Ange 7
- カテゴリ:自作小説
- 2012/04/01 21:28:34
7.
24号はバツ悪そうに、小さく咳払いをした。
「悪かったな、醜態を見せてしまった。
早速なんだが...、彼を返すことは保証しよう、その代わりと言ってはなんだが...
お前達の話しを聞かせてもらえないか?
外部との接触がないので、少しでも知っておきたいのだ。」
意外な展開だった。
レトラは部屋中の少女達を見まわし、納得すると頷いた。
「それは、ニィナを返してもらう条件...と、いうことか?」
「そう考えてもらっていい。」
それから、しばらく3人は少女達に色々なことを話した。
エリアのこと。
仲間達のこと。
どんな暮らしをしているか。
楽しいこと、口惜しいこと、笑えること...、何を話しても
少女達には新鮮なことのようだった。
もう、充分だろう...と思い始めた頃、24号が聞いた。
「...幸せか?お前達。」
少し間をおいてレトラが答えた。
「幸せ?どうだろうな。
幸せかどうかは解からないが、楽しくやってる連中ばかりさ。」
「...そうか。悪かったな、長々とひき止めて。」
と礼を言い、ニィナは隣室で眠っているはずだ、と告げた。
レトラも軽く礼を言い、立ち上がった。
気を悪くしたらすまない...、と前置きをして、レトラは尋ねた。
”ところで、お前達、ここで何をしているんだ?”