恋は、舞い降りる天使の羽のようにー初夏ー(5)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/07/30 09:24:21
佐々木教諭は杏樹の様子をメガネの奥から見ながら心の中でそう思った。
しかし、そんな事をおくびにも出さずに杏樹に話しかけた。
「今、おじい様の所にいらっしゃるんですってね?」
「はい。」
「鈴羽村ってどんなところなのかしら?」
杏樹はそんな事を聞かれるとは思いもしなかった。
佐々木教諭は杏樹にとって優しく思いやりのある担任だった。
しかし、あの事件以来やさしく接することは無かったのだ。
「山の美しい静かないい所です。」
「そう…。所で、今度通う学校は?」
「家から少し遠いのですが、通信制の高校に編入することに決めました」
「通信制…ね・・・。」
その時、突然ドアが開いて、学院長が入って来た。
「お待たせしたかしら?」
慌てて杏樹も佐々木教諭も立ち上がった。
学院長は二人にジェスチャーで座るようにうながして、二人が座ると向かい側の椅子に座った。
学院長は杏樹が持って来た書類に目を通した。
「残念ですね。アナタのように優秀な方がこの学院を去る事になるなんて…。」
その言葉を受けて佐々木教諭は言った。
「しかし、あんな騒ぎを起こして学則を守れなかったのは事実ですから退学はやむを得ないと思います。
まあ、退学処分ではなく、あくまでも自主退学ですから、
他の学校に転入するのに支障はそんなにないはずですから。」
佐々木教諭は杏樹の方に向き直ってそう言い放った。
あんな騒ぎ…。
そう…。杏樹にとってあの事件は、忘れる事の出来ない辛い出来事だった。
夏休みに入ったばかりのあの日、課題をする為に区立図書館に行こうと思い杏樹は支度をしていた。
その時、杏樹の携帯のメール着信音が鳴った。見ると、仲の良い友人の宮島春菜からだった。
『里緒が、明日渋谷のスペイン坂に行こうって言ってるよん(^-^)/!
ノーム・アロードのタケシが来るんだって!杏樹も行こ!』
里緒というのはもう一人の友人、高瀬里緒の事だった。
彼女が大ファンのアーティストがFMの公開放送に出るらしいのだ。
『p(^-^)q!何時にどこに集まるの?』
杏樹の返信に、春菜はすぐに返事をよこした。
『10時に渋谷だって!遅れるなよ~(b^-゜)』
春菜からのメールを読んで杏樹は、ウキウキした気分になった。
学校帰りの寄り道を杏樹の通う学院は、許可を受けない限り許していなかった。
だから、友人と出かけるのも休日以外なかった。
明日の渋谷行きを楽しみにして、杏樹は区立図書館に出掛けた。
その夜、杏樹は夕飯の時に何気なく渋谷行きを家族に告げた。
珍しくこの夜は兄の亨も食卓を共にしていた。
「渋谷に行くって?」
「うん!春菜と里緒と一緒に行くの。」
兄の亨は、昔から杏樹の事を何でも知りたがった。
幼い頃から、共働きの両親に代わって、4歳年上の亨が杏樹の面倒を見てきた。
杏樹も、亨のことが大好きだったし、以前は兄に何でも話していた。
「いいけど、変なやつらについて行っちゃダメだぞ!」
そんなことを言う亨に母の智子は、
「そういうのって、お父さんが普通言うんじゃないの?」
「ん?なんだ?」
父の隆は、ビールを片手にTVのナイターを見ていたから、話は聞いていなかったようだ。
「ま、いいわ!ウチにはしっかりモノのお兄ちゃんがいるからね・・・。」
亨はそういわれたが、内心杏樹の事が心配でならなかった。
だからこっそり、杏樹の携帯のGPS機能をオンにしていたのだ。
「とにかく、亨の言うように変なヤツには気をつけて・・ね!」
杏樹は、話しがそこで終わってホッとした。
亨にあまり詮索されるのはイヤだった。
女らしい体つきなってきた小学校5年の頃から、亨の杏樹に対する過剰なまでの干渉は始まった。
杏樹が6年生になったある日、少し気になっていたクラスの男子から手紙をもらった。
ランドセルに隠しておいたのだが、ソレが亨に見つかってしまった。
(こんなもの!いいか?相手にするんじゃないぞ!)
そういいながら、その手紙をビリビリに破いてしまった。
そんな兄だから、杏樹はいつも気を使っていたのだ。
~つづく~
あまり無理せずゆっくりと遊んだらええで@^-^@
ここで続き~!!あ~気になる~
兄もちょっと絡んでそうだけど…夏のあの日に何があったんだー(>_<)
nekomeさん、忙しそうですね><無理はせず、マイペースでb
まったり続き待ってます~☆その方がワクワク感も増しそうですしね(^^♪
しばらくぶりのニコで、早速「恋天」を一気読みさせてもらいました^^
続きが楽しみです!!
またよろしくです!
恋天を読まずにはイラレナイ!!!
ごめんなさい。ニコ辞めることにしました。
今までありがとうございました。
戻ってきたら一目散に恋天読みに来ますね!!!
その時はまたよろしくです!!!
いつまでも待っていますので・・・(*^^)v
忙しい時は無理しないでねぇ(^-^)
最近、超忙しくてなかなか、ブログの更新や皆さんへのところに訪問が出来ません><
後もう少しがんばれば、また以前のようにみなさんのブログをゆっくり読んだり
伝言の書き込みが出来るようになります(*´Д`)=з
今は、リアルの仕事を優先して、頑張りたいと思います^^
追伸:でも・・・・「恋天」だけは不定期ながら、書きたいと思っております(ⅹ^∀^ⅹ)ノ
でも忙しい時はゆっくりしてね~
ちょっとお兄さんが干渉しすぎなような・・・
ノームアロードのタケシ、友達、先生・・・
いったいどうなっているの・・・
ますます目が離せないです(>_<)
うぁぁぁぁん。nekome姫うますぎる!!wwww
今後も目が離せませぬよ!
ってか、そこまで干渉しなくてもwww
って渋谷で何か事件??σ(-公-;)・・もう1回最初から読んで来ようかな?
何があったんだっけww 凹○コテッ