恋は、舞い降りる天使の羽のように、、。(9)
- カテゴリ:自作小説
- 2009/05/12 15:08:17
一刻も早くここから出なければならない。
龍太郎は、ウィンドブレーカーを脱いだ。杏樹の体に付いた雪を払って着せる。
こういう時に怖いのは、濡れた体を風にさらす事だ。あっという間に体温を奪われ、体が冷えると命にかかわる。
パーカーのフードもしっかり頭にかぶせ、ジッパーをきっちり上げた。
「杏樹?聞こえるか?これから家に帰るぞ!しっかりつかまれ!」
うっすら目を開けた杏樹が、弱々しく頷いた。
龍太郎は杏樹を背負うと、やっとくぼ地から這い上がった。
雪の少ない風あまり当たらない木の陰に杏樹を下ろして、スノーシューをブーツにしっかり付けた。
すでに雪は龍太郎の膝の上まで積もっている。再び、杏樹を背負うと、家に向かって歩き始めた。
風が渦巻いて雪がありとあらゆる方向から吹き付けてくる。
視界が悪い上に所々、吹き溜まりになっていて腰のあたりまで積もっている。
杏樹を背負い家までたどり着くのは至難の業だった。
何かにつまずいて、転びそうになった。
(梅の枝!?)
どうやら裏畑のはずれにたどり着いたようだ。
(助かった…。)
回り込んで家の裏手に来た。家の中から、かすかに何かの音がしている。
(ん?電話‥鳴っている!)
急いで玄関にまわって戸を開けると、そこに放り出したままだった子機が鳴っている。
龍太郎は杏樹を背負ったまま、飛びつくように電話にでた。
「モシモシ?」
「まだ居たのね!?どうしたの?」
宮子の声を聞いた時、龍太郎は涙が出そうになった。
「杏樹が大変なんです!」
「どうしたの?何があったの?」
龍太郎は事のいきさつを話した。
「意識はあるのね?いい、よく聞いて!杏樹さんはきっと低体温症だわ。
濡れた衣服を脱がして、ゆったりした乾いた服に着替えさせてあげて。 それから…。」
杏樹を玄関の椅子に下ろしながら龍太郎は話しを聞いた。宮子はさすが看護師だっただけあって、的確にアドバイスしてくれた。
「JRも雪でストップしてるし、国道の除雪も間に合わないの。そこまで、今日中にはゆけないわ。
いい?滝君。あなたが、杏樹さんを助けるのよ!」
「解かりました!」
電話が切れると龍太郎は、すぐに行動を起こした。自分の部屋へ行き、ストーブに薪を放り込むと火を入れた。
そして、自分のベッドの上に新しいシーツを敷くと、玄関に戻った。
杏樹の体に付いた雪を落とし、スニーカーとウィンドブレーカーを脱がすと、ゆっくり揺さぶりながら、杏樹に声をかけた。
「わかるか?ウチについたからもう大丈夫だ!動けるか?」
杏樹の反応がさっきより鈍い。目を開けるのだが朦朧としている。
「着替えなきゃならないんだ?自分でできるかい?」
答えずにすぐ、目を閉じてぐったりしてしまった。
(ダメか、くそ~~!)
龍太郎は、杏樹を抱え上げ、自分の部屋へ運んだ。
そっとベッドに下ろすと、考え込んだ。
着替えを、杏樹の部屋から持ってくるなんて出来そうにない。
(どうするんだ?・・・えぇい!)
龍太郎は決心したように、自分のタンスから洗いざらしの綿のシャツとジャージを取り出した。
杏樹の雪で濡れたパーカーを脱がし、トレーナーに手をかけた。
抱き起こすように脱がせると、杏樹の上半身があらわになった。
おもわず、手が止まった。
(ワッ!ば、馬鹿!なに考えてるんだ、オレ!)
あまりにも、魅惑的な杏樹の姿に息をのんでしまった。
色白な肌に、乱れてしまった長い髪が絡み、胸元の色の白さを更に際立たせている。
気を取りなおして、綿のシャツを着せ掛けてボタンを留めるときも、ついつい目が胸元にいってしまう。
(ダメだ~~~!(>_<)しっかりしろ~~オレ!(ToT)
やっと、上を着替えさせ、デニムのパンツをジャージに着替えさせるときも、龍太郎は心の中で叫んだ。
(オレだって、男なんだぞ!もう・・・どうしろっていうんだ?(ToT)
着替えさせて毛布で杏樹をくるむと今度は台所に行った。
『両脇と足の付け根を湯たんぽか何かで温めるのよ。』
ヤカンをガスにかけながら、龍太郎は、宮子のアドバイスを思い出していた。
『間違っても、抱いて温めるなんてしちゃ駄目よ?いい?』
(するか!そんなこと…って、出来ないよ。マジでそんな・・・。)
龍太郎は、ひとりで赤くなった。
~つづく~
きゃ~。
ちょっとmikaちゃん読んでて恥ずかしいのだぁ~。
またまた、続きにコメコメします。
うふふ
オバハンは、もしや裸で・・・と期待したのであったwアハハハ^^;;
でも大丈夫なのか早く暖めないとwww
えーーーっと、えーーーっと・・・ (オロオロする奥様)
オススメの本!探してみます!
若い龍太郎ちゃん、杏樹のお着替えさせて、
心の中は凄い葛藤だろうなぁ、、。
悪魔のささやきに負けないでねぇ~!
杏樹も無事に意識が戻りますように~☆
心の声がリアルだわ~w
しっかりしろーw
「杏樹」って呼んでるのを、、、、^_^;
こりんごさま>外は雪。ふたりっきり。ひえ~~!なんて展開なんだ、、、(*^。^*)
自分で書いてて、どきどきします^^;
ちょうど、2000文字です^^;
ゆのさま>いやん(*ノノ)です、、、(#^.^#)
意外と、ウブなんです、龍太郎、、、。
とはいっても、りっぱな(?)成年男子ですからぁ~^^;
だし・まき男さま>気になりますか?源さん?足の骨折ですからぁ。だいじょびですよ、きっと!
でも、出来れば抱いて温めて欲しい~(笑)
杏樹目をあけろぉwwwww!!!!起きてwwwww!!!!!
龍太郎が変なこと考えてるゾっっ☆彡
源さんもぉどうなったのかぁ気になりますよぉっっ
つか、杏樹ぅぅぅぅ!!!!
しっかりせーーーぃ!!!!
源さんーんっっっ><。