だるま鬼家族 4
- カテゴリ:自作小説
- 2013/02/09 22:22:57
裏山で野猿と遊んでいた大鬼がダルマ鬼の張子の所へ戻ってみると、そこに母の姿はなかった。
「あれ、かあちゃん何処にいったのかな?」
大鬼はなにかの用事で母は何処かに行ったのだろうと思い、母が帰ってくるのをここで待つことにした。
最初、大鬼はダルマ鬼の横に座り神社に参拝する人を眺めていた。
「ここがうわさの良く当たるダルマ鬼くじのところよ。ちょとやってみようかしら」
何人かの若い女性の客が鬼くじを引きにやって来た。
「すみません。ちょとかあちゃんが居ないので鬼くじは今ひけません」
大鬼は母の商売のことを心配して、お客に自分では精一杯のお愛想を振舞ってるつもりだった。
「君のおかあさんがうわさの鬼くじ占いをやってるの?」
「はい、僕のかあちゃんです。ちょと今居ません」
「おかあさんは何時、帰ってくるの?」
「何も聞いていないので、わかんないです」
「そう、わかんないの。じゃ、待ってる訳にいかないわね。またくるね」
若い女性はそう言って行ってしまった。
その後も客が来たが皆帰ってしまった。
「かあちゃん何してるんだろ。早く帰ってこい」
大鬼はいつしかダルマ鬼の張子にもたれて寝てしまっていた。
「ぼく、そんな所で寝ていたら風邪ひくわよ」
神社の近所のおばさんが寝ている大鬼に声をかけた。
大鬼の母と時々世間話をしているおばさんだ。
「ぼくのかあちゃん何処に行ったか知りませんか?」
大鬼がおばさんに尋ねた。
「おかあさんならだいぶ前に鬼を連れた男の人と何処かに行ったみたいよ。その男の人と長い間お話していたみたいだけどいつの間にか皆居なくなってたの」
「鬼を連れたおとこのひと?」
大鬼はおばさんの言葉を繰り返した。
「そう、なんか着物を着てお金持ちそうだったわね」
「そんな人、僕知らない」
「大鬼ちゃんを残して何処にいちゃたのかね。先に家に帰ってるかもしれない。もうお家に帰ったほうがいいよ」
大鬼は母が自分を忘れてしまったのかと不安になった。
「わかった。家に帰ってみる」
そう言って家に帰る振りをしておばさんと別れた大鬼は山の猿に聞いてみることにした。
『海辺のカフカ』にでてくる猫とお話ができるナカタさんみたいだあ^^
どういう結末に…
お猿さんが知ってるといいけれど
子供はお母さんが一番すきなんだから
どうなるのかしら・・一寸心配
子供には恐ろしい展開なのですぅー(*_*;
お父さん鬼でしょうか?
お母さん、息子を忘れて帰っちゃうことはないですよね?(;_:)
大丈夫かな・・・。