Nicotto Town


木漏れ日の下


一話完結小説【2】:軽業師(2)

 背後から聞こえた声に、少年は唾を飲んでから意を決した様に振り返った。今まで聞いた事のない、悲しみにくれた、悲痛な叫びにも似たその言葉に心を貫かれ、少年は、笑顔を保てずに背後にいる人物を、視界に捉えた。それと同時に、他の三人も少年の背後を見据える。どよめきが起きた。――背後には、誰もいない。
「おいジャック、誰もいないのにどうした? 振り返ったりして」
「え……誰もいないって、そこに、女の子が」
 ジャックは指を指して言った。しかし。

「女の子? そんなのいないじゃないか」
 少年の指先は誰もいない場所を指していた。少年二人が、馬鹿にするように笑い出した。「お前、可笑しくなったんじゃないの?」と言って、ジャックを一人残して、走り去っていった。
――僕にしか、見えてない。
 確かに、自身の目の前には少女がいる。真っ白のワンピースに身を包み、色素の薄い金髪を腰まで伸ばした、肌の白い、青い大きな瞳をした少女が、こちらを見下すように見据えている。ジャックは、その少女をまるでおとぎ話に出てくるお人形の様だと思った。好奇心と、自身にしか見えていないという何とも言えない恐怖が心中で交差して、身体を支配するのを感じながら、少女から目を離せずに、ずっと少女の目を見据えていた。すると、少女はその口元を三日月の様に吊りあげて笑い、一言
「私が怖い?」

#日記広場:自作小説

アバター
2010/06/02 22:58
 こんばんは。
 このくらいのサイズだと、続きに部分が非常に気になるんですよね~
 でも構成は凄く難しそう。

『ピエロ』はね、まだ5頁くらいなの。
『大好きな人』は読みました。優しい気持ちが溢れていて、いいお話でした。
 何だか、まとめてコメントしてますね。ごめんなさい。
 また『ピエロ』の続きを読んできます。
アバター
2010/05/25 20:03
またきました^^
文章かくの
とても上手ですね
すごいです!
また続き読みにきたいです♪
アバター
2010/05/24 19:49
頑張ってくださいb^^
アバター
2010/05/24 19:27
ちょっと、書いてたら膨らんできたので、切りながらいきます。構想が良い感じに戻ってきた。これならいけるかな。



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