Nicotto Town



Ange 9

9.

 暖炉に火が燃えていた。

 今まで見てきた部屋は、どこも必要なモノしか置いていない
整然とした部屋だった。
 が、この部屋は違っていた。

 火が燃えていたし、絨毯はピンクの薔薇柄だったし、
色々なオモチャが置いてあった。

 その中で、床に寝転がり、ニィナが気持ち良さげに眠っていた。

 ”起きろ”と言わんばかりに、レトラはニィナを一蹴した。
「...ニ、ニィナ!起。」
 慌ててラダがニィナを起そうと、揺すり始めた。

「わぁ、すごーい。他の部屋と全然違うんね、この部屋。」
 最後に入って来たママナが楽しそうに部屋をくるくる回った。
 そうしてしばらくすると、突然止まり不思議そうに声をかけた。

「...ねぇ、ボス?」
 部屋の片隅で何かを見つけた様子だった。
「眠ってるわ。さっきの子の一人かしら?」

「そうだろ。よく眠っているな。」
 小さなベッドで今までたくさん見てきた、金髪の少女が眠っていた。

 2人の話声に気付いたのか、少女はゆっくり目を開けた。
「...おはよう。よく眠れた?」
 ちょっとふざけた気分でママナがそう言うと、少女は嬉しそうに頷いた。
「...はい。おはようございます。」

 ニィナを揺すっていたラダだが、
さっきまでいた18号がいないことに気がついた。





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