要[編集]
現代社会に発生する謎の科学犯罪に挑戦するSRI=Science Reserach Institute(科学捜査研究所)のメンバーたちの苦闘と活躍を描く。
毎回描かれる怪奇現象が、実は人間の手によって引き起こされた科学犯罪であり、これに立ち向かう正義の捜査チームという図式で構成されているのが特徴[注 1]。同時に社会に疑問を投げかけるような重いテーマもある。怪獣や超人、超兵器が出現するわけではないが、いまだに根強く多数の特撮ファンを引きつけている作品である[1]。
怪獣や超兵器が登場する派手な特撮ではなく、本編に溶け込んだ特撮(光学合成を駆使し、科学犯罪をリアルに表現する)が目標とされた。TBSから支給された制作費は、1クール13本につき6900万円(1話あたり530万円)。これは空想特撮シリーズ3部作とほぼ変わらない破格の予算であり、知名度の高いレギュラー出演者やゲストが集められた。
こうして本編では、ほぼ毎回のように近未来的な科学技術による殺人事件が描かれ、陰惨でグロテスクな描写も少なくなかった。TBS側も少し前からの「妖怪ブーム」などで「人が溶ける」といったショッキングなシーンに視聴者の興味が集まる傾向があると見て、むしろそういった趣向を円谷プロ側に新機軸として積極的に提案している。平均視聴率は22.0%。当時としても十分ヒット番組といえる数字だったが、タケダアワーの合格ラインは非常に高く[注 2]、第1クールの放映終了時期に「延長措置なし」の判断が下された。『戦え! マイティジャック』の12月終了に続き、番組の受注が完全に途絶えてしまった円谷プロは、1968年12月12日に大幅な人員整理を決行する。
監修の円谷英二は、昭和20〜30年代にかけて『透明人間現わる』『透明人間』『美女と液体人間』『電送人間』『ガス人間第一号』など一連の変身人間による犯罪を描いた映画で特技監督を担当しており、円谷プロには得意とするミニチュアワーク以外にも、この種の特撮ノウハウの蓄積があった。
初期はスタッフも方向性を掴みかねていたため、シナリオやプロットのみで撮影には至らなかったエピソードが複数存在する。プロデューサーの橋本洋二は自身の説明が観念的すぎたとしている一方、円谷プロダクションは当時『マイティジャック』に掛かりきりであったため、あまり打ち合わせもできなかったとも述べている[2]