Nicotto Town



とあるマナーハウスの一場面

「申し訳ございません、
 お帰りになる前にお伝えするべきだと申したのですが......。」

してやられた、と思った。
横でカドマスが謝罪を繰り返しているが、
コーネリアの仕業だ。カドマスの手落ちではなかろう。

コーネリアの考える世界は単純で
小説のようにハッピーエンドで終わるのが当然だと思っている。
現実は小説と違い、複雑で何も思いのままにならない。

ふと、その時
ある考えがよぎり
考えるより先に言葉が口からこぼれていた。

「カドマス。
 お前がその話を繰り返す程に、
 私は今、態度がおかしかっただろうか?」

一使用人への感情以外のものが気取られたかどうかと、急に不安になった。
古くからダヴェントリ家に仕える老執事は、
はたと思い立ったような顔をしたが、次の瞬間には人の良い笑顔を湛えた。

「そのようなことはございません。
 そのようなことが万一ございましても、私め以外は気付かなかったでしょう。」

アバター
2012/12/09 06:40
●荘園屋敷のダヴェントリ家が舞台、カドマスさんが執事、コーネリアさん… ちょっとまた混乱。

●コメント欄に登場人物一覧があると良いなあと思いました
アバター
2012/09/29 02:23
ほほう^^




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