Nicotto Town



Ange 7

7.

 24号はバツ悪そうに、小さく咳払いをした。
「悪かったな、醜態を見せてしまった。
 早速なんだが...、彼を返すことは保証しよう、その代わりと言ってはなんだが...
 お前達の話しを聞かせてもらえないか?
 外部との接触がないので、少しでも知っておきたいのだ。」

 意外な展開だった。
 レトラは部屋中の少女達を見まわし、納得すると頷いた。
「それは、ニィナを返してもらう条件...と、いうことか?」
「そう考えてもらっていい。」

 それから、しばらく3人は少女達に色々なことを話した。
 エリアのこと。
 仲間達のこと。
 どんな暮らしをしているか。
 楽しいこと、口惜しいこと、笑えること...、何を話しても
少女達には新鮮なことのようだった。

 もう、充分だろう...と思い始めた頃、24号が聞いた。
「...幸せか?お前達。」

 少し間をおいてレトラが答えた。
「幸せ?どうだろうな。
 幸せかどうかは解からないが、楽しくやってる連中ばかりさ。」

「...そうか。悪かったな、長々とひき止めて。」
 と礼を言い、ニィナは隣室で眠っているはずだ、と告げた。

 レトラも軽く礼を言い、立ち上がった。
 気を悪くしたらすまない...、と前置きをして、レトラは尋ねた。

”ところで、お前達、ここで何をしているんだ?” 





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