Ange 9
- カテゴリ:自作小説
- 2012/04/03 22:58:58
9.
暖炉に火が燃えていた。
今まで見てきた部屋は、どこも必要なモノしか置いていない
整然とした部屋だった。
が、この部屋は違っていた。
火が燃えていたし、絨毯はピンクの薔薇柄だったし、
色々なオモチャが置いてあった。
その中で、床に寝転がり、ニィナが気持ち良さげに眠っていた。
”起きろ”と言わんばかりに、レトラはニィナを一蹴した。
「...ニ、ニィナ!起。」
慌ててラダがニィナを起そうと、揺すり始めた。
「わぁ、すごーい。他の部屋と全然違うんね、この部屋。」
最後に入って来たママナが楽しそうに部屋をくるくる回った。
そうしてしばらくすると、突然止まり不思議そうに声をかけた。
「...ねぇ、ボス?」
部屋の片隅で何かを見つけた様子だった。
「眠ってるわ。さっきの子の一人かしら?」
「そうだろ。よく眠っているな。」
小さなベッドで今までたくさん見てきた、金髪の少女が眠っていた。
2人の話声に気付いたのか、少女はゆっくり目を開けた。
「...おはよう。よく眠れた?」
ちょっとふざけた気分でママナがそう言うと、少女は嬉しそうに頷いた。
「...はい。おはようございます。」
ニィナを揺すっていたラダだが、
さっきまでいた18号がいないことに気がついた。