4月自作/「はじまり 『呪いのはじまり4』」
- カテゴリ:自作小説
- 2014/04/16 20:33:45
ここはある工場のリサイクル施設、ドロドロに溶けているのはフィギクラ人形だった。
「一号釜、異常ありません」
見回りをしていたアルバイトのキンタが無線で工場長に連絡を送った。
工場内の温度は真冬でも40℃を超える最悪の労働条件での見回りだった。
キンタは一号釜を点検し終わると二号釜に移動した。
「二号釜、異常ありません。うん、ちょと待ってください」
キンタはドロドロに溶けた液体の中に溶けず浮いている物があるのを見つけた。
「二号釜に異物ありです」
「すぐに取り除け」
工場長はすぐにキンタにそう命令した。
「はい、すぐに取り除きます」
キンタは工場長にそう返事したものの、液の中からどうして取り出していいのか方法が分からなかった。
高熱のドロドロの液体はフィギクラ人形の原料でリサイクルでまた使用する物だが、融かす前には検査され異物が混じらないないようになっていた。
「おかしいなぁ。こんなの始めてだ。誰かが何かを落としたのかなぁ」
キンタはぶつぶつ言いながら、とりあえず近くに置いてあった棒で釜のふちまで浮いている異物を引き寄せることにした。
キンタは両手で棒をつかみ静かに液体に入れ異物まで棒が届くように両手を伸ばした。
「あっ!」
キンタはそう叫び片手を棒から離した。
液体が跳ねキンタの棒を握ってる片方の腕に付いたのだ。
「あちちちち」
キンタは大火傷を負ったと思い、離した手で飛んだ液体を払おうとした。
「あれ、おかしいな?何処に付いたのだ」
飛んだはずの液体は何処にも付いてないし熱くもなかった。
「気のせいか。うわぁ~、腕が動かない」
キンタは必死で棒を離そうとしたが、腕が固まったようになり動かないのだ。
「助けてえ~」
キンタは恐怖に怯えた。
なんと、棒を伝わって液体が動けないキンタの方へ動い来るのだ。
「誰か助けてぇ~。お願い、助けてぇ~」
キンタは必死で叫んで棒を離そうとしていた。
しかし、腕は引っ張ってもたたいても何しても動かなかった。
「ぎゃあ~」
キンタの声が部屋に轟いた。
液体がキンタの手にまで達し、まるで生きているアメバーのように動き体に浸み込んでいくのだ。
キンタは腕がもげてもいいから逃げ出そうと力いっぱいで走ったが、ただ足をばたばたさすだけでまるで動けなかった。
やがてその足も固まったのか動かなくなり、キンタは人形のように固まって動かなくなった。
「あいつ何してるんだ。何、遊んでいるのだ」
工場長が監視室のモニターを覗きながらそう言った。
「おい、キンタ、異物は取れたのか?」
リサイクル施設の溶解室に工場長の声が流れた。
工場長が監視室の放送用のマイクを使ってそう尋ねたのだが、キンタが無線を使う様子も無く応答も当然なかった。
「何か変だな。ちょと様子を見てくるから」
工場長は監視員にそう言って部屋を出て溶解室に向った。
キンタの運命はいかに。。。
続き待ってます(^^)
昨今の私は、練習用で15枚枠(ニコブログ2回分)を一つの単位としてみようかと考えてます
ゴキブンさんのこの物語は30枚枠かな
のちほどまた読ませていただきます