Nicotto Town



Ange 4

4.

 ほどなくして、ボスとママナは到着した。
 ”ご苦労だったな”と頭をポンと叩き、ボスレトラは苦く笑った。

 レトラは恐れもせず、2人と1匹を従え正面の門を押した。
 外観よりも中は綺麗になっており、庭には小さな花がたくさん咲いていた。

「ねぇ?...誰か、いるわ。」
 ママナが最初に気付いた。

 小さな女の子が花を摘んでいた。
 金色の巻き毛で、可愛らしい子供だったが...まるで能面のような
無表情だった。

 こちらに気が付くと、花を摘むのをやめ、立ち上がった。
 1度、”ついて来て”とでも言うように振り向いてから、奥の裏庭に消えていった。

「...ついて行こう。」
「だ、大丈夫なの?」
 ママナは心配そうにレトラの袖を引っ張ったが、レトラは”大丈夫だ”とママナの肩を寄せた。





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