Nicotto Town


nekomeのつぶやき☆


恋は、舞い降りる天使の羽のように、、。(9)

 一刻も早くここから出なければならない。
龍太郎は、ウィンドブレーカーを脱いだ。杏樹の体に付いた雪を払って着せる。
こういう時に怖いのは、濡れた体を風にさらす事だ。あっという間に体温を奪われ、体が冷えると命にかかわる。
パーカーのフードもしっかり頭にかぶせ、ジッパーをきっちり上げた。
   
  「杏樹?聞こえるか?これから家に帰るぞ!しっかりつかまれ!」
  
 うっすら目を開けた杏樹が、弱々しく頷いた。
龍太郎は杏樹を背負うと、やっとくぼ地から這い上がった。
雪の少ない風あまり当たらない木の陰に杏樹を下ろして、スノーシューをブーツにしっかり付けた。
すでに雪は龍太郎の膝の上まで積もっている。再び、杏樹を背負うと、家に向かって歩き始めた。

 風が渦巻いて雪がありとあらゆる方向から吹き付けてくる。
視界が悪い上に所々、吹き溜まりになっていて腰のあたりまで積もっている。
杏樹を背負い家までたどり着くのは至難の業だった。
 
何かにつまずいて、転びそうになった。
  
  (梅の枝!?)
 どうやら裏畑のはずれにたどり着いたようだ。
  
  (助かった…。)
回り込んで家の裏手に来た。家の中から、かすかに何かの音がしている。

  (ん?電話‥鳴っている!)
 急いで玄関にまわって戸を開けると、そこに放り出したままだった子機が鳴っている。
龍太郎は杏樹を背負ったまま、飛びつくように電話にでた。
  
  「モシモシ?」
  
  「まだ居たのね!?どうしたの?」
宮子の声を聞いた時、龍太郎は涙が出そうになった。

  「杏樹が大変なんです!」
 
  「どうしたの?何があったの?」

龍太郎は事のいきさつを話した。

  「意識はあるのね?いい、よく聞いて!杏樹さんはきっと低体温症だわ。
    濡れた衣服を脱がして、ゆったりした乾いた服に着替えさせてあげて。 それから…。」

 杏樹を玄関の椅子に下ろしながら龍太郎は話しを聞いた。宮子はさすが看護師だっただけあって、的確にアドバイスしてくれた。
  
  「JRも雪でストップしてるし、国道の除雪も間に合わないの。そこまで、今日中にはゆけないわ。
     いい?滝君。あなたが、杏樹さんを助けるのよ!」
 
  「解かりました!」
 
 電話が切れると龍太郎は、すぐに行動を起こした。自分の部屋へ行き、ストーブに薪を放り込むと火を入れた。
そして、自分のベッドの上に新しいシーツを敷くと、玄関に戻った。
 杏樹の体に付いた雪を落とし、スニーカーとウィンドブレーカーを脱がすと、ゆっくり揺さぶりながら、杏樹に声をかけた。
 
  「わかるか?ウチについたからもう大丈夫だ!動けるか?」

杏樹の反応がさっきより鈍い。目を開けるのだが朦朧としている。
 
  「着替えなきゃならないんだ?自分でできるかい?」

答えずにすぐ、目を閉じてぐったりしてしまった。
  
  (ダメか、くそ~~!)
 
 龍太郎は、杏樹を抱え上げ、自分の部屋へ運んだ。
そっとベッドに下ろすと、考え込んだ。
着替えを、杏樹の部屋から持ってくるなんて出来そうにない。

  (どうするんだ?・・・えぇい!)
 
 龍太郎は決心したように、自分のタンスから洗いざらしの綿のシャツとジャージを取り出した。
杏樹の雪で濡れたパーカーを脱がし、トレーナーに手をかけた。
抱き起こすように脱がせると、杏樹の上半身があらわになった。
 おもわず、手が止まった。
 
  (ワッ!ば、馬鹿!なに考えてるんだ、オレ!)
 
 あまりにも、魅惑的な杏樹の姿に息をのんでしまった。
色白な肌に、乱れてしまった長い髪が絡み、胸元の色の白さを更に際立たせている。
気を取りなおして、綿のシャツを着せ掛けてボタンを留めるときも、ついつい目が胸元にいってしまう。
  
  (ダメだ~~~!(>_<)しっかりしろ~~オレ!(ToT)

 やっと、上を着替えさせ、デニムのパンツをジャージに着替えさせるときも、龍太郎は心の中で叫んだ。
  
  (オレだって、男なんだぞ!もう・・・どうしろっていうんだ?(ToT)
着替えさせて毛布で杏樹をくるむと今度は台所に行った。
 
 『両脇と足の付け根を湯たんぽか何かで温めるのよ。』
ヤカンをガスにかけながら、龍太郎は、宮子のアドバイスを思い出していた。
 
 『間違っても、抱いて温めるなんてしちゃ駄目よ?いい?』
 
 (するか!そんなこと…って、出来ないよ。マジでそんな・・・。)
龍太郎は、ひとりで赤くなった。
     ~つづく~

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2009/05/22 19:30
わぁ~。
きゃ~。
ちょっとmikaちゃん読んでて恥ずかしいのだぁ~。

またまた、続きにコメコメします。

うふふ
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2009/05/20 21:15
しっかりしろ~~オレ!(ToT)
オバハンは、もしや裸で・・・と期待したのであったwアハハハ^^;;
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2009/05/17 02:14
ちやんと・・釘をさされていたんですね宮子さんに^-^

でも大丈夫なのか早く暖めないとwww
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2009/05/13 20:58
あわわ、あわわ \(゜ロ\)=(/ロ゜)/

えーーーっと、えーーーっと・・・ (オロオロする奥様)
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2009/05/13 16:14
大きな胸がキライな俺ならビクともしないことでしょう(猛苦笑)
オススメの本!探してみます!
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2009/05/13 09:43
無事に家まで辿り着けて、良かったねぇ~。
若い龍太郎ちゃん、杏樹のお着替えさせて、
心の中は凄い葛藤だろうなぁ、、。
悪魔のささやきに負けないでねぇ~!

杏樹も無事に意識が戻りますように~☆
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2009/05/13 09:32
2000文字もあるの~すぐに読めちゃった><はやくつづきよみたくなる~

心の声がリアルだわ~w

しっかりしろーw
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2009/05/13 07:58
龍太郎さんがぁ〜〜!(笑)

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2009/05/12 23:13
コメントありがとう^^  気が付いてますか?  「きみ」、としか呼ばなかった龍太郎が
               「杏樹」って呼んでるのを、、、、^_^;

こりんごさま>外は雪。ふたりっきり。ひえ~~!なんて展開なんだ、、、(*^。^*)
          自分で書いてて、どきどきします^^;
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2009/05/12 22:56
コメントありがとう^^  毎回、2000文字以内にするのが至難の業!今回も~つづく~まで入れて
              ちょうど、2000文字です^^;

ゆのさま>いやん(*ノノ)です、、、(#^.^#)
       意外と、ウブなんです、龍太郎、、、。
       とはいっても、りっぱな(?)成年男子ですからぁ~^^;

だし・まき男さま>気になりますか?源さん?足の骨折ですからぁ。だいじょびですよ、きっと!
            
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2009/05/12 22:51
龍太郎!理性を保つんだっ!!
でも、出来れば抱いて温めて欲しい~(笑)
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2009/05/12 20:28
 アワワワっっ\(゜ロ\)=(/ロ゜)/
杏樹目をあけろぉwwwww!!!!起きてwwwww!!!!!
龍太郎が変なこと考えてるゾっっ☆彡
 源さんもぉどうなったのかぁ気になりますよぉっっ
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2009/05/12 18:59
龍ちゃん、イヤン(*ノノ)

つか、杏樹ぅぅぅぅ!!!!
しっかりせーーーぃ!!!!
源さんーんっっっ><。



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