恋は、舞い降りる天使の羽のようにー初夏ー(2)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/06/21 10:36:45
朝、2階から降りてきた杏樹を見て龍太郎は驚いた。
いつも動きやすい服装ばかりしていたので、可愛らしい白いチュニックと柔らかな素材の淡いブルーのスカートを身につけた杏樹の姿はとても新鮮に見えた。
龍太郎は東京に向かう杏樹を鈴羽駅前に送っていった。
高速バスの来るまでの間まだ時間があった。
駅前のファストフード店でしばし時間を潰す事にした。さすがに開店直後の店内には人影は無い。
龍太郎はコーヒーを頼み、杏樹はアップルティとシナモンメルツを頼んだ。
「あっ!忘れる所だった。はい、これ。」
龍太郎は自分が出品する彫刻展のパンフレットを渡した。
「裏に地図が書いてあるから…。」
「世田谷のHT美術館…?」
「美大の時の教授の私設の美術館なんだ。」
杏樹は、パンフレットを大事そうにしまうと、残りのアップルティを飲み干した。
席を立った時、杏樹は入り口のカウンターにいる美里蘭に気づいた。
蘭も直ぐに二人に気づいた。
彼女は、コーヒーを持ってすぐ側のテーブルに座った。
「おはよう。早いのね。」
「おはようございます。」
「ねぇ源さんに聞いたけど、今度こっちの高校に編入するんですって?」
「はい。その手続きでこれから東京に行くんです。いつまでも、中途半端なままではいけないと思って…。」
杏樹は自分に言い聞かすように答えた。
「そろそろバスの時間だよ。」
龍太郎が杏樹をせかした。
「それじゃあ、行ってきます。」
「気をつけてね。」
店を出てゆく二人を目で追う蘭と振り返った龍太郎の視線が一瞬、絡み合った。
杏樹達がバス停まで来ると、タイヤを鳴らしながら一台のRV車がやって来た。喬介だった。
「あぁ、良かった間に合った!」
「何だ?」
「これ!ご両親に…。」
そう言うと、ホテルの紙袋を差し出した。
「ウチのホテルのシェフが作ったチーズケーキ。美味しいって評判なんだ。これお土産にと思って。」
「あ!ありがとうございます。」
その時、新宿行きの高速バスがやってきた。
バス停にバスが止まると、乗務員が乗客名簿を持って降りてきた。
杏樹のほかに、2人の客がいたがすぐに名簿の確認は終わった。
龍太郎が、杏樹の荷物を持とうとすると、横から喬介がサッと取り上げてしまった。
「バスの中まで、持って行ってあげるよ。杏樹ちゃん!」
喬介は杏樹を促してバスの中へ乗り込んだ。龍太郎は唖然としたが、バスの窓から見える杏樹に手を振った。
やがて、バスの出発時間になった。しぶしぶ喬介が降りてきた。
バスが動き出すと、杏樹に笑いかけ手を振りながら喬介は龍太郎に言った。
「お前の事だから、お土産なんて用意しちゃいないだろうからなぁ~♪」
「そうだな、お前は気が利くからなぁ。」 (ソレ言わなきゃいいんだけどな^^;)
「そうだろぉ?おっと!すぐ戻らなきゃ!じゃあな!」
喬介は、そういうとRV車に乗ってまた、タイヤを軋ませながら帰っていった。
龍太郎は、自分の車に戻って車のキーを出した。隣に蘭の車が停まっている。
ふと、視線を感じて目を向けると、蘭が店から出て道の向こうから龍太郎を見つめていた。
信号が変わると、蘭はゆっくり車のところへやってきた。
「元気だった?」
「相変わらずだよ。」
「彼女、向こうにどの位行ってるの?」
「2晩泊まりだって言ってた。」
「ふ~ん・・・。で、出品ついでにお迎えに行くって訳・・・ね?」
蘭は、少し意地悪そうに言った。
龍太郎は戸惑った、いままでそんなことを言う蘭ではなかったからだ。
「いや、そういう訳じゃ・・・。」
蘭は何も言わずに、龍太郎の横を通って隣に停めた自分の車へいった。
車に乗り込むと、助手席側の窓を下げた。
龍太朗は覗き込みながら、蘭に声をかけた。
「今夜、飲みに行くから・・・。」
蘭はニッコリ微笑みながら、言った。
「待ってる・・・・・・。」
蘭の車が行ってしまうと、龍太郎は西の空を見やった。
鈴原尾根の山並みが、朝の光の中でキラキラ輝いていた。
-つづくー
ギャフン!
女だ!女!!!wwww
次回も楽しみス!
キャロットサンド作ってくれてありがっと~~~^^
他のもお勧めなのでぜひ~!
蘭さんは喬介が好きなんですよね~^^;
あ~、次の展開が気になって気になって><
なんだか^^展開が気になります^^
複雑になりそう^^;
うふふ
蘭さん・・・どんな感じの人なんだろう・・・・
おししいのかな?(* ̄¬ ̄)o―∈じゅる・・・なんて思ってしまって
何度も読み直しwwww
めるつめるつめるめるめるる~~~~
また違った恋が?????