Ange 4
- カテゴリ:自作小説
- 2012/03/29 21:56:07
4.
ほどなくして、ボスとママナは到着した。
”ご苦労だったな”と頭をポンと叩き、ボスレトラは苦く笑った。
レトラは恐れもせず、2人と1匹を従え正面の門を押した。
外観よりも中は綺麗になっており、庭には小さな花がたくさん咲いていた。
「ねぇ?...誰か、いるわ。」
ママナが最初に気付いた。
小さな女の子が花を摘んでいた。
金色の巻き毛で、可愛らしい子供だったが...まるで能面のような
無表情だった。
こちらに気が付くと、花を摘むのをやめ、立ち上がった。
1度、”ついて来て”とでも言うように振り向いてから、奥の裏庭に消えていった。
「...ついて行こう。」
「だ、大丈夫なの?」
ママナは心配そうにレトラの袖を引っ張ったが、レトラは”大丈夫だ”とママナの肩を寄せた。