日本が売れる防衛装備
- カテゴリ:ニュース
- 2012/06/04 14:08:25
先日、日本と英国の間で防衛装備品の共同開発の覚え書きを交換した。
今後日本と英国で軍隊の装備を一緒に製造することもあるだろう。
日本政府が武器輸出3原則を緩和した結果だ。
この緩和措置、一部から「日本が死の商人化する」という懸念も出ているが、そうはならないように自衛隊仕様の様々な装備品を外国に売ることは可能だ。
アニメ化、実写映画化もされた「Rescue Wings」というコミックで有名になったが、自衛隊はUH-60Jという救難ヘリを持っている。
機体はアメリカ製なのだが、自衛隊のそれは様々な独自の装置を付けていて、この救助用の装備はけっこう外国の軍人は驚くという。
離島に住んでいる人だと見た事があるかもしれない。
大きな病院のない離島で緊急手術が必要な重病人、けが人が出た場合、航空自衛隊の救難隊に本土までの移送が依頼される事がある。
いわば空飛ぶ救急車だ。
航空自衛隊の救難隊というのは本来は墜落した戦闘機などの自衛隊機の乗員を救助するための部隊で、救助用装備も本来はそのために開発した。
たとえば緊急脱出したパイロットが海面に浮かんでいる場合、一刻も早く救助しないと命に関わる。
UH-60Jは機首の下に赤外線暗視装置が付いていて、夜間でもパイロットの体温を感知して広い海面で見つけ出す事が出来る。
見つかったら上空にホバーリングしながら、救助隊員がロープでぶら下がって海面に降り、そのまま電動で吊り上げて機内に収容する。
この機能は地上でも使えて、警察や消防のレスキューヘリでは危なくて飛べないような悪天候時には自衛隊の救難ヘリが登山の遭難者などを救助に山岳地帯へ飛ぶ事もある。
東日本大震災では陸上自衛隊が被災地支援に行ったが、炊事車も派遣されたと思う。
簡単に言えばキッチンカーで、カレーライスのような簡単な物なら、一台あたり1時間で100人分の調理が出来る。
避難所一か所あたり数百人という被災者がいた場所ではかなり重宝しただろう。
今ある物は車輪は付いているが自力では走行出来ず、ジープやトラックで引っ張って運ぶ。
陸上自衛隊では牽引車と完全に一体化した完全自走式のタイプの開発を目指している。
外国の軍隊にも似たような物はあるだろうが、パン食文化の欧米の軍隊ではここまできめ細やかな調理が出来るキッチンカーではないらしい。
米を主食とする日本だからこそ開発出来た物で、今後同じく米食文化の国の軍隊では導入の機運が高まる可能性が高い。
現時点で一番輸出の可能性が高いのは海上自衛隊のUS-2という航空機である。
これは水陸両用のいわゆる飛行艇で、地上の滑走路で離着陸はもちろん、海面に直接着水する事も出来る。
しかも海面に着水後、そのままプロペラを回して陸に向かい、海中で車輪脚を出してそのまま砂浜などに上がって行く事も出来る。
遠浅のなだらかな地形の海岸なら空港も滑走路もない離島に全長33メートルの巨大な飛行機が陸の上まで上がれるわけだ。
自民党の石破茂議員がよく言っている事だが、この一つ前のタイプであるUS-1Aという飛行艇をたまたま見た外国の軍幹部から「売ってくれ」という話は何度も出たそうである。
どこの国の軍隊かは分からないが、おそらくASEAN諸国、特にインドネシアやフィリピンなどの多数の離島を持つ国ではないだろうか。
US-1Aは救難、輸送用の航空機であって武装はないのだが、自衛隊の特注品であるため「武器・兵器」とみなされてしまって、武器輸出3原則にひっかかるという事で輸出は不可能だった。
そこでその新型であるUS-2は、3原則も緩和されたし、戦闘用の航空機ではないので輸出を狙ってみようという話になっている。
これは機体からして純国産で、新明和工業というメーカーが製造している。
もともとは兵員輸送用に設計された飛行艇だが、US-1Aは離島の民間人の救助、救急搬送などに実際に使われてきた。
改良型であるUS-2が島国や島嶼の多い国で導入されれば同じ使い方が出来るし、大地震に襲われた遠隔地に大量の軍隊の救援部隊を迅速に送り込む事も可能になる。
まだ輸出の許可は出ていないようだが、新明和工業はそれを見越して、US-2の民間使用バージョンを研究中である。
数十トンの荷物を運べるので、巨大な水タンクを積めば「空飛ぶ消防車」としても使える。
後続距離が4,500キロもあるので、海上で海水を大量に積み込み、2,000キロぐらいまでなら内陸の大火災の現場へ到達する事も可能だ。
日本が英国から得られる物としては、F-35の運用、メインテナンスのノウハウの共有がある。
英国はヘリ空母や中型空母の運用実績もあるので、将来日本が国土防衛用の空母を持とうとする場合、英国から得られるアドバイスは貴重になるだろう。
日本も、米国製の武器を購入するだけでなく、日本人のきめ細やかさを活かした防衛機器・装備を
開発して、外国に売るぐらいの強かさをもってもらいたいですね。日本は綺麗事が多すぎます。
同じ敗戦国のドイツは米英仏露に次いで世界5位の武器輸出国になっているのに…。
こういうふうに、人命救助や平和利用できるもの、、いいと思います
あの、、キッチンカー、、それから移動銭湯、、みたいなのとか、、